ぎょうじゃのみず      橋本喬雄作




妙見山に秋がくると八合目の三角蔓が彩づく
あかくあかく燃えるような紅に彩づく


      昔 修験道をゆく行者が 金草を標に
    鉱脈を求めてさまよった
       妙見山の峯峯
                          
                   行者は喉のかわきをいやそうと
                        山刀で三角蔓の茎をバッサリと切った
                        
そこから沁みでる水に行者は生気をとりもどす

                       やがてみつっかた鉱脈に
                       人々は穴を掘る
                       そこから産み出された銅で
                       多くの道具を作り出す
                                       
                       そうした永い月日をくりかえし
                       いつしか三角蔓は
                       「ぎょうじゃのみず」と
                       呼ばれるようになった 

妙見山に秋がくると
八合目の三角蔓が彩づく 
あかくあかく燃えるような紅に彩づく
          
                     


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イラスト  s.kurosawa