my「短歌」

新世紀を期してページを改めました。平成12年度の
作品は別ページでご覧下さい「平成12年版」
平成13年は休業状態、14年と続けて呈示します。
短歌にたいする私の思いをのべた前書きがあまりに長いので顰蹙を買
いました。ご覧いただける方、どうぞ「はじめに」をクリックして下さい
 
あしからず


2002.11.12

み冬づく棚田の畦に残されし肥料袋の臙脂 目に沁む

霜月の黄砂めずらしと伝えいるテレビの音を腑におちて聞く

拉致被害者の骨鑑定のされしとう まこと神経の太さ強いる世

画講座をもちいる場所の早々にクリスマス・デコのなされて居たる

ポインセチア・ポット苗にて売られいつ やや水切れか葉先垂らして


2002.10.16

10月14日西脇市文芸祭短歌部門で特選一席のご褒美をいただきました。作品です。

盾もちしサンチョパンサや新しきコーポ屋上のBSアンテナ

 


2002.8.9  11首

原爆の繪」を見しのちのしまらくを花の繪を描かず過ぎる夏日は

大蓮の花開く朝一日のいずべにて出る最高気温

選手宣誓長きを詞し青年の容姿眼光の美しき今年は

嫁しし娘の空き部屋に雨漏り初めて築四十年の家も古りたり

検診の結果通知に初めてを胸部精検の用紙をみたり

胸部精検の通知をうけて旬日を逡巡ならぬ時重ねいつ

忙しさの途切れを己が覚えつつ胸部精検に今朝は対へり

レントゲンのボードを抱き息止める瞬時見透かすや不可視光線は


深呼吸」「止めて」をしばし繰り返し五体横たうるCTスキャナーに

肺炎の跡の曇りと内科医はわれが画像に判定くだす

大過なき胸部精検の結果得て帰る道すがら河水ひかる


犬柘植の新芽が宿す朝露を今朝気付くいまだ暑き立秋


2002.8.6
今朝、花の水やりをしていて気付いたこと・・どうしても短歌にならず、
俳句でまとまってしまいました。

野牡丹の実莢ゆるみて緋を吐けり

この実好きなのです


2002.7.16    2首

検診のわが数値GOT低かりし肝病む妻のそを担いたき

銀紙を剥ぐ音にさえ寄りてきし猫逝きてチーズさみしく食めり


2002.6.11   3首

糸花に栗成る不思議 去年(こぞ)もいいしと妻は笑へり今年を言へば

田に水の注げる音の響きいて水無月はじめ友は逝くなり


肝炎に逝きたる友の遺影みてまもりてくれとこころにねがう


2002.6.6  23首

サッカーの記事躍る下 不祥事を詫びる各社の告示載る嗚呼

南海の島国沈む事象など脳裏におきて五月光浴む

この年の季のすぎゆき迅からむ田植えの済みしこと話題なる

採血をされたる腕(かひな)アルコールの発ちゆく部分のみ涼しかり

「痛い」という声響きくる整形の外来待合いの椅子に在る刻

採血を終えて戻れば吾が乗らむ車よりひとつタテハ蝶発つ

葉桜のもつ緑陰のくきやかに大気は今日を澄む五月尽

老班の浮き出てきたる吾が掌の亡母に似てきしを憶う日頃は

嬰児の触るる椿の新葉光り「ハ」という語感伝へむとなす

足指の痛み永らくかこちつつパソコンのトラブル解かむと動く

テロ続く地球の各所映されて吾は夕食の鳥串かぶる

額の汗にくもる眼鏡をはずしたり町内溝掃除の労役終ふる

スーパーに落ち合うべしと来たりしが妻の服装を度忘れしている

携帯の電話にしきり頷きて少年の購いてゆく肉・寿司・鮮魚

ライラックの一鉢入れて夜更かせばいまだ欲湧く濃き花の香に

青嵐の音しきりなる五月闇 身にたぎるもの凝るみぞおちに

はつなつの如き気温になりしかば黄金週間のおわり肌脱ぐ

路に散りし浪速茨を掃きゆけばはずれ馬券の一枚まじる

げんげ咲く加西の街を行き過ぎぬ清水さん貴女が亡くなった月

泣く場面取り出され繰り返し映さるる辻本議員やはりもう泣くまいぞ

ニュース視て怒れる吾に長男の黙し切り替うる「荒唐無稽」

行く方の塀を埋めたる蔦若葉 黄金週間の陽に光りいつ


還りしアフガニスタン国原の荒れしを曝す春の光は


2002.4.13

黄砂けぶる北山みえぬ連日を触れて走りゆく妻の通院に

おちあうをスーパーの一角と定めいて妻来るまでを観る花売場

妻に似し後ろ姿におおかたを声かけそめて気づく髪型

葉桜のはやき速度にこの年の経ちゆくさまをふと憂いをり

野牡丹の明日は開くか指折りて去年より二十日はやきと憶う

ハローワークのほとり車の夥し花をよそにか人のひたすら

人件費の高きをいいて仕事逃ぐる いかなる未来くるや日本に

中国より安き物きて仕事なき日本人やがてそも買えずならむ

秘書給与疑惑云々にあけくれる議員あれにて日当十万余円


2002.4.5          たむしばの今年の不作さみしみて街路樹の辛夷満ち咲くを視つ

           駐車場に点く常夜灯 耽けゆけば沁みてわびしき灯の色とみゆ

           画講座の講師つとめて帰りゆく大川の堤 陽炎もゆる

           宮参りに初めて着物着る吾娘にヘアピース選る妻の面わは


2002.4.4少し溜まった歌を書こうと思います。

冬雷のおこす吹雪か北山の午後をはやくも昏れ沈みゆく

ごみ出しを里へ言いこし娘の声にいよよ出産の今日かとおもふ

玻璃ごしにみるみどり児の掌の指の長きをみたりピアノ弾くやも

羽白くみえる角度に群鳩の冬朝光の透ける宙とぶ
(2001.1.12)

孫の歌はつまらぬ・・とよく短歌仲間はいうのですが、それは情におぼれ類型が多いからだと
思います。自分のはどうでしょうか・・・・・・・・

半旗あがる空よ憶えよ地震(ない)揺りしかの日を逝きし物も命も
(2002.1.19)
神戸震災記念日所感

鹿革を裁ちゆく吾れを視つむるか瞳孔のごとくあきし弾丸あと

大寒の日照雨(そばえ)がたたす低き虹 集落の棚田染まりていたり

日輪の位置うす明く光らせて大き雪雲の巡りてゆけり

神戸より節分草を訪ね来し知友案内す雨の野辺路を

C型肝炎の番組あると妻は告げて食器洗うをしばし於きいつ


肝炎の解説流るる画面重しわが妻もそを永く保つゆえ

女孫抱きてわれの系には無き要素 もちたる貌をそぞろ愛しむ

一千万に満たぬ数字に係わりて申告す吾れのモラルハザード
(2002.2.28)

午前9時に手形まわり来を言いきたる銀行よ午後3時まで待て

巨悪を見逃し小事を許さぬもろもろにかろうじてモラルを保って暮らしている市井のわれら・・・・
なにか声を挙げたくなる・・・・・・・・・・・


朝の会議に潔白言いし某知事の夕べ検察に牽かれゆくなり

米屋薬屋酒屋潰して営みきし西脇ダイエーの夏閉じるという

スーパーの撤退ニュース聞く街にコンビニ3店つぎつぎ生るる

向かい地にマンション建ちてわが店の外装の衰 いよいよ著し

夜べよりの旋風(つむじ)に耐えて咲きいたる病院の桜 散らずもあらむ

○薬を待つ間 満開の桜の枝はひとつも花弁を散らすことなく春疾風に揺られていてなにか励まされました


2002-3-7
結社活動をぬけてから糸のきれた凧のように
遊んでいました。こんなページを公開していますのに
恐縮です。ほぼ一年の空白ですが、今年の正月に
ひさびさによみました。先日まで別ページで呈示
していましたが、ここに収録します。初孫が出来たり
公募展に選外で落胆したり、確定申告に苦しんだり
外務省や雪印に憤慨したりこのところぽつりぽつりと
歌をメモしています。おいおい書きます。
2002−1−1
つごもりの満月残しにいとしのあかつき闇のうすれ始むる
なにに守られ在れる我が身かこの年も初日遙拝登山道ふむ
かぎろいはいまだもみえずこの年のはじめ祝わむと我ら集うよ
昨年の閉塞感を排しつつ町長年頭の挨拶強し
二千二年の万歳なして山頂に集いしわれらしばし労う
初日の出拝めず降りて見返ればようやくに新年の日輪まみゆ
宮杜のいまだものこる楢もみじ愛でつつ元朝の参詣すます
しで飾りくぐりて詣ずる熊野社の石段の歩幅 今年も親し
朱の杯に満たす神酒をいただきてむらぎもに湧くちから覚ゆる
産土の宮居みえくるこの道のしめりて浄きけはい愛しむ
御手洗の石の梅鉢紋の彫りふるびておれど顕かにして
にいみやの芳名録をしたためつつ太筆に指のよごれしも良し
菅公の無念は遠くかみさびて梅香 梅花に装はれいつ
脇宮の青木の艶実ひかりつつ冬のいろ「赤」と思える我は
御神火のかなたの森の冬いちご炎より紅き実をいまだもつ
ダム橋を映す水面を乱しつつ緋鳥鴨にいとしの声挙げており
テロリスト永遠に眠れよ新年の陽はいずる地は動く命は満つる
薄氷(うすらひ)の張りたる溜まり懼れつつダムサイト七曲がり元朝をゆく
二礼二拍一礼なしてしまらくをやがて出産の吾娘想いおり
正月の天神社殿 梅鉢の紋所幕よそおい床し
白梅のいまだも固き花枝に元朝の薄き光はいたれる
葉を脱ぎし巨き欅の繊き梢 吾が裸形はたしてかくうつくしき
灯籠の美しき緑苔眺めいて六十余歳の垢おもいいつ
きりぎしを覆う小羊歯の群落のみどりまなうらに鮮らしきかな
きりどうし抜ければみゆる集落のこの年いかな哀楽あらむ
氷川きよし「君が代」うたい元日のサッカー天皇杯始まる日本
南京櫨の白実ひからせ暮れてゆく元日の夕日しばし見送る
ビンラディンいずべ潜むやにいとしといえどもいくさ綿々つづく


2001-2-23

2001を期して3っつの結社活動
から思うところあって
ぬけました。原稿締切のプレッシャーがなくなり、とたんに欠詠がち・・
駄目ですね・・・22日多可学園平成12年度終了式にでまして、記念
講演の八千代町の宮崎維二(ただじ)氏・・東播磨教育事務所・・の
「川柳を友として」と」を拝聴しました。俳諧から川柳の生まれた経緯、
古川柳から現代川柳までのながれなど例句をあげて面白くわかりやすい
講演でした。のち実作タイムがありました。自分も3句ほど投句しました。

急浮上 事故原因は 鈍浮上

事故原潜 船長いずこ潜んだか

窓外の 確かな気配 今日 暁(あかつき

まったく即詠でしたが・・急浮上・・をうまいと誉めてもらい
川柳も面白いな・・・と思いました


2001-2-3

曇天の雲の切れ間を射しくだり    
     陽光の筋なして観ゆるきさらぎ

裸木の梢しろじろと飾りつつ     
      南京櫨の歌うきさらぎ


2001.1.31

はしぶとの空き巣あらわになりにけり       
       欅大樹の冬のすがたは


一年の自が身の伸びの決算と     
     告ぐるが如き欅裸木


殺身仁成」とう厳しき言葉 識りにけり    
         一人救はむと二人が死して

2001-1-24

「性の闇」たれも持てるに逸脱し    
      職失はむ巡査あわれむ


2001年1月1日


万両の朱実に宿る朝光(あさかげ)の ささやかにして歳明くるなり


産土の気の漂へる宮杜に歩を移すとき鳴れる小砂よ

若松に光る滴の溢れつつなに祈るらむ人は額ずく

脇宮の檜皮に積もる落葉の歳古りて小さき草育ており

灯籠の苔むすさまを愛しみて齢加えし我が身とおもう


御灯りのともりて透ける長床の 組み格子古りて元旦穏しき

樹の洞に木霊宿るや空蝉をいまだもつけて鎮まる杜(もり)は

御神火に正月の雨降り注ぎ青煙りたつ檜森のなかに

杉葉檜葉くぐりて弱き昼光に晒されて子らと冬苺つむ

金漆(こしあぶら)の五葉は白く臈長けて冬森はなほ隙を透かしゆく

天光(あまかげ)の至らぬ森の下生にもつるありどうし季を熟れをり

道真の魂も還るや季すでに梅の蕾を育みおりぬ

藪蘭の黒実も艶を保ちつつ いのち継ぎゆくかすこしこぼるる