ブレキャミ的小説







〜アウト・オブ・ソルジャー〜(埒外の住人)

"このオンボロGMめぇ・・・"
連邦の士官学校卒の大尉のこの表現は間違いである。
現時点で、このア・バオア・クー宙域にて後期型GMは最新鋭の機体である。

リカール・F・ランドル大尉は敵味方入り混じった乱戦の中、所属部隊とハグれて、一つの岩の塊の窪みに後期型GM
を隠している
 ミノフスキー粒子濃度が高い、この宙域ではIFF信号はよほど接近しなければ意味が無い・・・
ノイズだらけの通信の中、彼は息を潜め岩陰に紛れGMのコックピットの中で命が永らえる術を覚え始めた。
"このまま・・・終戦を迎えてくれれば・・・"
彼が襟のバッジに誇りを持ち部下を叱咤していた時には思いもしなかった事だった。
星星の煌きの中、時々起こる小さな爆球はモニター越しにも
素直に"美しい・・・"と言わしめた。

彼はこの戦闘を冷静に観察出来る位置にいた。
ジオンという存在が、なくとも宇宙移民の誰か・・・が独立を宣言していたであろう・・・
この戦争はある意味、地球側の愚挙で・・・
その時、北天の太陽の方向から自軍の機体が尋常でない戦闘速度でこちらに向かって来た。
逆光の中・・・その姿を肉眼で確認・・・

"連邦の白い悪魔"・・・これはジオン側からの呼び名であったが・・・

今、確実にそう言えた。

"奴は・・・危険だ・・・"

パイロットとしてではなく人間の本能がそう告げた。
MSの手足の動きだけで最高戦闘速度領域でAMBACを行い、追撃してくる大型MSに一撃二撃と加えていく。
三撃目も・・・比類なき正確な射撃。

こちらに"来る来る来る・・・クルナァァ"

"不味い・・・"それは士官としての現世での言葉だ。

彼はGMを岩陰から引き剥がし加速ペダルを踏み込んでいた。
急加速でコックピットに振動が走る。機体を捻り射撃体勢に入る・・・
予期不可能な方向から後期型GMはビーム砲に撃ち抜かれていた。

今まで"美しい・・・"と感じていた存在に彼は姿を変えた・・・

"白い悪魔"のパイロットはその爆光を無表情にモニターの片隅で捉えていた・・・
次の瞬間、敵MAの一撃が左の盾に着弾した・・・







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