36 山森雅文

 山森といえばアメリカの野球殿堂にも写真が飾られているというレフトフェンスに上ってホームランボールをキャッチしたあのプレー.いつの試合か後で調べるとして,覚えているのは西宮球場でのロッテ戦で先発は山田.その日は調子が悪く初回先頭バッターをいきなり歩かせ,迎えた2番の弘田にレフトにホームランを打たれたと思った瞬間,山森がフェンスによじ上ってキャッチしていました.このプレーで立ち直った山田.試合も勝ったんだったと思います.
「The Braves」 81/10月号 −勇者の明日を担う二十歳カルテット− 関口(左上),石嶺(右上),松永(左下),そして山森の"サーカスプレー"(右下).

 とにかく入団当時から守備はうまくて.ただ,毎年のように課題はバッティングと言われてなかなかレギュラーになれない.84年あたりにようやくレギュラーをつかみ,福原,中沢と共に恐怖の下位打線(7番福原,8番中沢,9番山森)と呼ばれたこともありましたが,レギュラーと言えたのはこの年だけでした.他の年は,たまに先発,ほとんどが守備固めでの出場といった感じで...
 96年に日本一になった時ブルーウェーブの田口,本西,イチローが鉄壁の外野陣と言われていましたが,山森,福本,簑田(簑田,福本,ウィリアムスも捨て難いけど)に比べるとだいぶ見劣りします.
 山森について一番印象に残っているのはもちろん最初に書いたホームランをもぎとったプレーですが,もう一つ良く覚えていることがあります.何かのインタビューで外野守備の話で,「自分の守ってるところから外野フェンスまで何歩あるか全部頭に入ってる.」と言っていたことです.「フェンスが気になるといいプレーができないから,フェンスの位置を歩幅で覚えてる.守備は誰にも負けたくないし,自信もあるし.」当然西宮球場だけでなく他の球場も,初めて行った球場は練習の時に測っておく.フェンスを怖がってホームラン性の打球を追うのを一瞬でも躊躇すると取れないかもしれないし,かといってフェンスに激突しながら捕球するのも一見ファイトあふれるプレーに見えるけど,そういった打球はフェンスまでの距離がわかかってたらまず全力疾走でフェンスまで行って捕球すれば何の事はない.ただ足が速いとか肩が良いとかだけではなくさらにうまくなるためにもっと工夫するプロ中のプロはなかなかいないのではないでしょうか.
 外野手でこういった選手は「壁際の魔術師」と言われた巨人の高田,外野の壁の登り方をいつも研究していると言うヤクルトの飯田,打った時の音とスイングを見てスタートをきっていたと言う福本.そして山森.こういったプロ中のプロという外野手がこれからもたくさん出てきてほしいし,イチローもそういう域に早く到達してほしいと思います.

bravie 98/11/1

 最近,山森さんついてメールで情報をいただきました.その方は山森さん宅の近所で少年野球のコーチをされているそうで,山森さんの息子さんがそのチームに入ったそうです.その時の話で,『山森さんの人柄の良さ(特に礼儀正さ)には驚いてしまいました。我々素人コーチ(しかも少年野球ですよ)に深々と頭を下げて(息子を)よろしくお願いしますと。こういった人柄だからこそ引退してすぐにプロのコーチとして慕われるのだなと実感しました。』とのことです.

 阪急ファンの私にとって(山森さんと親交があるわけではないけれど)こういう話を聞くと心温まる思いです.日本ハムのコーチとして活躍中の山森さんにはぜひ鉄壁の外野守備を誇る第2,第3の山森を育てて欲しいと思います.

bravie 99/2/12

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