劇団制作 さだ(コードネーム)による
特別公演 Lion Heart ほんばんにっき

10月28日(日)  TOPへ

午前8時45分 序章

 今回は前回の反省を活かし、前日はしっかり睡眠をとった。流石に2回目となれば俺も成長したもので、ぐっすりとよく寝ました。そりゃもうふかーいふかーい睡眠でして、目覚ましの音が遥か遠くで聞こえましたものっ!だって自分で作ったスケジュールの「劇場入り」は九時のはずなのに、序章の時点で8時45分っ!!実は歯も磨かず顔も洗わずで家を飛び出したのでした。とほほ。


午前9時15分 会場入り・他のサークルと打ち合わせ

 さて今回は前回と違い、いつも稽古場をお借りしている「浦和青年の家」の文化祭みたいなもので、他の団体さんも様々なことをする。例えばバスケットサークルがダンスをしたり、英会話サークルが開放授業をしたり、茶道サークルがお茶たてたり。演劇もうちだけではなく、「欅」さんという劇団も公演をするので、打ち合わせが必要だった。過去その打ち合わせは大変らしかったのだが、運良く担当者変更の為、また「欅さんお近づき計画」を以前から密かに実行していた為、何かにつけて手助けをしてくれている。この日も「公演終了後は私たちもバラス(片付け)から、呼んでくれ!」とイナセな発言をしてくれて、ニンマリしましたよっ!照明機材をタダで貸してくれたり、我が侭聞いてくれたり。人の優しさが身にしみるぅ……。

 参加サークル全体で簡単なミーティングを終えて、欅さんにさわやかに「お願いします!」と言ったあった後、ぶらぶらとロビーへ。そこにはすでに今川さん(今川恵理子)とノリちゃん(熊倉訓子)と紫紀さん(猪股紫紀)の3人が今日のパンフレットの折込みをやっていた。とはいえ、皆さん大変お疲れの様子だった。話を聞いてみると何でも昨晩は皆で徹夜だったとの事。でも今川さんはすごく元気だったのが謎だ……。あっけに取られぼんやりとながめていると、ノリちゃんより「あんたは見ているだけで、手伝おうって気は無いの?!」とお叱りをいただく。はい、確かにその通りでございます……。

 折込み中、女性陣はラーメンの話に夢中していた。皆さんも朝飯を食べていない様子で、作業終了後、まだ集合時間までかなり時間があるので、ラーメンを食べに行く事に。四人で浦青を出て、とぼとぼと浦和駅まで出て「ラーメン王」なるラーメン屋に到着。とはいえ開店5分前だったので、一同獣のように腹を空かせて店先で「う”〜」と唸っていたのでした。寒い秋空の下、ラーメン屋の前でジャージ姿で恨み言を言う女優、紫紀さんの姿はなかなか印象的だったけど、そんな事は怖くて言えないって……。

 お店が開き、雪崩れの様に店内に流れこむ。そしてラーメンとライスを注文し、自分は無言で食べ始める。女性陣も最初は楽しくお喋りをしていたが、注文の品が目の前に並ぶと、会話は減り、ひたすらどんぶりを綺麗にする事に集中していたのだった。しかし公演日の朝食にラーメンとは……。
 お腹一杯になり、我らが主宰、佐藤武さんを起こす事に。実は「徹夜で朝寝た」という事を聞いて、自分は非常に不安だった。(←寝坊したくせに)劇団員が携帯に電話をする。「とるるる…とるるる…カチャ、現在電話に出る事が出来ません……。」ああ、やっぱり!自宅にもかけるが、呼び出し音が無常にも続く。「ま、まぁ特別公演はこんなもんでしょ……。」と、ノリちゃん。大丈夫かなぁ……。


正午 役者集合!

 浦和青年の家でまったりする事しばらく。役者が続々と到着した。全員無事に予定時刻には集合したので、まず最初の不安は取り除かれたのだった。簡単なミーティングを行ない、自分は小森さん(小森里志)と物品のチェックに入った。持ち出しの道具は全て万全で、確認後、消え物(舞台上で無くなる道具)である、スーパーカフェオレとカフェオレデストロイヤー(ただのカフェオレ)を買いに駅まで向かった。「安い物」と指示を受けたので、やはり浦和で安くしなが買えるところと言ったら「イトーヨーカドー」だろう、と地元民である自分は見定め、自転車を置いて地下の食料品売り場へ。すぐさま「森永コーヒー」を発見し、レジへ直行する。うちの劇団も当然ながら団費を使う際には「領収書」が必要なわけで、今回もお願いする。しかしいつものことながら「劇団CHAN’T」の字の説明に苦しむ。結局自分で書いた後、今度は品物名の蘭で悩んだ。「お品代」で経費落ちたっけと不安になり、とっさに「消え物で!」と答えてしまい、かなり後悔する。きっと座長(佐藤武)はこの領収書を見て「お前はまた演劇用語を無意味に使ってカッコイイと思ってるんだろ!」とか言うんだろうなぁ……。しかしお店の人の反応は自然で、特に変な顔をされずに領収書を渡してくれた。そうか、「消え物」っていうのは実は一般用語なんだな、と一人納得する。(←違うから)
 買い物を終えて、浦和青年の家に到着する。カフェオレを渡し、お釣りと領収書を渡す時、自分はショックを受けた。なんと領収書には「消え物」ではなく「冷え物」と書いてあるじゃないかっ!そりゃ確かにカフェオレは冷えてるけど、そっそんなぁ…。「これ何だ?」と聞かれたら恥の上塗りじゃないかっ!!やり切れない気持ちになって、自分は領収書を裏返しにして渡したのでした。(←大丈夫、書いている現在も誰も気がついてない……。)


午後2時00分 仕込み

 お昼頃から降り始めた雨の影響で、館内はまったりムードが漂っていた。気がつくと仕込みの時間が迫っており、それぞれ役者は着替え始め、スタッフは再度確認作業を始めた。今回も舞台監督である自分は、当然の仕事「着替え」に入った。今回の衣裳は、前日にゲームセンターで座長がGETしたVspa(バイクメーカー)の限定Tシャツだ。表は真っ白で裏にイキなイラストが入っている。いやぁ、舞台監督はスタッフより目立たなくっちゃ!そんなわけで寒いなか半そでで仕込みにいくのでした……。
 浦青ではいつもの劇場とは違い、最初から舞台はあり、またそこに何か大掛かりなセットを作ったりはしないので、作業的には大分楽である。ただ時間は30分しかないので、合理的な指示が必要になる。「それじゃまず舞台上を全て仕込み、音響は準備出来次第、レベルをチェックしてください!」「おーい、電源はどうするんだ??」「……えっ?」(←考えてなかった)


午後2時30分 開場

 さて無事なんとか仕込みが終わり(←また歯切れ悪い言い方かよ)、なんとか開場できた。自分は舞台袖に入り、あまり稽古に出られずに音響になった上野(上野嘉人)の補佐になった。とは言え、音響ブースはとても人二人入るスペースが無いので、暗闇で男二人密着している状態である。それに開場したとたん身動きが取れないので、3回脚をツッた。舞台袖からうめき声が聞こえていたら、それは演出ではないのでお気をつけ下さい……。
 15分前になり、店長役である小森さんが袖から登場。って、あれ?何で客席から登場してるんだッ!?一瞬意識が遠くなったが、どうやら楽屋で突然段取りを変更した様子。これには舞台袖ですでに待機していた山口さん(山口忍)と紫紀さんはそうとう焦ったらしい。だろうなぁ。
 そして小森さんが前説を終え、作家役の座長が当然前から登場。マイムで店長と会話を始める。しばらくして何か書き始め、書き終わった物を自分のいる袖に投げてきた。何かの緊急自体かと思って慌てて広げてみると、メッセージが書いてあった。「さだ、怒られてばっかり(イラスト入り)。」……本番中ですよぉ?(意識が遠くなる)


午後3時00分 開演

 5分前の天国への階段を指示し、役者とスタッフに緊張が走る。その時の沈黙はきっと祈りに違いない……、っていうか祈ってた。「座長がこれ以上僕を動揺させませんように」って…。
 開演時間になり、音楽を店内BGMに切り替え、ゆっくりとフェードアウトさせる。舞台上はゆっくりと物語が展開され始める。作家と店長とのやり取りが行なわれ、アルバイト希望の女性紫紀役を演じる紫紀さんが登場。当然朝会ったジャージノーメイク姿とは丸っきり違う。(←当たり前)物語が順調に進められる中、作家の元同棲相手である忍役を演じる山口さんが登場し、話は最初の山場へと向かう。稽古中のテンションよりも何倍も上がっており、アレだけ何回も見た芝居でも、こんなに面白くなるとは正直思っていなかった。やはり「本番」って全然違うんだなぁとしみじみ感じた。
 特に大きなミスもなく、気になっていた上演時間もかなり良いタイムで進んで行った。遅くても四時には片付け始めといけないため、一時間を想定しているこの芝居では、ちょっと不安があった。だがこのテンポでいけば過去最高記録を更新できるのでは、と安心しきっていた。そんななか、事件が起こる。
 舞台では「卒業」のシーンが始まり、盛り上がりを見せていた。そして映画の主人公の真似をした作家が、なんと逆の袖にバックダイブっ!!そしてそれと同時にガンッとなにやら危険な音が鳴ったのだ。座長はどんなにテンションを上げても怪我しないようかなり気を使っているので、安心しているのだが、そっち袖には欅さんからお借りしている照明機材のコードがある。音が鳴った瞬間座長では無く、照明を見上げたのは言うまでも無い……。
 吊った照明が落下!などと言う事は無く、無事に物語は進行して、最後のシーンになる。照明が一度暗くなり、センターのライトのみになる。そして作家は再び創作に戻る。それと同時に自分は幕を締め、上野は音楽を盛り上げる。締めきったところで「あの素晴らしい愛をもう一度」が盛大にかかる。そして指定されたタイミングで幕を開けようと、あれ?紫紀さんがおお慌てでエプロンに着替えていた。ドキドキしながら着替え終わるのを待ち(←意味が違う)歌詞の前に無事幕を開けられた。


午後4時00分 終演

 無事にカーテンコールまで終え、お客さんを見送る。受付にある募金箱にお金を入れてくれる人達をちらほらと見かけ、嬉しい気持ちになる。全てのお客さんが出払った後、中は劇団員に任せて、急いで浦青祭りの閉会式に向かう。他のサークル代表者も急いで片付けていたらしく、何やら手にタオルだの色々持っていた。「お疲れ様でしたー!」のあいさつと共に閉会式はすぐ終わり、欅さんと開場に突入。すぐに片づけを終え、欅さんに挨拶をしてロビーに集合する。


午後4時30分 解散

 さて全てが終わった後、座長はすぐさま仕事に向かい、山口さんも用事が入ったらしく、小森さんと紫紀さんは無理がたたってグロッキーになり、直ぐに解散となった。公演が終わったとたん、日常が押し寄せてきたという感じで、誰もが忙しい様で、そのまま解散となる。
 道具を今川さんの車にのっけて、解散後、今回芝居で使った喫茶店の椅子を快く貸してくれた、自分の行き付けの喫茶店「フォレスト」という、中浦和駅から徒歩5分、別所沼公園正面でハンバーガーが美味しい店(←宣伝!)へ、椅子を返しに向かう。店長が笑顔で「お疲れ様です」と言ってくれて、初めて公演が終わったんだなぁっとしみじみ感じるのだった。
 今川さんとノリちゃんと別れ、家に着く。一人のんびりと公演終了の達成感と開放感を満喫していると母親が鬼のような形相で「あんた、今日は引越しの準備するって言ってたじゃないッ!」と怒っており、疲れた体に鞭を打って荷物整理に追われるのだった……。


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今回公演を迎えるまでに色々ありまして、と言うのは決まり文句なんだろうなと2回目を終えて思います。どんな作品であれ、それを生み出すには相当の気力と根気が必要です。ましてそれとは別に誰にも生活がある訳ですから、やっぱり思い通りには行きません。ただその「思い通りに行かない」というのは悪い意味だけじゃないんです。だからこそ頑張る人もいます。今回は特別な事情で役者が変わりました。じゃあそれで悪くなったのかと聞かれると、そうとは言いきれません。皆さんはどう思いましたでしょうか。どんな過程であれ、皆さんが「面白かった」と言えれば、その公演は大成功です。その言葉を言ってくれた人、言えなかった人、そのどちらに答える為に、次の作品の為にまたその「色々」を乗り越えて、お会いしたいと思います。それでは、また!
(文責 石岡)