主宰ご挨拶
 はじめまして、という言葉の方がふさわしいのかもしれません。今回は「第1回はとがや芝居小屋」にご来場いただき、誠にありがとうございます。私ども劇団CHAN’Tは平成6年よりさいたま市(浦和市)を拠点に活動をしておりますが、この度縁がありまして、この鳩ヶ谷で公演を行うこととなりました。改めて関係各位の皆様に、そしてご来場いただきましたお客様に御礼申し上げます。

 さて、今回のお話を頂いたのは昨年のことでした。鳩ヶ谷を面白くする会を運営されている冨田さん、上田さんのお2人とたまたま仕事上で知り合うことができまして、「折角だから鳩ヶ谷でも演劇の公演をやってちょうだいよ、私達がサポートするから」とありがたいお話をいただいたわけです。で、話はトントン調子に進み、いざやるぞとなったのですが、大変ここで難しい悩みにぶつかってしまいました。

 といいますのも、皆さんは演劇と聞いた時にどんなモノを想像されますか?ガラスの仮面、国定忠治、ロミオとジュリエット…一言に演劇と言っても本当にそのジャンルは様々なものなのです。そんな中、見てもらう人に少しでも楽しんで、喜んでもらえるようなエンタテイメントというものは何か?それを考え出すのにものすごく努力をしたというわけです。

 ヒントは日曜日の夕方、ふとつけたテレビからでした。午後6時から始まる「ちびまる子ちゃん」と、午後6時30分からはじまる「サザエさん」。この2つの作品、同じような家族が登場しますが、作者の年代というか、考え方の違いでまったく家族の関係性が違うのです。それを見た時に他の人はどう考えるのかと、ふと思ったのです。

 まる子の家ではまる子とお姉ちゃんといった「子ども」が家族の中心だったりします。おじいちゃんおばあちゃんはひっそりと座り、父と母はとぼけた感じで存在しています。一方サザエさんはーーー浪平がドンとすわり、マスオがその脇に、フネさんとサザエさんはいつでも台所にいけるようにお勝手の前に、子どもは浪平の前にずらっと並んでいるわけです。

 というわけで、この作品は「家族」というものの価値観についてのお話です。いろんなパターンを想定して、問題を提起しています。そして答えはあえて準備しませんでした。ぜひ観劇後にご家族と自分たちの価値観についてお話いただければ幸いです。―――といいながらも、そんな難しいことを考えずに楽しんでいただければ、それで十分です。

 本日は本当にありがとうございます。今回を機に皆さんに今後も定期的にお会いできるようになれれば幸せです。最後までごゆっくりお楽しみください。では、
劇団CHAN'T 佐藤 武