ブラックマトリクス

発売機種 サターン
プレイステーション
ドリームキャスト
メーカー NECインターチャンネル
発売日 1998/8.27(サターン版)
1999/9.30(ドキャ版)
2000/12.14(プレステ版)
 

レビュアー

点数

総プレイ時間

エミール

  81点

 20時間

 シミュレーションRPGとしての出来については初心者向け過ぎて歯ごたえが無かったが、色んな意味で破綻している奇妙な世界観設定に、不思議な中毒症状の出て来る作品だった。

 正統派のアニメ系イラストで、一見すると、圧政に苦しむ人達を解放しながら仲間を集めて行き、戦いの最中に恋愛感情が芽生えて・・・と言った感じの比較的ノーマルタイプなゲームの印象を受ける。
 だが実際にプレイして見ると、それは大きな間違いだったとすぐに気付く。本作品は、見た目の印象とは全く逆に、人間社会の闇とゆうものを描いた極めてダークな作品である。

 ブラックマトリクスの世界は、「平等」「自由」「偽善(正義のこと)」「友情」「弱者」「人権」「愛」が7つの大罪とゆう何とも奇妙な価値観で支配されている。そんな破綻した世界を舞台としたストーリーで、人間とゆう存在の抱える根本的な矛盾や、原罪とも呼べる闇の部分を次から次へとえぐり出してはプレイヤーの頭を混乱させてくれる。

 ※若干のネタバレになってしまって申し訳ありませんが、ストーリー展開について少々書かせて貰います。本当に若干ですけどね(^^;

 正義や悪、自由や平等と言った価値観が、果たして本当に正しいのか? お前達の掲げる正義が何故偽善でないと言い切れる?・・・主人公達と敵との間でそう言った議論が幾度となく交わされて行くのだが、結局のところ何が本当に正しいのかの結論を何も出さないままに次のストーリー、また新しい別な議論が始まってしまうのだ。

 しかもその議論の内容が、これまたエグくて際どい。
 一例を挙げて見ると、今までに戦って殺した敵兵の子供達・・・それも10にも満たなさそうな子供が「父の敵!!」とばかりに襲って来て、その部隊を編成している卑怯な?隊長に、「これがお前達のして来たことの結果だ」などと言われ、結局その子供達を皆殺しにしなくてはならないなどとゆう場面があった。
 そうして子供達を皆殺しにした後でも、結局その行動の是非についての結論が出ないままに次のシナリオに進んでしまう。

 この無責任なストーリー展開は、正直言って万人受けするとは言い難い。テーマ自体も陰惨ダークな上に矛盾だらけなことも多いので、嫌悪感を抱く人も沢山いるのではないかと思う。だがしかし、この無責任さとダークさこそがブラックマトリクスの魅力なのだ。
 重過ぎるテーマを突き付けられてプレイヤーは混乱して考える。考えても考えても自分の中で答えは出ないし、答えが出そうになってもやはり迷いが出てきてフラストレーションが溜まる。筆者はこの欲求不満状態に、妙な中毒性を覚えてしまった。
 プレイヤーを頭の中の迷路に迷い込ませておきながら、あえて出口を用意しないとゆう本作品の製作者の確信犯的なズルさに、筆者はまんまとハメられてしまったが、不明瞭かつ尻切れトンボであることもこれまた事実。色々迷って頭の中が混乱する奇妙な感覚に酔えるかどうかが本作品を好きになるかどうかの別れ目である。

 上記に紹介したストーリーの一部を読んでみて、後味の悪いもどかしさを感じながらも、これは面白そうだと思った人にはオススメするし、自分の好みに合わないと思った人にはオススメ出来ないゲームとゆうことでまとめておこう。

 シミュレーションRPGとしての出来は今一つ。一応色々なシステムが用意されてはいるのだが、そんなものは全く無視してひたすらゴリ押しして行くだけで何とかなるし、クラスチェンジが無いのでキャラの育て方や部隊編成を考える必要が殆ど無いので、本格的な戦闘の醍醐味は味わえない。
 サクサク進んでストレスは溜まらないし、シミュレーションRPGが苦手な人でも大丈夫とゆう利点はあるが、FEやラングリッサーが大好きな筆者にとってはいささか物足りなかった。


※サターン版をプレイ
サターン、プレステ、ドキャ版は、それぞれグラフィックやイベントの追加はあるものの、システムや大元のストーリーは変わらないみたいです。

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