パタリロのおばあちゃん 〜ツキ過ぎて怖い人へ〜 (2011/1/23)

皆さんはツイてることがあんまし続くと、その反動で後で何か悪いことが起こるんじゃないか?とかって思ったこと無いでしょうか? 特にギャンブルをやってる方には、きっとそういう心当たりがあるかと思います。連勝連荘が止まらないバカ勝ちが止まらないときとか、むしろ逆に怖くなってしまうことってありますよね? かくいうアタシはそうでした。あんまし勝ちが過ぎると、帰りに交通事故にあっちゃうんじゃないかとか、家帰ったら火事で焼けているんじゃないかとか、ツキ過ぎているときはマジでそんなことにビクビクすることがありましたよ(^^; でもそんなアタシも今はそういうことは一切考えなくなりました。パタリロの72巻に収録されている、「パタリロのおばあちゃん」と言う話を読んでからは。

さてとりあえず、パタリロを知らない人のために、このマンガの内容を簡単に説明すると、ダイヤモンド産業で潤っている小さな島国・マリネラの、天才科学者でもある少年国王パタリロが巻き起こす珍騒動という、基本ギャグテイストの作品です。
で、一日平均650回ギャグをやらなきゃ気が済まないというお祭り体質のパタリロは、このおばあちゃんのことを大の苦手としております。なぜならいつもどんより暗いオーラを放っていて、笑っているところを見たことが無く、パタリロがどんなギャグをカマしても絶対スルーされてしまうのです。

でもパタリロのおばあちゃん、決して不幸な暗い人生を歩んでいたという訳ではありません。平民の娘ながら若い頃に留学先で先々代国王に見初められて王妃として迎えられた後、マリネラ発展のために自らも尽力して数々の成功を収め、そのうえ沢山の子宝にも恵まれるというシンデレラガールのはずなのに、いつも何かにどんより怯えているような顔をしているのです。

おばあちゃんは一体何を恐れているのだろう? 久しぶりにおばあちゃんに会ったパタリロは、思い切ってその理由を尋ねてみます。するとおばあちゃんの話はこうでした。

自分がまだ学生だった頃、砂浜拾った小さな小瓶を開けて見ると、なんとその小瓶からは魔神が飛び出して来てこう言ったのだそうです。

「自分はかつて神に逆らった罪でこの瓶に閉じ込められた魔神である。で、1000年に一度だけこの瓶から出ることを許されており、その時をいつも楽しみにしている。なのでこの瓶の蓋を開けてくれた者には何でも願いを叶えてやっているのだ。財産でも地位でも何でもイイからさあ言ってみろ。」

それに対しておばあちゃんは、そんな大それた望みはないので、平凡でささやかな幸せをくださいと望んだそうです。
それからおばあちゃんは魔神に言われたとおり、その小瓶を窓際に置くと、次の日から人生で何か迷ったことがあると、その小瓶の横に羊皮紙で書かれたメモが置かれるようになり、その指示に従い続けていたところが現在のシンデレラストーリーとなったとのことでした。
…でも、これが果たして「ささやかな」幸せなのか? 王妃となって地位も財産も手に入れて、そのうえ子宝にまで恵まれて…これは「ささやか」を通り越しているのでは? それにこの幸せをくれた者は、自らのことを「魔神」だと言っていた。もしかして魔神は自分のことをからかっていただけで、ある日全てを持っていってしまうのではないか? そして全てを失った自分の姿を見て、あざ笑うつもりなのではないか? おばあちゃんはずっとそんなふうに怯えていたのでした。

さてそのことを知ったパタリロは、だったら魔神を呼び出して直接聞けばいいとおばあちゃんに言ったのですが、もちろんおばあちゃんも小瓶を開けようと何度も試みており、どんなことをしても絶対に開くことは出来なかったそうです。でもそこは天才パタリロのこと。なんとか小瓶を開けることを成功させ、魔神を呼び出したのでした。すると魔神は、こんなことを言ったのです。

「なんだまだ前の時から1000年も経ってないじゃないか! かつて自分は銀河の全てを支配し、更にその上の世界までも支配しようとして本物の神の怒りに触れてしまったんだ! 今、1000年に1度の約束を破って瓶の外に出てしまったことがバレてしまったら、またおしおきを受けてしまう!」

と、すかさず瓶の中に逃げ込もうとしたのです。

「ちょっと待て!最期に一つ聞かせろ!なんでおばあちゃんにこんなことをしたんだ!」

パタリロが魔神に問うと、

「あの時の小娘か!ちゃんと約束どおりささやかな幸せをくれてやっただろ文句あるのか!」

こう言って魔神は瓶の中に帰って行ったのでした。

つまり、パタリロのおばあちゃんにとっての出来すぎた幸せも、かつて銀河の支配者だった魔神の目から見れば、たかだが銀河の片隅にある小さな星の、そのまた辺境の島国の王妃になる程度では、それはささやかな幸せでしかないだろうと、そういうことだったのでした。

…さてさてパタリロのおばあちゃんのお話、いかがだったでしょう?
アタシはこの話を読んでから、パチンコ麻雀でたかだか数万の金が入ったごときでツキがノリ過ぎて怖いなんて思いをするなんて、なんともちっぽけなことなんだなあって思うようになりました。なので今ではどんなにパチンコで爆連荘ボロ勝ちが続いたとしても何も怖いこと無く、それはささやかな幸せの範疇なんだなって思えるようになりました。まあそんな形でのささやかな幸せが味わえることなんて滅多に無いんですけどね(^^;

ところでこのお話なのですが、パタリロはいったいどうやって魔神を瓶から出すことが出来たのか?真実を知ったパタリロのおばあちゃんはその後どうなったか? どちらもとても味わい深い話でのすので、興味のある方は是非読んでみてください。


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