#12 レディオヘッド 「OK コンピューター」

97年はRADIOHEADの状況が象徴的だった。 そして特殊でもある。
初期のイメージと現在の立ち位置がこれほど異なっているバンドも珍しい。
現在彼らほど多くの人たちから支持を受け、熱狂的で、もはや一つの宗教のようなあがめられかた
(これはどうかと思うが・・)をされているバンドはあまりいない。
"パブロ・ハニー"の頃は、グランジの影響を引きずる苦悩や混乱を売りもんにする
ロックバンドぐらいにしか思ってなかったのに、いまやモ・ワックスのジェームス・ラベルや
マッシブアタックからの熱いリスペクト(ダディー・Gは90年代のベストに彼らの「the
bends」を挙げている。)
を受けたりといったロック畑以外の様々なジャンルから支持をもらい、
その存在感はロックバンドとしては異例なものにさえなっている。彼らの音楽を総じて、
逃避的であるとか、ネガティブであるとか、現実を受けとめられない人たちが聴く音楽というような
とらえかたをしている人たちがいるが、これは少し違うと思う。 音自体ははめっぽう暗いけどさ。
そして「OK コンピューター」だ。 5年、10年後も名盤として後世に語り継がれるだろう、このアルバム、
歌詞だロックだのという以前にもう単純に音が凄い。
この「OK
コンピューター」は確かに発表当時の評価も高かったのだが、年を経るごとに、
さらに評価を高くしていっているという近年希にみる評価のされかたで、
当初は「97年度のベストアルバム」、といったトーンから「世紀末(90年代後半)をを代表する」、
「90年代を象徴する」、「ロック史に残る作品」、
そしてついには、Q誌を始め、ロック史上のベストの作品とまで言われるようにまでなってしまっている。
98年末のの音楽誌はまさにその事実をまざまざと認識させられた時期で、
彼らは98年はほとんど活動していないにも関わらず、さらにアルバム発表から2年以上がたっていたというのに、
この年を締めくくるアーティストとして、シーンに影響を与えた最重要バンドとして、
ことごとく"RADIOHEAD"の名が活字に刻まれたのである。