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旅行備忘録 ヤマトサイダイジ |
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思えば、まとまった休息をとるという機会が年齢とともにものすごく減った。別に働きバチなら働きバチとして生きていけばいいんだけど、やっぱり日々の生活には単調さを感じてしまう。ていうか都会という場がつまらない。具体的にいうと、金を使いたくなる要素が都会には無い。だからケチケチして何も買わない。そうやって僕も、現代のデフレ社会の形成に一役買っている。その一方で、十分に値下がりしたものはどんどん買っているが、安く買ってしまったためにお金は余ってしまう。そのお金の行き所を探す、それが現代のデフレ社会に生きる人々の永遠のテーマではなかろうか。 だったら田舎に住めよ、と言われそうだが、残念ながら僕の場合は農業ができるわけでもなし、漁業ができるわけでもない。さらに車も運転できないとあれば、田舎で生活していく能力は今のところ皆無といっても過言ではない。ならばせめて、日常に対する非日常の場として、どっちかがハレでどっちかがケというらしいが、この際そういうことはどうでもいい、とにかくおひとりさまとして都会から逃げる、それがハレかケのどっちかを体験することにつながる、といった志で今回もまたたびに出た。 9月1日(月) 久しぶりに朝早く起きる。そういえば、僕が書いている旅行記では、朝出て行ったというものが最近は少ない。これは、日中に用事があるためということもあったが、どっちかというと早起きが嫌いだからである。今日も目覚ましに起こされた。こうやって強制的に起こされるということは人間のリズムにとって大変良くないことなのではないかと思う。特に僕の場合は、早起きするといっつも夢が中途半端なところで打ち切られてしまう。それは要は夜更かしに原因があるのだが、夢が途中で終わるほど気持ちの悪いものは無い。どういうストーリーであろうと、最後まで見たいところだ。夢というのは、普段の自分の頭ではとても考え付かないようなストーリーの展開がある。しかも、本を読んだりするのとは違って、強制的に見せてもらえるので楽だ。僕にとって、最もお手軽な余暇の方法なのである。夢は中断されても、基本的にすぐに寝れば続きを見ることができるのだが、そこらへんは存在する朝早くの用事との天秤をくらべることになる。もう一回寝て夢を最後まで見れば、笑いあり涙ありの素敵な結末を見ることができるのだろうが、今日はそうは行かない。飛行機を予約しているからだ。それもキャンセル不能。 で、羽田空港まで向かうのだが、例によってここは東京モノレールを避け、品川から京急空港線で行く。本当はJR東日本の株主として、傘下に入った東京モノレールを利用すべきなのかもしれないが、いかんせん料金が高い。それだけでなく、浜松町という駅が実にアクセスが悪い。天王洲アイルで乗り換えという線も当然あるのだが、りんかい線の料金の高さなどを考えたら明らかにランク外の選択だ。しかも東京モノレールの悪い点として、実は料金より重大な点がある。それは、パスネットが使えないことだ。磁気イオカードも使えない。使えるのはSuicaのみだが、このSuicaイオカードも非常に使用勝手が悪い。買うときに500円取られるだけでなく、基本的に全て前払いで、しかも従来のイオカードより分厚くなっている。クレジットカードとセットにするという改善策もとられているようだが、それでもチャージは前払いのみらしい。クレジットカードならば利用料金は後払いにすべきであろうが、ほいほいと客が利用している状況では、この点を改善しないまま従来の磁気式イオカードが廃止されたりしそうだ。まあ、定期券に関してはSuicaが広まるのは別にいいんだけど。 で、京浜急行なのだが、この会社は運賃設定がおかしい。品川から天空橋までは230円なのに、そこから1駅向こうの羽田空港前までは400円に跳ね上がるのだ。天空橋でいったん降りて再び入場してから羽田空港前まで行くと、追加料金は150円で済み、こっちだと20円の損失を蒙らなくて済む。個人では20円など大したこと無いと思うかもしれないが、大勢から20円余分に集めれば大した増収である。京急もうまい商売考えたもんだと思うが、それもこれも東京モノレールの料金が高すぎるからである。まだ京急の方が安い。ちなみに、都営地下鉄から京急にそのまま乗って行く場合はスペシャル割引があるので、天空橋で降りなくてもボッたくられず済む。 今日は、2ヶ月ほど前に予約させられてキャンセル一切不可という、ANAの超割を使っている。実は、この時期に暇ができ、かつその時期にうまい具合に超割の設定があるということを知ったときはもう受付締め切り寸前で、既に目ぼしい路線の稚内、女満別、オホーツク紋別、釧路、根室中標津あたりは軒並み売り切れていた。仕方ないからできるだけもとの料金の高い路線を選ぶと九州しか残らず、その中から最初の行き先として大分を選んだ。ANA191便の搭乗手続きを済ませ、機体に乗り込んだのだが、何か動き出しても迂回ばかりしてなかなか飛び立たない。しばらくしたら飛び立つ前の飛行機がたくさん行列を作っている図が目に入ってきた。そしたら、 「ただいま、風向きの関係で利用する滑走路を変更しました。この飛行機は7番目の離陸となります」 とアナウンスがあり、案の定目の前には6機の飛行機がお行儀よく並んでいるのを見た。結局このせいで発車が20分ほど遅れ、到着も遅れるらしい。まあ今日は時間などどうでもいいんだけど。 窓側の座席だったのだが、何と離陸したらすぐに一面真っ白。確かに、羽田空港は曇っていた。思いっきり雲の中に入ってしまったらしい。何一つ景色が見えなくてがっかりしていると、しばらくたって雲の上に出た。今度は眩しすぎる。しかも下界は、あたり一面雲の海。以前宮崎に飛んだときはすぐ海側に出てしまい、ほとんど意味のある景色は見えなかったものの、天気は良かったから広い範囲が見渡せた。今回はハズレだなあと思いながらよくよく見てみると、雲の切れ目が少しずつ出てきた。しかもよくよく見ると遠くの方にも山が見える。雲がかなり減ってくると、山や人家やグラウンドなどがはっきり見えた。どうやら、今回は陸路の上を通っているようだ。山梨の方へ行っているのかなと思ったらしばらくしてある程度の大きさの湖もいくつか見えた。まさに地図帳を見ている感じだったが、欲を言えば各地に地名を現すオブジェなんかがもっと置いてくれていると良かった。 着陸が近付いて、高度が下がってくると下の方が良く見えるようになったが、高度はどんどん下がっているのに海しか見えない。まさかと思ったら、そこで強い衝撃が……。それが、大分空港への着陸だった。海と滑走路が接している、というより人工的な島っぽい感じ。大分空港から市街地までは離れている。そのため、ホーバーフェリーに乗る。大分空港は国東半島の先の方にあるのだが、そこからはバスだと回り道で、フェリーの方が速い。しかもこのホーバーフェリーは最初、道路の上に座っている。そこで客がみんな乗ると、空気が噴射されてボンッと高さが一段高くなり、前や横に滑り出して、そのまま海に突っ込んでいって海の上を進んでいく水陸両用の船(?)である。漫画でよく出てくるタイプの乗り物だが、実物はあんまり見ない。何か空気を噴射して宙に浮きながら進んでいるらしい。まあ、身近な例ではリニアモーターカーを想像してもらえるとわかりやすいだろう。大分に着くと、予約しているホテルに荷物をさっさと預け、超割を買った人だけが購入できるJR九州全線、特急自由席を1日3,000円で乗り放題の九遊きっぷを持って小旅行に行く。大分を拠点にすると福岡、熊本、宮崎など様々な方面に行けるが、南方面のにちりんは乗り過ごしてしまったので北向きのソニックに乗って北九州を目指す。どこ行こうかと思ったが、大分は晴れていたのに、北九州に近付くと土砂降りになってきたから、とりあえず門司港に行って、最近オープンした九州鉄道記念館に行って雨宿りがてら時間をつぶす。何かここら辺は、大河ドラマが武蔵とかで、雰囲気を盛り上げたがっているらしい。 車内で酒飲みがてら大分に戻ると、もう夕方だったが、乗り放題の九遊きっぷがもったいなく感じ、ちょっとだけ豊肥本線の方向に行ってみる。2駅目の敷戸という駅の近所でBOOKOFFを発見したので、そこで下車する。駅前の店舗というより、国道沿いの店舗がたまたま駅前にあったという感じだ。BOOKOFFは、本の価値にとらわれない値付けをするので、いろいろな店舗に行くといろいろな本が安く手に入って良い。今日は、気になる専門書を100円で見つけたが、旧版だったのでスルーし、その代わりに洋画のDVDを2本買ってきた。洋画DVDは英語音声で英語字幕付きで見ていると結構勉強になって重宝するのだが、中古市場でもなかなか適正価格のものは見つからない。発売から3ヶ月もすれば定価の5分の1ほどの適正価格に下がるCDとは大違いだ。でも、今日買ったDVDは1本1,500円だから、中身のしっかりした映画であれば適正価格といって良いだろう。 中身がきちんとしているか、さっそく宿でチェック。関係ないが、僕のパソコンはJetAudioというソフトでDVDを再生するのがデフォルトになっているのに、DirectXとやらをマイクロソフトの更新情報にそそのかされて、ほいほいと更新していたらDVDの音が出なくなってしまった。これは有名な不具合らしく、まだまっとうな解決方法は見つかってないらしい。迷惑な話だ。それとも、マイクロソフトの言うことばかり聞いていた僕が悪いのか…。(旅行後になって、ようやくこの問題を解決するアップデートが出されたので何とかなりました) 9月2日(火) 朝はゆっくり目覚める。早起きした日の翌日は、普通に夢を最後まで見てから起きても結構早い時間に起きれる。何か得した気分。ていうか、それを毎日やればいいんだって事を何で学習しないのだろうか、僕は。今日は久大本線の普通列車から出発。今日も九遊きっぷを使う。超割の翌日も使える。1日3,000円は安い。ちなみにくらべても意味ないが、昨日乗ったホーバーフェリーは25分で2,750円。 由布院に着くと、すぐに博多行きの全車指定席特急ゆふいんの森2号に乗る。例によって地ビールを飲む。途中、豊後中村とかいう駅でしばらく行き違い待ちがあり、すれ違いのゆふいんの森3号がやたらと遅れてやってきて、しかもそのまま通り過ぎてしまった。「遅れましてすみませんぐらい言えよ!」とその列車に向かって思ったが、もちろん列車がしゃべるわけもなく、おそらく相手方の列車に乗っている人間だってむしろ自分たちが遅れの被害の主役であり、巻き添えを食って待たされている列車はきっと脇役なのだろう。何にせよ、これによって僕の乗っているほうの列車も、8分もの遅れを生じた。ちなみに個人的な事情であるが、この先の駅では予定時刻に到着した場合でもぎりぎり1分の猶予しかないシビアな乗り換えを想定している。 途中駅の日田を出発したときには7分遅れになっていたが、僕のほうは時間はあまり気にせずに景色とビールとアイスクリームを楽しんでいた。そうして久留米に着いたが、気になる運行状況の方は何と定刻通りに戻っていた。どうやら途中はいつも以上に飛ばしていたのだろう。列車がスカスカの路線だから成せる業だ。鳥栖にも時間通りに着き、素早く降りると、既に隣のホームで待っているみどり13号の方にトストスと走っていった。気付けばここは佐賀県だ。「佐賀を探そう!」と意気込んでみるが、田舎であるということが見つかった。日本全国田舎はたくさんあるが、はなわの唄が特に共感を呼ぶのは、佐賀県はただの田舎ではなく、周囲を福岡、熊本、長崎といった強豪県に囲まれているためだろう。何がって観光の。逆に言えば、県庁所在地の佐賀ですら天神からすぐという地理的な条件があまりに恵まれていたため、特別な目玉がなくても福岡のペットタウンとして十分に生き残れてきたからという皮肉な側面が見えてくる。 佐賀は十分に探し終わったので通り過ぎ、終点の佐世保へ。日本最西端の駅とからしく、記念スタンプがあったので押すことにする。ちょうどいい押し台としてパスポートが見つかったのでたくさん余っている余白に押しとく。期限切れなんだけど、何かあったときの身分証として持参しているやつだ。シーサイドライナーで長崎まで行き、カステラの切れはしを探す。知り合いから買ってきてくれと言われたためだが、どうやら本来はおみやげ品ではないらしく、聞くところ聞くところで変な顔された。で、結局見つからなかった。代わりに、駅前に古本のジャンク屋を見つけたので、適当に漁って買っとく。で、本日の宿寝台特急あかつきに乗り込む。明日の行動予定なんかを考えながら、飯食ってシャワー浴びて寝た。関係ないが、JR九州のナイスゴーイングカードの広告がとてもかわいかった。それぞれの県のキャラクターが描かれていて、福岡県がとんこつトリップ、佐賀県がむつごろうトラベル、長崎県がちゃんぽんリゾート、大分県がだごじるバカンス、熊本県がばさしロマンス、宮崎県がちきん南蛮ハネムーン、鹿児島県がくろぶたレジャーといった、それぞれに粋な名前が付けられている。気付いたら豚が2匹いる。見る限り、ばさしロマンスがリーダー格って感じ。熊本県は、九州のど真ん中にある県だしねえ。しかし、ここでも佐賀県は何だか目立たない。むつごろうは福岡県のイメージがあったけど…。 9月3日(水) 朝8時前、定刻通り京都に着く。この列車はこんな時間にこんな場所でほっぽり出される。そこからは乗り継ぎ割引を適用してもらうため、新幹線に乗って米原まで。米原では、東海道新幹線乗車記念なんてどうでもいいスタンプがあったので、これもパスポートの渡航先欄に押しとく。そして、ワイドビューひだ13号に乗り継ぐ。ワイドビューひだは高山本線に入っていく特急列車でほとんどは名古屋始発だが、1日1本だけ大阪始発も運行されている。たまたまその列車の時間に合っていたので、高山本線に入って鵜沼まで行くことにする。途中、岐阜では名古屋始発のワイドビューひだ3号との併結作業が行なわれるのだが、これがいったん客を乗り降りさせた後、引き上げ線に引き上げてから再び別のホームに戻ってきて合体するというもので、初めて見たら結構びっくりする代物なのだが、僕は昨日、門司駅でのあかつきと彗星の併結の際に初めてそれを見ていた。見た、というより自分は乗っているから見れないんだけれども。ましてや昨日のは深夜のそれだった。 鵜沼で降りたら、すぐに名鉄の新鵜沼に向かい、ワイド3・3・SUNフリーきっぷを購入。今年は名鉄からのスタートだ。特急列車が出ていたので飛び乗って、河和まで。これは知多半島の先端の方だ。そこから船に乗って伊勢志摩に渡ることを試みる。そして今回の旅の目的地、ていうか初日にこの旅行記の題名つける際についうっかり勝手なこと書いてしまったもんだから手を焼いているのだが、大和西大寺には何らかの意味で関わらなければならない。それがたとえ、どんな形でもOKであるにしても。 師崎から伊勢湾フェリーが出ているのだが、そこに行くまでには知多バスで陸路を行く方法と、名鉄海上観光船で島渡りをして行く方法がある。どちらもワイド3・3・SUNフリーきっぷが使えるのだが、やはりここは島渡りを選んでいくと、日間賀島、篠島といった島を経由してからやっとこさ師崎に着いた。ここで僕は、重大なミステイクに気が付いた。この師崎港からの伊勢湾フェリーは1日4本しかなく、着いた時点では2時間待ちだったのだ。 港の付近にアミューズメントがあるわけでもなく、貴重な昼間の2時間なので、断腸の思いで伊勢湾の横断をあきらめ、河和に引き返す。行き当たりばったりなのはスリルあって面白いのだが、このように非効率的な行動もちらほら。実は、この横断がうまくいかないことは、どのような選択肢を採ろうと、師崎港からの出発を選ぶ限りにおいて確定だったらしい。今度は知多バスに乗って河和まで戻った。河和からは、普通列車に乗って後で特急に乗り継ぐ方法もあったが、1本後の急行列車を選ぶ。発車までまだ20分以上ある2本目の列車なので、ほとんど誰も乗ってなく、もしやと思い暑い中6両編成の先頭へ懸けて行く。やはり、先頭は展望できる席になっていて、当然先着の者だけが座れる。先頭車両にはまだ誰もいなかったから、そそくさと乗り込み、先頭の席に腰をおろす。 先ほどの回り道によるロスがあっても、この席で地理の勉強ができればもうけものだ。こういった場所は、JRとかの場合絶対先頭で立ってなくてはならず、しかも立っていると後ろの人たちから、「あの人はあんなに景色が好きなの」と思われること受けあいなのに対し、このように座っている場合はただ席が空いているから座っているだけである。しかも贅沢に居眠りもできる。実際ちょっとしていた。でも、終点まで景色を見ていくことにする。ぶっちゃけ、これが本当のワイドビューだ。この列車は、犬山経由新岐阜行きだった。そういうわけで、本日の宿は岐阜にした。テレビで名古屋嬢の特集とかやってた。9月4日(木) 今日もワイド3・3・SUNフリーきっぷは効力継続中。新岐阜を朝ゆっくりと出て、特急で新名古屋まで出る。始発なので、特別席は取らずに普通の席で行った。名古屋でアーバンライナーのチケットをとる。名古屋を出ると、大阪の方の終着駅付近までノンストップで行く、いわゆる名阪ノンストップ特急だ。今日乗るのは、アーバンライナーnextという新しい車両らしい。…ていうか、「らしい」ではなく、実際に11時名古屋発がその車両使うということだから今日はその時間に合わせてゆっくり出発していたりして。で、そのアーバンライナーネクストなのだが、映像で走行風景が見られるとかなってる。本当はアーバンライナーplusというのが一番新しいらしいが、この日はちょうど良い時間に走っていなかった。 夏休みでもない普通の平日の昼間なので、ガラガラだった。一応座席は指定されているけど、景色に応じて右に座ったり左に座ったり。名古屋を出発すると、最初の停車駅鶴橋まで2時間近くあり、その間は本当にノンストップなので、どうやら運転者が途中で入れ替わるようだ。伊勢中川付近で、最初は車掌をやっていた人が運転席に入っていって消えると、今度は顔の違う人がその運転席から出てきていた。それをなぜ僕が知っているのかというと、たまたま指定された6号車が先頭車両なので、運転席は丸見えだったのだ。 途中、三重県を抜けて行くのだが、始発地と終着地が大都会なのに、間はすごい田舎になっている。ふと、佐賀県のことを思い出した。三重県と佐賀県は似ている。三重県も、岐阜は微妙として、周りを愛知、奈良、和歌山、滋賀、京都といった強豪県に囲まれている。そして取り立てて特産品もない。念のため触れておくと、松阪牛は松阪の牛であって断じて三重の牛ではないし、伊勢志摩は何県にあるのか聞かれたら認知度は相当低いだろう。さらに、県庁所在地の津ですら、名古屋に結構近い。完全に愛知県のペットタウンだ。まあ、今度はなわが続編を出すと言われているのが三重県でないことは確かなのだが。 難波に着くと、南海に乗り換えて、堺まで行き、本日の宿へ。大阪付近で宿泊代の安いホテルのある場所は意外に少なく、ここはその一つ。身軽になってから、なんばまで戻り、こうや7号に乗って高野山を目指す。橋本まで40分ほどで着くが、その次の一駅の極楽橋までの間に同じ40分ほどかかる。関東で言えば、レッドアロー号が池袋から飯能まで40分ほどなのに、おまけのような飯能から西武秩父までの区間にも同じ40分を要する事を思い出してもらえるとわかりやすいだろう。で、極楽橋の後はケーブルカーで高野山まで登ったが、もう夕方になりかけていたのですぐに引き返してくる。ここは、朝から来るべき場所らしい。帰りは、極楽橋から急行でなんばまで戻り、南海本線で堺へ戻る。 一昨日、長崎のジャンク系古本屋(なぜこう書くかというと、同人誌が古書としてかなり置いてあったり、特定の作者ばかり文庫が二棚も置いてあったり、とにかく驚愕の品揃えだったから)で100円で買った本が意外に面白かった。もちろん旅行中で荷物を増やしたくないという条件の下で買うことを選択したのだから、コストとしては普通の100円よりは高く付いたのだが。『うさぎにもわかる経済学』という本で、題名は何でうさぎなのかということからして意味不明なのだが、内容は非常に日常的なことをわかりやすく書いてくれている。100円で売っていたということは当然、二束三文で手放した人間もいるということである。こんないい本なのに…。 もしかしたらどっかの大学で教科書と指定されたものを買わされた学生が手放したのかも、と好意的に解釈してみたり。はっきり言って、一般読者向けの経済学の本なんてのは、印税を狙ってたくさんの本がどんどん出たりしているが、基本的にどれも内容は同じだ。経済学なんて、新古典派とかケインジアンとかマネタリストとかの話に深入りしない限り、誰が書いても同じ内容しか出てこないのである。同じ内容をどう書いていくか、という違いに過ぎない。こればっかりは、有名な先生とかが書いても無名な先生が書いても変わらない。…とか書いてると、経済を専攻した人間でもないくせに何か偉そうだが、僕は過去に国家公務員採用T種試験に経済区分で合格した経験ならある。そんなわけで、自分では勝手に経済の専門家の一種だと思い込んでいる。 ところで今テレビ見て思ったんだけど、大阪のテレビって上沼何とかって言うおばさんが大活躍だね。東京じゃ冠番組は見当たらないけど。ちなみに今日アーバンライナーで通過したのは大和八木であって、大和西大寺にはいまだ到達せず。 9月5日(金) 今日が、ワイド3・3・SUNフリーきっぷの効力最終日。まず南海でなんばまで出て、そこから近鉄に乗って大和西大寺を目指す。しかし途中で、生駒でどうしても山に登りたくなったので降りてしまう。ワイド3・3・SUNフリーきっぷはケーブルカーも乗り放題だ。生駒山ケーブルに乗って生駒山頂まで行く。どうやら、日本で一番古いケーブルカーらしい。動物の列車がかわいい。山頂は、遊園地になっていた。遊んでいる暇などないのですぐに降りてきて、再び近鉄に乗って大和西大寺へ到着。それで、どうしよう。自分でもこの旅行記の題名の意味がさっぱりわからない。とりあえず、何かここに来た足跡でも残しておかなければならない。駅前にはビルがいくつかあるのに、何故か近鉄百貨店は駅から少し歩いた場所にある。しかもその店の名前は、近鉄西大寺店ではなくて、何と!近鉄奈良店だ。ああ不思議だ。これを知っただけでも西大寺に来た甲斐があった…… まあ、その近鉄奈良店に入ってみた。駅前に結構大きい本屋があったので、あまり期待していなかったが、この近鉄百貨店内にも本屋があった。昨日書いた『うさぎにもわかる経済学』は'96年に出された結構古い本なのだが、それが'99年に文庫化されて、しかもそれが既に出版元品切れだというので昨日からちょいと本屋を探し回っていた。そしたらこの近鉄奈良店内の書店でPHP文庫版『うさぎにもわかる経済学』を発見。内容は同じかもしれないが、素晴らしい本を書いてくれた著者に対するお布施のつもりで(つっても文庫版だし、たかが知れているが)即、購入した。版元品切れだから、東京に戻って探しても見つかる保証は無い。これだけでも無意味にヤマトサイダイジに来た価値があったというものだ。 大和西大寺からは、近鉄特急に乗っていく。ワイド3・3・SUNフリーきっぷで乗る場合は特急券のみ追加で必要だが、それにより高速で長距離移動できることを考えると、どんどん特急に乗った方がもとが取れるタイプの切符である。で、さきほど購入したPHP文庫『うさぎにもわかる経済学』を読んでみるが、旧版と比べて、一部は内容がカットされていて、結構多くの内容はそのまま収録されているが、文庫版で新たに加えられた内容がかなり多く、しかも面白いものが多い。特に「経済的に正しいおとぎ話」としての桃太郎の話が読めただけでも、購入した価値があった。この本の良いところは、理論的な説明だけでなく、具体的な例を多数示してくれているところである。結局、理論なんて誰が説明しても同じだしねえ。 大和八木〜伊勢中川間は昨日乗ったルートの逆走。三重県の田舎地帯を通り抜けた。実は去年も同じルートを乗っていたが、今年は鳥羽まで行った。ここから中之郷まで行き、そこから伊勢湾フェリーへ。伊良湖に向かう。船内ではBS放送をやっていて、たまたま東証の状況が出ていたのだが、もう代行返上売りが終わり気味だということで、某製薬株が跳ね上がっていた。もうちょっと値段が下がったら買おうと思っていたのに、無念。リゲインとかの会社なんだけどね。伊良湖に着くと、すぐに豊鉄バスに乗り、田原駅前まで行って、豊橋鉄道で豊橋まで。船は楽しくていいのだが、このルートは渥美半島に入ってからがたる過ぎる。普通に近鉄で名古屋まで行って、そこから名鉄で豊橋来るのより倍以上の時間がかかってしまった。今日は豊橋に宿をとる。駅前に、豊橋とは思えないほど品揃えの良い本屋があったので、いろいろ衝動買いしてしまう。今僕は旅行中なんですが、荷物が重くなりすぎ。明日帰ってしまおうか…。 9月6日(土) 今日は青春18きっぷを使う。そのまま豊橋からJRを乗り継いで行ってもいいのだが、かなり味気ないので、新所原で天竜浜名湖鉄道に乗り換える。青春18きっぷは使えないが、JRが浜名湖の南を通るのに対して、北を通ることに期待してみた。でも浜名湖付近を通るのは最初の方だけで、これならJRの方が浜名湖の眺めは良かったかも。でも、今日は土曜日でJRの路線は混んでいるのに対し、こっちは観光用のトロッコ鉄道が同じ時間に逆方向に走っていることもあって、ローカル利用の客しかいなかったので空いていた。掛川まで、JRなら1時間ほどで行く区間だが、天浜線は2時間以上かかる。もう1アクセント欲しい路線だった。 掛川からJRで静岡まで。今日のこの後の行動予定と、ここから行けそうな都市の宿泊料の相場を調べる。この後の進み方としては、基本的に東海道線を東上するしかあり得ず、強いて言えば富士で山梨方面に抜ける選択肢が残されているくらいだった。とりあえず富士まで行き、身延線に乗り換えようかなとも思ってみるが、以前1回乗ったことあるし、特急でないとたるいと感じたので、当然青春18きっぷでは特急に乗れないから、今回はパス。東海道線での東上を続け、宿泊代金の安い三島を目指すことにする。そして乗っていたのが熱海行きの東海道線だったのだが、何かせっかくだから熱海か伊東か、場合によっちゃ箱根にでも泊まってみようかと思って終点の熱海まで行ってしまう。 在来線の熱海駅はJR東日本の管轄だ。まず、持っているイオカードが切れそうだったので、新しいイオカードを買っておいた。イオカードは場所ごとに売っている柄が違っているみたいで、東京で生活している限り、特定の柄しか買えない。多摩地区や横浜地区、水戸地区など別の地方に行かないとそれ以外の柄は手に入れられないのだ。いつも目にする柄を見ててもつまらないので、できるだけこういう機会に買っておきたいのだ。で、今日の宿泊だが、僕は大きなミステイクをしていたことに気が付いた。今日は土曜日だ。観光地なんてただでさえ客のいる日なのに、一人の客が歓迎されるわけがない。観光地に行くなら、何が何でも平日に尋ねるべきだった。休日は、平日よりむしろ空いているビジネスホテルに泊まるのが一人旅では絶対のセオリーであった。というわけで、静岡で調べたときに宿泊料金が一番安かった三島まで引き返して宿をとることにする。 三島は、今まで新幹線から眺めたことがある程度の駅だったが、初めて降りてみて気付いた。ここは田舎だ。丹那トンネルとか東海道新幹線が無かったら、何も無かった街のはずだ。田舎というのは、流行の波が都会より若干遅く訪れるらしいが、ここもやはり、まだ千代田生命が破綻していないようだ。今回の旅でもいくつかの地方で見られたのだが、東京ではもう見ることはできない千代田生命ビルが、全国ではかなりの地区でまだ生き長らえている。 新幹線ののぞみにはまるっきし無視されることで有名な静岡県だが、在来線普通列車で行くときは非常にスピードが遅いため、僕も1日では静岡県を抜け切ることができずに、こうやって静岡県に対する経済貢献を成してしまった。それにしても今日泊まっている三島は田舎だ。仕方が無いので、電車に乗って隣りの沼津まで買い出しに出る。沼津の方は、普通の都市だった。ペットボトルが89円で売っていたので、つい買い込んでしまう。明日は帰る日とはいえ、これで荷物激増。 ペットボトルは現在の相場だと500mlで100円が適正価格と言えるが、駅のホームや普通のコンビニなどでは、118円とか、ひどいときには150円とかのボッタクリ価格で売っている。そのため旅先で買うときには大型のショッピングセンターやスーパーを押さえておくことが必須なのだが、やはり有名メーカーのブランドで100円を切ると割安感が大きくなってついつい買いだめしてしまう。有名メーカーのものでない独自レーベルはもとから安値で売っていることも多いけど、個人的にはセイコーマートのもの以外は特別好きではない。セイコーマートは北海道に行かなきゃならないのだが、品揃えが良くて、最も好きなコンビニチェーンである。 荷物を持ちまくりですっかり重装備になってしまったが、明日はどうしよう。魅力的なフォロースルーが見当たらない…… 9月7日(日) 今日も青春18きっぷを使う。そのまま三島から西の方へ一歩戻り富士を目指す。結局、身延線に乗って甲府を目指すことに。途中、身延の駅で長時間停車があったので、『関東の駅百選』新スタンプラリーのスタンプを押す。これは国土交通省の関東運輸局が主催しているらしいが、関東(一都六県+やまなし)の鉄道の駅から今回は二十六駅が選ばれていて、そのうち十五、六駅のスタンプを集めてくると記念品がもらえるというものである。難易度の低いところでは溜池山王とか都庁前なんてすぐ行けるからスタンプもすぐ押せたのだが、敵もさるもの、房総半島の先っぽとか水戸のさらに向こうのローカル線の駅とか辺鄙な箇所のスタンプをいくつかは必ずとってこなければならない。そのうちの一つがこの身延なのだ。 スタンプを押したら、そのまま身延線を北に上がっていって甲府で昼飯。今度は東に進路を変え、大月で再び、『関東の駅百選』新スタンプラリーのスタンプ、高尾でも同じスタンプをゲット。これで、後は伊豆箱根鉄道の大雄山さえクリアできれば、賞品ゲットは目前に。何がもらえるんだろ。 そして高尾から、座って東京に戻ってくるために、ホリデー快速河口湖号にチェンジ。これは、全車自由席で、車両は快適なクロスシート。速さも特快以上と最後を締めくくるにふさわしい列車。乗客がたくさんいたが、何とか窓側の席をゲット。これにて、今回のたびは終了。何かラッキーなことに、この1週間は持っている株が上がっていたので、よく計算してはいないけれど、旅行代が結構払えそう。特に、みずほFGの爆進はすごかった。つっても値が戻ったらそれまでなんだけど。 そういえば、みずほFGのキャッチフレーズのサービス一丸。って、日本郵政公社の真っ向サービスとかなり被っている感じ。まあ値段が上がってくれればそれでいいよ。第一勧銀時代のハローキティ通帳は、みずほになって発行していないらしく、サービス的には確実に貧弱になっているんだけどね。(2004年から、マイレージクラブ入会者に限ってデザインは第一勧銀時代とは違うものの再び発行し始めました) |
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