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旅行備忘録 カムイジ |
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春ってそういえば出会ったり分かれたりの季節だっけ。あんまりそういうことに敏感にならなくなって随分経つ。結局、世の中は常に動き続けているわけで、あんまり立ち止まって出会いとか別れを考えるってのは子供にしか許されないことなのだろう。ともあれ、年度の変わり目というのは一応生活も変わる境い目でもあるし、むしろこのような機会でなければそんなにまとまった時間はとれない。ならば、やっぱり旅に出るしかないだろう。 というようなことを旅立つ前に考えたわけではなく、こんなものは初日に適当にでっち上げた理由なのだが、実際のところは東京ではできない用事をこの時期にたまたま済ませてしまおうというくらいのものだ。まさにパラダイス・シングル。自分が社会に参加することと、それを還元すること、この参加・還元の二つのプロセスが活気ある社会には大事なのではないか。この一年、というよりこの三ヶ月ほどの分が大きいが、自分が社会に参加して得たものを十分にぶつけて還元する、それが今回の旅行のサブテーマでもある。 3月25日(木) 朝はゆっくり寝ている。今日は旅立ちの日だが、同時に今年度3月期決算の株式の最終取引日でもある。大事な日なので、すぐに旅立たず、寝ていた。 いや、本当は8時半ぐらいからパソコンの前にへばりついたりすべきなのだが、ねぼすけさんには無理な注文。もちろん、「早起きは三文の得」とはよく言うが、本気で「ねぼすけは三文の損」程度のことなら数え切れないくらい体験した。でも睡眠をきちんととるということは肉体的、および精神的健康に非常に重要なことだ。この気遣いが後々に大きくなって生きてくるであろう。……しかし、ちょっと今日は寝すぎた。起きたら11時寸前、前場が閉まる頃だった。で、前日のうちに出しておいた注文を訂正したり取り消したり、新しい注文を出したり、という作業を行なっていたらそのまま11時になってしまい、訂正が受け付けられずじまい。何と、後場の開く12時半まで自宅で足止めを喰らう羽目になってしまう。うーん、12時頃には家を出たいと思っていたのに。 で、めでたく今日の注文を済ませ、1時過ぎ、やっと家を出る。そこから新宿に急行し、そこから小田急ロマンスカーに乗って小田原まで行く。この日のために、金券屋で小田急の株主優待券を仕入れておいた。いや、正確には株主優待券を仕入れてしまったので仕方なく今日は小田急に乗ったというのが正しい。新宿−小田原は通常、850円するのだが、僕が買ったのは400円で売ってた株主優待券。これは安すぎると思って、即買ったら、後で見るとやっぱり安すぎる値段で、通常は700円ぐらいが相場の代物らしい。で、小田原からは青春18きっぷを使う。青春18きっぷ使うなら最初からJRで行け、という感じだが、鈍行で行くより変化を加えたい、という思いが強かった。その証拠に、ここから先は熱海で乗り継いで、静岡で乗り継いで、浜松で乗り継いで、と繰り返し平坦な道のり。ここらへん、静岡県を通過するときにはしょうがないところだ。 この区間なら東海道新幹線が楽といえば楽なのだが、これは高すぎていけない。JR東海は、未だにみどりの窓口で通常のクレジットカードが使えないわ(4月からはやっと使えるようになるらしい)、民営化と言いながら政府が3分の1も株持ちっ放しだわ、と前近代的な会社でありながら、将来においては東海地震が起これば文字通り倒壊してしまうと言われている会社だ。最近は「♪be ambitious〜 我が友よ〜」という歌とともにAmbitious Japanというキャンペーンを打っているが、be ambitiousなんて北海道新幹線の専売特許だろうに。東海道新幹線に乗るくらいなら、僕はいつでも東北新幹線の方を選ぶ。ここら辺は好みの問題だけど。 そんなこんなで本日の宿、豊橋に到着。とりあえず、今回の旅行でもはやJR東海のお世話にならないことだけは確定しました。 3月26日(金) 朝起きたら、さっさと朝食を食べに行って、まずパソコンにへばりつく。こういう旅行のときは自然に早起きできるから不思議だ。だって、朝ごはん食い逃すからね。一応、僕の泊まっているホテルは全室無線LANが入っている。今日はいわゆる権利落ちの日で、3月決算銘柄にとっては新年度の取引最初の日。これも昨日と並んで大事な日だ。何故なら、配当や優待をもらう権利だけとってさっさと逃げたいような銘柄は今日以降、早めに売らなければならない。今回で言うと、東京電力と関西電力と松屋フーズがそれに当たる。まあ権利落ちというくらいで、基本的には配当などをもらえる権利の金額の分だけ、こういう日は値下がりするのが普通だ。だから理論的には利益に対してニュートラルなのだが、万が一全然値下がりしないような場合は配当だけただもらい、なんてこともあって、結構そう言うことも良く起こる。場合によって、権利落ちの日なのに値段が上がったりする銘柄も時々あるから不思議なのだ。 一応、昨日のうちに自分の買値と見比べて、配当と優待がただもらいに近くなるような値段でいずれも売り注文を出していたのだが、前場が始まった状況を見たら、いずれも約定は無理そうだった。妥協してもしょうがないので、注文は放ったらかしにして宿を出る。今日は、名鉄・近鉄・南海全路線が3日間乗り放題で料金を払えば特急にも乗れるの3・3・SUNフリーきっぷでまず名鉄に乗り、新名古屋を目指す。120kmで爆走するからとても速い。脇の道路で渋滞にはまっている車やトラックが、人間の行列に見えた。名古屋からは近鉄に乗り換え、特急で京都を目指す。乗り継ぎになるのだが、ちゃんと特急料金は通算で割安にしてくれる。僕が窓口の人に、 「次の特急で京都まで」 とか言っていたら、それを聞いていた隣の家族連れのガキが、思わずこっちを振り向いていた。そりゃそうだ。近鉄特急は、名古屋と難波という大阪の南方を結んでいるため、そちら方面に行く場合は時間的に新幹線にそれほど劣らず、かつ料金も結構安いと来ているのに対し、これに乗って名古屋から京都へ向かおうとすると、相当大回りになっているため時間はかかるわ料金もそれほど安くはないわで踏んだり蹴ったりなのである。今日みたいに、近鉄全線乗り放題のきっぷでも持ってなけりゃ使いづらいコースである。それに対して、窓口の人は 「はいかしこまりました。乗り継ぎで名古屋から京都まで」 と、一瞬のうちに切符を発行する。滅多に来ない注文のはずだが、ここら辺はプロだ。以前も、牛丼屋で料金支払いに2,000円札を出してみたら、 「2,000円からお預かりいたします」と間髪入れずに言われて感心した覚えがある。もし働いているのがプロ意識のない人間の場合、こういった場では十中八九聞き返したり、 「えーと2,000円…」 と普段と違う台詞で戸惑ったりする。何にかけても、いわゆる基本はきちんとしておきたいものである。 昼飯などを食いながら、途中大和八木で乗り換えて、京都へ。JR京都伊勢丹は、エスカレーターで一気に乗り継いでそのまま上がっていける面白い作りだった。エスカレーターといえば、関西では他の地区と違ってエスカレーターは左を空けるらしい。何とエスカレーターの注意書きにも「歩いて上がる人のために、左を空けましょう」と明記してある始末。間違えて左に立ち止まっていたら土地の人じゃないことがばれてしまう仕組み。ファシズムですな。 今日の宿に荷物を預けに行く。そしてちょっと京都を散策。何か電車賃が高すぎ。地下鉄も京阪も、初乗り200円とか、京阪は特に距離が長くなったときの値上がりがひどい。ただ、その割にはいい街のように感じた。こんな物価や交通費が高いんなら住むのは嫌だが。宿に帰って、今日の取引結果をチェックすると、関西電力と松屋フーズは売れていた。松屋フーズなんて、朝見たときはかなり値下がりしていて、このまま売りたい値段ではもう売れずしばらく塩漬けか、とかも覚悟していたのに、何と僕の指していた値段が今日の最高値で、僕が朝、名鉄に乗った頃にぎりぎり約定してくれていたらしい。買ってくれた人に感謝感謝。 3月27日(土) 今日は、京都から出発して、まず近鉄特急で橿原神宮前へ行き、あべの橋から来たさくらライナーに乗り継いで吉野へ。ロープウェーに乗ってさらに上を目指そうとするが、ここは近鉄とは関係ないらしい。よって、3・3・SUNフリーきっぷでは乗れないため、断念。変わりに、さくらソフトクリームと山栗ソフトクリームと吉野葛餅を食って引き返す。 今度は大和八木まで戻って、そこから今日の宿へ向かおうと思ったら、途中桜井という駅でBOOKOFFの看板が見えたので下車する。例によって、1冊105円のコーナーを漁り、5冊も買ってしまう。まだ1週間以上も日程あるのに、荷物が増えてしまった。この桜井というとこは、「芸能創生の地」「仏教公伝の地」「相撲発祥の地」「万葉集発燿の地」とかを兼ねているらしい。最後のやつしか知らなかった。再び近鉄大阪線を東へ。伊賀神戸で降り、近鉄伊賀線へ乗り継ぎ。この近鉄伊賀線はこの時間だと30分に1本しかないのだが、ちょうど乗り換えで30分ほど待たされた。非常にありがたい接続だ。とてもありがた迷惑だ。 この近鉄伊賀線は、そんなに乗客が少ないわけでもないのに(30分の間に来た客が集結しているからだが)、最初はだだっ広い田んぼの真ん中を走っていてこんな場所を誰がどこへ向かうのかという感じだった。何個か停まった駅も、田んぼの真ん中の駅ばかりで、そういう所でも何人かずつ降りたり乗ったりしていっているのが不思議だった。何だか、狐か狸に化かされたようで、「この電車に乗っている人が、自分以外みんな忍者だったらどうしよう」とか思ったりもした。次第に家とかもたくさん見えてきて安心したのだが、今度は窮屈すぎる。どう見ても自動車用の道路を作っても車1台がやっと通れるような幅に無理やり線路を敷いている感じで、手の届くところに民家の軒先があるところも多かった。そんな中、上野市に到着。今日の宿へ。いわゆる、伊賀上野と呼ばれるところだが、JRの駅からは随分と離れたところに街の中心がある。 ちょっと街を散策して、ホテルに戻り夕食をとる。伊賀牛のすき焼きを食べようと思ってレストランに入ったのだが、隣の家族連れを見るととてもおいしそうなしゃぶしゃぶの肉がてんこ盛りだった。こんなものを見せられたら、しゃぶしゃぶを食べないわけにはいかない。予定より2倍以上の値段になってしまうが、思わずしゃぶしゃぶ食べ放題の方を注文してしまう。伊賀牛というのはあんまり聞いたことのない言葉だが、どうやら伊賀の牛のことを言うらしい。同じ三重県だし、松阪牛と似たようなもんだと考えて良いだろう。ブランドとかいうわけわからんものによって市場では大きな価格差が成立しているが、質には差が認められるかどうかは怪しいところだ。家族連れが出てきたところで薄々気付いたかもしれないが、例によってこの家族連れ(のガキ)はうるさかった。僕がしゃぶしゃぶを食べていると、 「ねえ、あっちもしゃぶしゃぶだよ。まだあっちはあんなにたくさん肉が残っているよ。いいなー」 と騒ぎ出す。僕は、 「坊主、いいことを教えてやろう。このしゃぶしゃぶは食い放題なんだ。だから坊主も、お代わりすればまたたくさん食べられるんだよ」 と心の中で諭してあげた。しばらくして、最初に出てきた肉を僕が食い尽くして、追加の肉が出されてくると、 「あれー、追加の肉だってー」 とガキがまたうるさい。 「うるさいなあ。もともとはお前らが食ってるしゃぶしゃぶがうまそうだったからこれ食ってんだよ。本当はこんなもん食うつもりじゃなかったんだ」 と心の中で反駁した。結局、その家族連れはお代わりはせずに食事を終えていった。お子様は不満そうだった。 ただでさえ牛丼が食べにくくなっている時代に、こんなに牛を食べれるなんて。せっかく忍者の里に来た甲斐があったというものだ。しゃぶしゃぶをしゃぶってすくって口の中に流し込むたび、 「ぎゅー、どんどんどん。ぎゅーどんどんどん!!」 という中野美奈子アナの応援の声が脳裏に響く。最後の方では、いちいち牛肉を裏返したりする気力もなくなり、お湯に放り投げてそのまま拾ってくる始末で、 「モー、けっこー」 と心の中で叫びながら食事を終えた。まさにつわものどもが夢の跡といったところだ。しかし、食べ終わった後で、メニューを見ながらふと思った。 「……小僧、悪かったな。しゃぶしゃぶが食べ放題なのは、宿泊客だけの特別メニューだったみたいだ。」 3月28日(日) 朝は、まず近鉄伊賀線に乗って上野市を出て、伊賀神戸へ。忍者の里脱出。昨日来た道を引き返し、大和八木の向こうの河内山本で、近鉄信貴線に乗り換えて信貴山口から、近鉄西信貴ケーブルで高安山へ。せっかく、3・3・SUNフリーきっぷで乗り放題なのだし、何とかと煙は高いのが好きという本領発揮か。しかし目新しいものは見つからず、そのまま近鉄難波へ。南海なんばへ乗り換えて、今日の宿の堺まで荷物を持っていく。その後、なんばまで戻って、そこから関空特急ラピートαに乗って、関空見物に行く。こういう、空港連絡鉄道は、通常の運賃体系に上乗せされて高い運賃が決められている場合が多い。だから、こういう路線を利用するときは、基本的に今日のようにフリーきっぷを持っているときを選ぶべきである。関西国際空港は、都心から近い分、成田にある国際空港よりはマシだと思った。 こないだ、京都の巻で「関西のエスカレーターは間違えて左に立ち止まっていたら土地の人じゃないことがばれてしまう仕組み」と書いたが、大阪の場合は、それに加えて、車がやって来ないときの赤信号を素直に待っていたら土地の人でないことがばれてしまうシステムになっている。あと、自転車の二人乗りがやたら多かった。しかも、ただの二人乗りじゃなくて、後ろの人が立って乗ってたりとか、電話しながら乗ってたりとか、大阪ってのは基本的に一芸がないと生きていけないみたい。 3月29日(月) 今日は、3・3・SUNフリーきっぷの効力は切れてしまったのだが、まず堺から南海本線に乗る。新今宮からJR線に乗り換え、京橋から尼崎までJR東西線に乗って写真を撮る。JR西日本では、来年3月までT-1グランプリ5000kmというイベントをやっていて、JR西日本の51線区を乗りつぶせば賞品があるらしい。実際には無理そうだが、一応エントリーしてみることにした。 その後、大阪に向かい、今日の宿トワイライトエクスプレスの発車を待つ。発車30分前に入ってきたので、すぐに車内に乗り込む。重い荷物から開放されて至福のひととき。この列車は大阪を正午に出発して、明日の朝札幌に着くのだが、今回はこのチケットをとるのに苦戦した。北海道にはどうしても行かなければならないので、飛行機か寝台かどっちかで考えていたのだが、直前まで、日本海1号とトワイライトエクスプレスで個室の空きがないか何日か分見てもらっても軒並み満席の状態で、せっかくだから飛行機でも使ってやろうかとも思ったぐらいだ。しかし、肝心の飛行機は3万円以上のボッタクリ価格しか設定されていないみたいで、しょうがないから18きっぷで延々と北海道を目指そうかとすら思っていたところだ。飛行機の国内線は、どの路線も適正価格はせいぜい1万円くらいだと思うのだが、時期によってはボッタクリチケットしか売っていないらしい。と言うことで今回の旅は直前までルートすら決まっていなかった。幸い、出発前日になってトワイライトエクスプレスの個室にキャンセルが出てくれたみたいなので事なきを得たのだが、実は現在も、明々後日以降の宿は決まっていない。 今日は平日なので、トワイライトエクスプレスに乗ったとき前場の概況をチェックしてみたら、買った後に食中毒事件で暴落したために塩漬け候補にしておいたオリジン東秀が急騰して買値以上に戻していたので、さっそく売り注文を出した。一応、優待目当てで買っておいたのだが、どちらかというと値下がりリスクをとりたくない銘柄だったので、手放せるものなら手放しておきたかったが、渡りに舟といったところ。トワイライトエクスプレスの僕が乗っていた部屋は、京都駅では右の写真のように、真ん前に一番大きな改札口に当たったりした。そういえば、JRの京都駅は、半年前に来たっけなあとか思った。湖西線を走るときは、右手は琵琶湖、左手は何かの山が見えていて感じのいい風景だった。この列車は、やっぱり新潟県に入ったときに見られる美しい海岸線がいいようだが、今の時期だとうまく夕陽の時間には当たっていないので、やっぱり真夏あたりに乗ると一番良いのだろう。この列車は出発するときに、下りは「いい日旅立ち」、上りは「三都物語」がかかるらしかったのだが、曲ではなく、オルゴールだけだった。以前、上りに乗ったときはちゃんと曲がかかっていたのに、また著作権関係の寄生虫団体JASRACがクレーム付けたのだろうか。いい加減、穀潰しの団体は解散して欲しい。 あとで売買の状況をチェックすると、オリジン東秀は後場の閉まる寸前にぎりぎり売れてくれていたようだ。欲張った売値を指していたのだが、ラッキーなことに、これも今日の取引の最高値だった。買ってくれた人に感謝、感謝。……欲張って高い指値で売ったと言っても、欲張らない場合に比べて1,000円得しただけなんだけど。3月30日(火) この列車は午前3時くらいに青函トンネルに突入し、その時間にサロンカーに行くと、JR北海道の車掌さんが青函トンネルの説明をしてくれるらしい。実際、たまたま目を覚ましたらそのくらいの時間だったので、その気になれば上着を羽織ってサロンカーに行けば良かったのだが、眠かったので結局また寝た。まあ、旅行備忘録ムツジでは既に青函トンネルの説明聞いているんだけど。 朝は、洞爺に着くときから放送があるので、強制的に起こされることになる。その後は、もらった新聞を読んだり、モーニングコーヒーをすすったりしながら、昨日見切れなかった映画を見たりして、朝食の時間を待つ。映画は、洋画が二つと邦画が一つ放映されていて、邦画は釣り馬鹿だったので放っといたら、昨日寝る前にちょっと見たらまあ面白かったのでこの朝で何とか全部見切りたいところ。今回は3つとも全部見たので、どの映画も台詞を覚えるには至らなかった。3つとも、こういう機会でなければ見なかったと思う普通の映画だった。 食堂車に行って、朝食を食べ終わると、それから30分ほどで札幌に着いた。予想通りだが、札幌は寒かった。しかし、雪もいたるところに残っていて、この時期に来ただけあった。すぐに札幌市営地下鉄に乗り換え、さっぽろから中島公園へ。今日は、ここでタスコシステムの株主総会が開催される。良く知らない会社だったのだが、高田屋とかのそば屋さんか何かを経営しているところで、今年度は大赤字を出して株価が大暴落したので、つい優待目当てで買ってしまった銘柄だ。こないだの中間決算時の大株主にゴールドマン・サックスがいたということと最近急成長していた会社だということはわかったのだが、それ以上のところは持ちながら調べてみようと思って、まだあんまり調べていない。その一環として今日はここに来てみた。 詳しいことはまた書くことにして、総会の後は、札幌に戻り、スーパーホワイトアローで今日の宿泊地、旭川を目指す。1時間半ほどなんだけど、そんなに長く感じなかった。旭川も寒かった。何だか冷蔵庫に入っている気分。気付いたらクロージングベルのキャスターが変わっていた。最近あんまり見ていなかったけど、番組が変わっていくというのは何か切ない。なんかテレビ見てたら、最近は結婚相手に求める男性の条件として、三高ではなく三低が流行っているらしい。低学歴、低身長、低収入という三拍子揃った人ってそんなにいるのかな。女性の好みは良くわからん。まあ、条件をゆるめにすれば僕も三低になってしまうなあ。あと、北海道に来て感じたのは、人通りのあるところで東京や関西のようにうざいブロードバンドの勧誘が無いこと。目にするだけでうざいし、普通の人は避けて通るのだが、あーいうのは近所の商店などの売り上げは激減しないのだろうか。NTTフレッツの関東地方のCMに「卒業しても、一生友達でいようね」「一生はないよ。環境がかわれば友達もかわるでしょ」というのがあったが、あれは本当に一生付き合ってられない某ブロードバンドに対して、「良く言ってくれた!」という感じだろう。うちでも1回、バカな家族がYahooBBのモデムを持って帰ってきたことがあるのだが、すぐに叩き返してもらった。本当にやめて欲しい。 3月31日(水) 今日は、道北一日散歩きっぷで留萌を目指す。以前訪れたときからダイヤ改正があったらしく、朝は10時半まで旭川でゆっくりしていられた。深川で留萌本線に乗り換え、留萌まで行く。この留萌本線は、かつて石狩沼田からは札沼線、留萌からは羽幌線を分けていたが、今はどちらもなくなっていて寂しくなった地域である。雪が途中、結構降っているところもあったが、留萌は曇りだった。支庁所在地だけあって、店は色々とあった。ゲオがあったので、ドリームキャストと64のソフトをちょっと漁る。昔は、ゲームが好きでよくやったが、最近はほとんどやらない(そこら辺、この旅行の出発日が世間ではPS2版ドラクエXの発売日らしいのに、僕が完全シカトしているということからも伝わってくるであろうが)。でも、別に嫌いではないので、値段の安くなった中古ゲームは色々と買っている。ドリームキャストも買ったのは一昨年で、マジックザギャザリングとシーマンを少しやった程度。ニンテンドウ64の方は、本体が1,500円という値段で売られていたので去年買ったのだが、やはり遊ぶ時間がなく、ソフトも500円以下で売っているものを中心に揃えて飾っているだけになっている。でも、こういうのは時期を逃すと高くなってしまうことがあるので、ある程度知名度のあるゲームで、損じゃない価格と思ったらどんどん買うことにしている。 そんなこんなで留萌の街を歩き回っていたのだが、ここで許される滞在時間は1時間半、それを過ぎると次の電車が3時間待ちなので、何としても時間内に駅に着かねばならない。ただし、そのまま留萌の駅に戻ってきてもつまらないので、留萌から、地図上では結構近い距離に載っていた瀬越の駅まで歩いていくことにした。これが悲劇の第一歩だった。実は、留萌の駅を歩き出した後で雪が少しずつ降り出したのだが、留萌と瀬越の中間付近で、それがやがて吹雪に変わったのだ。しかもただの吹雪じゃなく、海辺の吹雪である。とんでもない海風で雪が吹き付ける。傘が全く役に立たない。傘を使うと雪は防げるのだが、風を思いっきり受け止めてしまうので全く前に進めなくなってしまう。吹雪に立ち向かうためには、傘を差さずに突き刺さる雪を無視して歩いていくしかないみたいだ。しかも、瀬越という駅の案内表示がどこにも見当たらなく、正確な場所がわからない。線路は、地上を走っておらず、地形を掘りぬいた谷のような部分を走っているので、人間の歩ける道路からは細かい状況が確認できない。次の電車の出発時間はせまっており、それを逃すと3時間待ち。 そんな状況で、道路端にセイコーマートを見つけたので、そこのおばさんに瀬越駅の場所を聞いてみる。「税務署のところの道を曲がりなさい」と言われたので、猛吹雪の中そっちに向かうと、言われた道は何だか獣道の雰囲気を醸し出していて入りづらい状況。案内板もなく、本当にここでいいのかと不安だったので、近くに見つけたセブンイレブンに入ってそこのお姉さんに瀬越駅の場所を聞いてみる。やっぱりさっきの場所でいいようだ。というより、さっきの場所からじゃなきゃ駄目ならしい。意を決して、その獣道っぽいところに入っていくと、それはまっすぐ海辺のほうに向かう道で、予感していた通り、とんでもない海風+吹雪が僕を襲ってきた。一瞬、僕をどうしても駅に行かせないための呪いでもあるんじゃないかと思ったくらい強烈な吹雪で、ゲームとかで「ホワイトドラゴンは吹雪を吐いた」とかいうのが大ダメージを受けるのがわかる気がした。実際の気温は0℃程度で、大して寒くない(それでも、一昨日までいた関西地方とは段違いの寒さだが)はずなのだが、風が強いと体感温度はとんでもなくなる。まさにそれを体感した。傘を差していたら風圧で一歩も進めないが、傘を差さなきゃ一瞬で凍死してしまいそうにも感じたので、意地でも傘を差しながら一歩一歩進んでいった。どうせ、100円ショップで105円で買った「高級折り畳み傘」だ。代わりはいくらでもある。そうして、しばらく坂を下りていったら、やっと踏切が見えてきた。しかし、海が近くなり、ますます強烈に風が吹き付ける。はて?駅はどこだと思ったら、近付いてみると踏み切りのそばにホームらしきものもあって、これが駅のようだ。狭い待合室があったので、駆け足で入る。すると、途端に暖かく感じた。暖房のない待合室で、気温は0℃前後のはずである。それでも、風が吹き付けなくなったので、体感上は暖房の入った部屋と同じ感覚だった。やがて10分ほどで電車が入ってきたので、それに乗った。この駅に来る上り電車は5時間ぶり、これを逃すと3時間待ちというローカル駅である。今の電車にこの駅で乗ったのも僕一人。電車を使いたいなら、留萌に歩いていけば事足りる。辺鄙なところにある駅なのに、駅への案内板が皆無だったのもうなづける気がした。地図上では大したことない距離でも、まさか4月近くにもなって吹雪に遭遇するとは予想外であった。 その後は、吹雪を電車の中から高見の見物しながら、旭川まで戻る。帰りの電車では、ひどい目に遭ったと思いながら、どちらかというとこれくらいのハプニングは確信犯だったのかなとも少し思った。今まで生きてきて、雪ってのは楽しいと思うことはあっても迷惑したことは全くなかった。気候の緩い地域では大したことなくても、雪ばかり降っているところでは大変だなあと心から感じた。旭川に戻ると、こっちでも雪が降っていた。今日も旭川に宿泊するので、荷物は宿に置きっ放しだった。こっちのテレビは、札幌市営バスが明日からなくなるというニュースをやっている。要は民営化なのだが、利用者としてはどうなんだろう。そういや、東京でも営団地下鉄から東京メトロになるんだっけ。来年には、都がビー・エヌ・ピーパリバ信託銀行を買収して新銀行作るっていうし。官だとか民だとかそういうのがごちゃごちゃした感じだ。それにしても、北海道銀行のキャッシングのCMは面白い。おそらく北海道のみでしか放送されていないのだろうが、ますだおかだがいい味出している。どの社も、キャッシングとなるとやたらと力を入れたCM作っているけど、やっぱり儲かるんだろうなあ。銀行預金で、全然利子付けずにお金預かって、それを高利で貸すんだし。でも一体、どういう人が利用してるんだろ。すごい興味深いんだけど、そういう、公表しても得にならないデータは各社、調査も公表もしないんだろうな。 4月1日(木) 今日は青春18きっぷで、まず札幌を目指す。昨日、雪が降ったせいで道内各地は軒並み気温が下がっている。天気は晴れなのだが、晴れながら平気で雪がぱらついている。一昨日は、これが雨だったので、明らかに今日のほうが気温が低い。札幌に着いたら、大通の方まで地下鉄に乗らずに歩き、そこでもBOOKOFFを見つけたのでやっぱり105円の本を漁って3冊も買ってしまう。旅行をしていると、買い込んでいた酒やペットボトルが減っていくのに、こういう荷物が増えてしまうので、結局はかばんが悲鳴を上げることになる。ちょっと札幌証券取引所に遊びに行き、その後は再び青春18きっぷで進む。まず苫小牧へ行くが、ここが律速段階になり、次の電車が1時間待ち。その間に街を歩き、腹が減ったので回転寿司に行ったら、料金は消費税を別に請求された。あれ?今日から総額表示にしなきゃいけないんじゃ?と思いながら少額だったのでそのまま払ったけど、最初に確認すべきだった。 その後は、東室蘭まで行き、さらにそこから乗り継いで長万部に行くのだが、どうせ長万部では長時間待たされるので、室蘭へ行って戻って来たりした。その後、長万部へ。さらに乗り継ぎ、八雲で降り、今日の宿へ。中途半端なところで降りたのは、今日中に函館まで行くのは不可能だったため。でっ海道はでかい。 4月2日(金) 今日は、朝はまず快速アイリスに乗って函館方面を目指す。五稜郭で降り、乗り換え。函館はスルー。北海道に来たときもトワイライトエクスプレスは深夜函館に入らずに五稜郭で折り返していったはずなので、今回は完全に函館に行かずに北海道を後にすることになった。今度できるらしい北海道新幹線も、こんな風に函館を通らずにまっすぐ札幌を目指すらしい。実にいいことだと思う。函館駅って、かなり回り道だからね。 五稜郭は、ホームも完全に雪がつもっていて、電車待ちはみんな階段で並んでいた。江差線で木古内まで行くと、かなりの人がそこで降りてしまった。僕は、今日はちょっと時間があるのでそのまま乗って、末端部の江差を目指す。この江差線は、いわく付きで生き残った路線で、実際は木古内から二本伸びていた松前線と江差線では、松前線の方が明らかに利用度が高かったらしい。しかし、両線の共通部分である函館−木古内間の輸送実績が何故か江差線の実績にのみ加算され、かつての北海道最大の都市へと向かう路線は姿を消すこととなってしまった。もっとも、江差の方も、一応支庁所在地ではある。北海道の支庁所在地から鉄道が消えるという運命は逃れることができた。この、江差は、江差追分で知られるということで知られているところだが、僕は良く知らない。でも、函館に行くなら明らかに道路が便利みたい。僕の方は江差で折り返し、再び木古内へ。この江差線、天野川という川に沿って走っていて、景色はなかなか良い。途中、実際の駅ではないらしいが天の川駅という看板もあった。 木古内からは、海峡線でスーパー白鳥24号に乗って、本州を目指す。この木古内−蟹田間は、特急と急行しか走っていないため、現在は乗車券のみで自由席を利用できる特例区間である。結構空いている車内で、ついでに車販のお姉さんから駅弁を買い、食う。そして、トンネルを抜けると、そこも雪国だった。最近爆雪なのは、北海道だけじゃなかったみたいだ。そういえば昔、キャプテン翼かなんかで「ディフェンスを抜けるとそこは雪国だった」というネタがあったが、雪国ではこの手の話題は尽きないのだろう。蟹田に着くと、そのまま降りて次の電車待ち。1時間後の青森行き普通列車を待つ。待合室の外は吹雪で、とてもじゃないが出歩く気にはならなかった。で、1時間待った後、電車が来ない……最初は5分ほど遅れているとのことだったが、どうやら三厩の方からやってくるべき列車が立ち往生しているらしい。なかなかこういったトラブルは出会えないが、以前旅行備忘録ユキジにおいてもJR東海管内で列車が遅れてスリルのある場面があった。今日も、下手すりゃ足止めで吹雪の中待合室で夜を越さなきゃいけないのか、あるいはかろうじて青森ぐらいまでは責任もって届けてくれるのかと、何だか大変そうな事態なのに、わくわくしてきた。青森からやって来ていた下り列車も、この蟹田で運転打ち切りになるらしく、ぞろぞろと乗客が降りてきて、それぞれの客がどの駅まで行きたかったのか駅員さんが人数を数えていた。どうやらタクシー大活躍の出番のようだ。上り列車の方は、とりあえず来る気配が無かったが、幸いにして特急列車は、線路が貧弱な津軽線ではなく頑強な海峡線を通って来るので、遅れる心配はない。青森まで向かう客には、特急に乗れるよう手配してもらった。そのときもらった紙によると、「津軽線倒本のため特急に便宜乗車願います」ということだった。倒本なら仕方ない。そりゃ電車も通れないだろう。僕も、でっかい本が倒れてきて死にそうになって目を覚ます、といった夢ならよく見るからその気持ちはわかる。 ![]() ということでスーパー白鳥28号に乗り、40分遅れで青森を目指す。今日は青春18きっぷなのに2回も特急に乗れてお得かと思いきや、別に乗りたくて乗ったわけではない。しかも実際には、目的地到着がこれで1時間近く遅れた。特急に乗せてもらえるのは青森までで、そこからは普通列車に乗り換える。が、次の電車まで時間があるので、いったん改札を出て歩き回ることにした。そしたら、改札口の駅員に 「君、どこから来たの?」 と聞かれていきなり止められる。「ありがとうございました」と客を送り出すべき商売なのに、田舎ではこういう馬鹿な駅員に当たることがたまにある。大体、客に向かって「君」はないだろう。結局、もともとは国鉄って役所だったわけだし、未だにお役所体質が残っているのがこういう企業である。若い人は普通なのだが、年取った駅員の中には時々役人体質の抜け切らないのがいる。僕も、もっとたくさん東日本旅客鉄道株を持っているならこういう不満を株主総会でぶつけるのだが、別に大株主でもないのでなかなかそういう図々しい真似はできない。まあ、この駅員がどこから来たのか聞いた理由は明確で、不正乗車を疑っているのである。この青森駅の場合は函館−青森間を特急料金を払わずに乗ってくる客を警戒しているのだが、これはそもそも車内できちんと人件費を投じて確実に切符確認を行なわないほうが悪いのであって、自分たちの不始末を客の不正乗車への疑いに向けるとは言語道断である。とりあえず、どこから来たかとの質問なので、青春18きっぷの券面を指差しながら、 「えーっと、八雲ですね」 と言って通り抜けようとしたら、 「青春18きっぷで特急は乗れないよ」 と言って、通してくれそうな気配にはない。大体、こっちは今朝の出発地が北海道の八雲だと答えただけであって、その後の経路として海峡線から特急に乗って来たなんて一言も言っていないのだが、この駅員はそもそも、いったん本州に入ってから、30分ほど前に着いているはずの奥羽本線や東北本線の乗客が改札の中でしばらくぐずぐずしている可能性は考えていないのである。これだから頭の悪い人は嫌いだ。頭が悪いというより頭が固いだけかもしれないが、どっちも似たようなもんだと思う。これ以上この駅員と論争しても時間の無駄なので、僕は、 「そうですか」 とだけ答えて改札は出ずに引き返した。もしこれでさらに不正乗車を疑ってこの駅員が追っかけてきたりしたら、ぎりぎりまで粘ってから、さっきもらった正当な特急乗車証という切り札を出してそれなりの謝罪を要求するつもりだったが、さすがにこの駅員もそこまで馬鹿ではなかったようだ。ともあれ、僕がせっかく、青森で途中下車して買い物なり食事なりしてこの街に金を落としていこうとしていたのに、それができないことになって残念だ。まあ、さっきもらった振替乗車票をさっさと見せれば問題なく通してもらえたというのはあったが、そしたらそれはこのような駅員のことだから確実に回収されてしまい、この頁にも画像を載せることができなくなってしまうから、それだけは避けたかった。 ホームに下りて並んでいたらしばらくして八戸行きの列車が入ってきて、そこから1時間半ほどで今日の目的地、八戸に到着。ここの市街は本八戸というところにあるのだが、八戸周辺も、新幹線などで結構盛り上がっているようだ。 4月3日(土) 今日は、八戸から八戸線に乗る。八戸線は八戸駅の1番ホームから出ているのだが、新幹線のできる前は改札を入ったら階段の上り下りをせずに乗れる便利な路線だったのに現在はそれができなくなってしまった。近代化によって昔ながらの構造の駅は消えていく運命なのか…。普通列車うみねこというジョイフルトレインの車両だった。紛れもない各駅停車でたった2両編成で、全部自由席の普通の列車なのだが、全部リクライニングシートで、座席は特急並みである。八戸ではスーパー白鳥1号も並行して同じ方向に同時に発車し、少しだけ併走したのだが、向こうは、ただのローカル線で2両編成の列車の乗客が自分たちと同じリクライニングシートでゆったりしている姿に目を丸くしていたみたいだ。何だかおかしかった。ここからリアス式海岸への旅に出発する。本当に良くこんな地形に列車通したねえ、とこういう路線はいつもプロジェクトXを感じる。それでいて、1時間に1本ほどしか走っていないのだから費用対効果を考えると批判的な面もあるかもしれないが、逆に言えばこれだけ地形が険しいからこそ鉄道や道路がなければどうしようもなかったというのは言えるだろう。 久慈に着き、そこからは三陸鉄道北リアス線に乗り換える。不思議の国の北リアスとかいうキャッチフレーズを使っていた。いま、東日本エリアにおいてはIGRいわて銀河鉄道や青い森鉄道、ほくほく線などにも乗ることのできる北海道&東日本パスという、青春18きっぷよりも強力な切符が発売されているが、唯一三陸鉄道付近を使うときだけは青春18きっぷの方が強力になっている。というのは、青春18きっぷ利用者のみ、三鉄1日とく割フリーパスという、全線の運賃の半額ほどのフリー切符を買うことができるからだ。その切符を買って、三陸鉄道に乗り換えたのだが、この列車が、さんりくしおかぜというお座敷車両を連結している編成になっていた。お座敷車両と普通の車両の2両編成で、お座敷車両は一応予約が必要らしいのだが、僕が着いた時には普通の車両の座席が全席埋まっていたので、車掌さんの許可を取ってお座敷車両のほうに乗った。これで食い物でも持ち込めば最高だったんだろうけど、食い物は所持していなかったので飲み物で我慢した。この路線も景色が非常にいい。あまりにも良い景色ばかり続き過ぎて、却って飽きてくるくらい。で、リアス式海岸を散々見物した後、宮古に到着。 今日の宿に荷物を置き、山田線に乗りに行く。この列車はそのまま岩泉線に入っていく。今でも終点の岩泉には一日三往復しかやって来ず、本来は廃止されるはずだったが、代替道路の未整備が理由で生き残っているという路線だ。さぞかし終点は寂れているのかと思ったら、そうでもなかった。むしろ、バス路線は盛岡まで直通しているし、車もたくさん走っている。電車は時間がかかってしょうがないから使えないという感じなのだろう。この路線に限らず、普通列車がひーこら1日数本だけ走っているという路線は、景色がやたらと良い場合が多い。岩泉線も、道路をはるか下に見下ろしたり、小さな川の流れる真横を走ったりと、素晴らしい風景の連続だった。あと、首都圏では必ず自動で開くドアが、ちょっと地方に行くと乗客がボタンを押して開け閉めするようになっていて驚いたという話は良く聞く(僕も最初はそうだった)が、岩手県のローカル列車は何と、自分の手で開けるのである。これには遠野物語を感じた。宮古の街は、五代君が登場する「ハタチまでは無煙です」という煙草の広告があった。写真撮っておかなかったのが残念。あと深夜番組で、テレビ岩手の、『コンビニナイト』という番組は気に入った。岩手だけなのかな。もう旅も終わりに近付いているけど、本気でかばんが悲鳴を上げている。一部破損しているので、次回はもっと頑丈な別のかばんを用意しなきゃ駄目そう。 4月4日(日) 今日は、青春18きっぷで爆走する日。まず宮古始発の快速はまゆり4号に乗る。これは釜石、遠野、花巻を経由して盛岡に行く列車だが、もともとは急行陸中の運転されていた時間帯の列車なので、リクライニングシートの快適な車内になっている。途中は快速なのに40分も停車駅無しで走り続けたり、陸中大橋という駅の付近ではオメガループという、はるか下の方に自分がこれから走る線路が見渡せる場所があったりと、これまた風光明媚なところを走る列車であった。花巻で降り、そこからはひたすら東北本線を南下する。 1本ぐらい乗り逃しても東京には帰れるのだが、1本が1時間に相当する可能性もあるので、来た列車にはそのまま乗っていく。一ノ関、小牛田、仙台、福島、黒磯、宇都宮と乗り継いでいった。これだけ長い間乗っていると、自分と同じように18きっぷ(北海道&東日本パスの可能性もあるが)使っている人が本当にたくさんいることに気付く。途中、仙台などでは違う時間に来た列車の乗り継ぎ列車がいくつも一緒になったりして、どんどんそれと思しき人の割合が増えていって、老若男女、いろんな人が同じように18きっぷで南下しているのが確認された。途中、何度も新幹線に乗り換えて一気に帰ってしまおうとの誘惑に駆られたが、初心忘るべからずで乗り通した。今日乗った分だけで運賃にしたら1万円近く。それを18きっぷ1回分で乗っていったのだから図々しいものだ。今回の旅行では終盤は連日の18きっぷ使用で、旭川から東京まで、木古内−蟹田の特例と蟹田−青森の振替乗車を除けば、すべて普通列車で帰ってきたことになる。本当は、疲れるからもっと別のきっぷ(ぐるり北海道フリーきっぷ)を使いたかったのだが、これは今年の3月は利用できなかったため使えなかった。でも、そのお陰で東北地方をちょっと見て回れたので良かったかも。今日は、随分あっさりした文面になったが、上のほうを見ると、便りがないのが良い便りという気がしないでもない。 |
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