た の し い 株 主 総 会 3


− 平成17年度 −



 今年は株もあわただしい年だった。特に年後半の上げはすさまじかった。きっかけとなったのは石油価格の上昇もあるが、それよりも総選挙で自民党が大きく勝ったことが主因であり、好むと好まざるとこの結果は受け入れなければならない。個人的には優秀な人が落ちて、どうでもいい人が通るような今回の総選挙は「悪貨が良貨を駆逐する」ということをまさに具現化したものだと感じているが、しかしそれによって株が上がるのならまあ良い。政治とはそういうものだと割り切るしかないだろう。
 今まで動かなかった日経平均がこんなに上がったのだから、世の中がみんな明るくなったような感じであろう。それでも個別の銘柄は悲喜こもごも。特に、株主総会は同じ株を持っている人が顔を合わせる場でもある。やっぱ会社によって客層がかなり違うとは感じる。今年はJR東日本で異変が起きた。例年のような社員株主の「了解!!!」の大合唱が無くなった。まあ進歩なのだろうが、古き良き日本の姿を思って何だか寂しい気もする。

 なお、今年は所有している会社で人命に関わる大きな事故が2度も起こった。この場をお借りして、亡くなられた方々に深い哀悼の意を表します。





2月9日(水)  サンリオ

 今日は大崎にて東証1部上場のサンリオ(証券コード番号:8136)臨時株主総会。普段の総会はピューロランドで行うのだが、今回はそのサンリオピューロランドの減損処理という真面目な話題が議題なので、サンリオ本社が会場だった。

 まあ何百億もの資産をゼロだかに見積もりなおして、今期は大赤字の上無配です、とのこと。この会社は一昨年の上場来安値付近で買っていて、その3倍以上にも上がってしまったので思わず売ってしまったのだが、去年の秋に値下がりしたのでまた買ってしまった銘柄だ。ピューロランドの券を優待でくれたり、いろいろなもの送って来てくれたりでお得な気分。今日もお土産付き。

 ピューロランドへの電車の本数が少ないといった株主の指摘があり、社長は
「京王線なんて、ピューロランドに行くために走っているようなものなのに、今度会ったら京王の社長に言っておく」
と言っていた。もっともな話だ。京王の社長は後輩らしい。

 この辻社長は株主に対する礼儀はきちんとわきまえているのだが、放っとくと質問している株主とため口で話を始めてしまうお茶目な社長だ。じいさんばあさんの株主に対して、
「あなたたちももっとピューロランドに行きなさいよ。行かないから駄目なの」
とか株主総会の場で命令形で話せる人材は他の上場企業にはそうそういないと思った。今回必要な優先株等の話も、
「僕だって大株主ですから。株価が下がって喜ぶわけないでしょう」
という社長の勢いに押されきった感じで、めでたく議案通過。ピューロからわざわざ女性の踊り子さんもやってきて、踊りを見せてくれた。いや、ポムポムプリンの着ぐるみの方が見たかったが。

 この日はホリエモンのいる会社が里谷多英のいる会社を買収しようとした騒動の翌日だったのだが、社長によれば
「うちは楽天と提携しているんですよ」
とのこと。何となく、楽天はやめとけよと思った。





3月30日(水)  タスコシステム

 今日はJASDAQに店頭公開しているタスコシステム(証券コード番号:2709)の株主総会。去年はトワイライトエクスプレスに乗って参加したが、今年はそんな暇なかった。まあ今年は復配もしたし、一時期とは違って、もう安心して見てられるという感じだ。





5月17日(火)  ワールド日栄フロンティア証券

 今日は後楽園の東京ドームホテルにて、SBIグループのインフォメーション・ミーティング。本来は東証1部上場のソフトバンクインベストメント(証券コード番号:8473)の株主のためのものだと思うが、僕が持っている大証ヘラクレス上場のワールド日栄フロンティア証券(証券コード番号:8696)はその子会社であり、そういった関係からSBIグループ関連会社の株主が全員呼ばれたような会である。

 もうすっかり有名になってしまった北尾CEO(早口言葉だと言いにくい)が登場して、2時間目いっぱい経営戦略について語ってくれた。僕がこの会社の株を買ったのはあまりにも安すぎると思っただけであって、経営者がどんなだということはあんまり気にしていなかったのだが、一気にこの会社の経営に対する信頼性を強く持てるようになった。何だか、一時期マスコミに引っ張りだこでずっとしゃべっていてもどうでもいい一部分しか取り上げられなかったりで不満らしく、最近はメディア露出の自粛をしているんだと。

 一応、関連会社のソフトバンクについても語っていたが、やっぱりブロードバンドを配り出した時に、
「あんなもんは成功しない」
と最初から思っていたそうだ。それでいて、ソフトバンクとの関係については、
「私と孫さんの仲だから、これからもうまくやっていきます」
って、おい!!あんたさっきまで悪口ばかり言ってたじゃないかよ!!という一幕も。さすが、以前勤めていた会社の社長だった酒巻氏のことを「バカ巻」呼ばわりしただけのことはある。





6月22日(水)  タカラ

 今日は京成線に乗って、葛飾区まで行って東証1部上場のタカラ(証券コード番号:7969)株主総会。葛飾区は遠い。何だか奥地って気がする。開始前に、タカラの様々なおもちゃが展示してある部屋があったので、その部屋に行ってみる。チョロQリカちゃんはもちろんのこと、ベイブレードこえだちゃんマジック・ザ・ギャザリングまで陣営に加わって、実にパワフルな品揃えだ。ここは100株持っていたらチョロQ、1,000株持っていたらリカちゃんがもらえる。

 申し遅れたが、この銘柄は今回所持している株では唯一の劣等生だ。わかりやすく言うと、タカラはおもちゃ業界第2位なのだが、今度晴れて業界第3位のトミーに吸収合併されることが決まっている。もう一度わかりやすく言うと、業界第2位の会社が、業界第3位の会社に命乞いをして助けてもらうところなのだ。当然、被合併会社だからといって買収プレミアムなどもらえるわけない。1:0.178というとんでもない統合比率のため、発表直後にはタカラがストップ安となった。

 もともと、この会社は優待目当てで、さらに利益確定してすぐに売り払うつもりだったのだが、利益を確定しようと思っていたら村上ファンドが大量取得したというニュースが飛び込んできたのでそれを引っ込めた経緯がある。
「何でこんな会社を?」
と正直疑問だったのだが、そこは百戦錬磨の村上ファンドのこと、確固とした勝算があるに違いない、と売るのをやめ、持ち続けていたのだ。そしたら件の合併ニュース。村上ファンドは何をモニタリングしていたんだ。しかも株主総会は大証ヘラクレス上場の大阪証券取引所(証券コード番号:8697)とバッティングしているから、明らかに村上世彰はそっち行っているし、紛らわしいことはやめて欲しい。

 ともあれ、合併ショックで値段が下がりっ放しなので、ここにいる株主全員が損しているという素晴らしいコンディションで株主総会を迎えた。で、先ほど展示してあったおもちゃだが、どう見ても経営不振の会社の抱えるラインナップではない。それであっても、売れ行きの見積もりを誤ってしまっただけで大きな赤字を抱えてこの状況に至っている。とりあえず株主はみんな不満を抱えているので、質問に立つ人立つ人経営の非難ばかり。会社側の答は一つ一つ誠意のあるものだとは感じたが、それでも株主としては経営陣を非難する言葉しか出てこないというのが正直なところだ。以前にもタカラには経営危機があって、ベイブレードによって奇跡の復活を遂げたらしい。その頃から持っていて買い増しを続けていたという株主さんもいた。何人も経営陣を非難する質問者が立った後でやさしそうなご年配の質問者がマイクに立ったと思ったら、
「追い討ちをかけるようで申し訳ないんですが、……」

 今日はリカちゃんのお葬式に来たみたいだと言っていた人もいたし、さながら夫婦喧嘩のプロフェッショナルという感じで流暢に佐藤会長を非難する言葉を繰り出していた女性もいた。創業者である現会長の父は、タカラの経営不振の責任を取って会社を去った。現会長の兄も、タカラの経営不振の責任を取って会社を去った。そのたびにタカラは立ち直ってきたのだが、今度は現会長が経営不振の責任を取って3月に社長を退いたところだ。だから今回議長を務めている奥出社長は、実は前期の赤字への関与は薄い。

 10人くらい質問者が出たところで、僕も質問の手を挙げ、指名された。突然の不利な合併劇には僕も不満たらたらだったので、何か言って来ようと思っていたのだが、あまりにも他の株主の人たちが僕の言いたいことを言い過ぎてくれたので、気持ちはかなり落ち着いていた。でも言うべきことは言わないととマイクの前に立った瞬間、はっと気がついた。
    (よく考えれば、これだけ強く会社の非難をしている人って持ち株は絶対100株じゃないよなー。100株のチョロQで満足している人ならともかく、1,000株のリカちゃん目当ての人は僕の10倍も損しているわけだし、タカラの経営にとても詳しそうな株主さんならあるいはその何倍も…)
 そう思うと、とてもじゃないが優待チョロQ目当ての100株株主としての権利を必要以上に強く主張する気にはなれなかった。質問したのは2点、
「今度の合併により、500株以下保有のタカラ株主が、新会社タカラトミーでは単元未満株主となってしまい来年の株主総会に来れなくなってしまうが、何とかならないか」
「合併前にインデックス社に割り当てる有利発行の増資が合併比率に不利に働いているが、この発行価格の安さは何とかならなかったのか」

1つ目の質問は、実情はともかく表面上は対等合併なのに一方の当事者の議決権が消滅するのは不適当だとの観点から行った。真の意図は、議決権はどうでもいいから来年も優待よこせということ。で、会社側としては何とか考えるとのこと。2つ目の質問は、500円以上の市場価格に対して156円で増資をされちゃ株主が損するのは当たり前なので、説明してもらわないわけにはいかないと思ったがこれまで出てなかったので質問した。会社側によれば、これでもタカラ側に有利な算定手法を用いたとのこと。

 総会終了後はおみやげをもらって帰った。株主も言いたいこと言い終わって、まあすっきりした総会だったかもしれない。総会は殺伐としていたが、終了後はおもちゃを囲みながらみんなほのぼのとしていた。おもちゃ会社を買うくらいだから、根はみんなそんなところなのだろう。しっかし、大株主に名を連ねた村上ファンドは、結局総会の進行には一切タッチしなかった。まあ村上世彰はこの日大阪証券取引所に夢中だったのだろうが、後で聞くと、村上ファンドタカラについては利益を出せずに撤退したとのこと。ふざけんな。獲物に喰らいついたらしっかり株価を上げんかい。





6月22日(水)  ヤスハラケミカル

 今日は広島のほうで、東証2部上場のヤスハラケミカル(証券コード番号:4957)株主総会。ここは、立会外分売というやつで、ちょっと安く買わせてもらった銘柄。特に僕のポートフォリオには技術関係があまり入っていないので、優待目当てもあって、入れてみた。以前は広島証券取引所に上場していたのであろうが、それが東京証券取引所に統合されてしまったので、こんな地方の会社が東証に上場しているのだろう。1株純資産が結構高めだったのも魅力。広島は広島でも、100万人都市の広島市ではない。福山からローカル線で1時間もかかる本社が会場。残念ながら、こんな所に往復している余裕はない。





6月23日(木)  JR東日本

 今日は例年のようにホテルニューオータニで、東証1部上場の東日本旅客鉄道(証券コード番号:9020)株主総会。このホテルニューオータニは1階から入って6階まで上がると、その6階にも地上出口があるというすごい構造になっている。要は、南から入れば1階に入れて、北から入れば6階に入れるのだ。

 会場に着くと既に始まっていた。後ろの入り口から入ったのだが、なかなか空席が無く、係の人に案内されて行ったら何とズンズンズンズン前のほうに行って、前から2列目に座ることになってしまった。確かに、この列まで余裕のある空席は無かった。しかし、例年から考えればこの時点で異常だ。少なくとも去年までの状態なら、この列はびっしりと社員株主が敷き詰められている場所だったはず。まあ今年もさすがに椅子がビシーっと敷き詰められている最前列は社員株主が座っているらしく、僕の目の前には株主や社長が何を発言してもつまらなそうにしている窓際族の背中がズラッと並んでいた。

 さらにはもう一つ、今年は株主総会が異様に静かだった。質問者の質問に対して会社側が何かを答えても、例年のように「了解!!」の大合唱や拍手が全く起こらない。実はこっちの方が総会がシャンシャン進みそうな感じだ。場が静かなため、ヤジも自己責任となり、必然的に去年までのようなドサクサに紛れたヤジは見られなかった。終盤には、質問台に立った株主も、
「今日は大変静かですね」
と会社側をほめ、会場から笑いが起こった。完全民営化(僕が購入したのはその際の政府保有株売り出し)から3年たったが、ようやく民間企業としての第一歩を踏み出したという感じであろうか。さすがに、12時半過ぎに
「ではあと2人質問をお受けして終わりにしたいと思います」
と質問を打ち切ろうとした時には会場側もブーイングが出たが、それでも「議論を尽くしましたので」と強行採決に行く例年のやり方に比べれば、打ち切ることを予告してその後の質問者を促すやり方は株主の不満感がより少なくなるのは間違いない。

 採決の際も、例年のような社員株主の「賛成!!」の大合唱ではなく、会場内の株主から普通に拍手で議案が通された。てゆーか今日は逆に、僕の目の前に並んでいる社員株主があんまり拍手していなかったのだが。

 ちなみにここは配当のほかに、運賃と特急料金とグリーン料金が2割引になる株主優待券を毎年くれる。旅行備忘録○○ジのようなものを書いておきながら、実は僕は未だ株主優待券を使用したことがない。使用する暇がないもんだから全て売却しているのだ。ところが、後日思い立ってこの株主優待券を金券屋に売却しに行ったら不愉快な出来事に遭遇した。買い取り価格が1枚あたり1,300円だと掲示してあったので売りたいと言ったら、突然店員が
「1枚あたり1,000円になります」
と言った。なんと、本来のこのチェーン店の買い取り価格より1枚あたり300円も安い価格を提示して店員が私服を肥やそうとしているみたいなのだ。明確に定価の無い中古品業界といえど、店頭に掲示してある価格から客にとって不利に覆ることはありえないはずである。少なくとも法律上はそれを盾に客が突っ張れる。まして、今回の件は他の店に売りに行けば1枚で1,300円程度の価格は確実に出すので、明らかに相場より安い価格を店員が要求したことになる。別にこの店にわざわざ売ってやる必要は無かったのだが、
「掲示してある価格と違うんですか?」
と言うと、使用期限が近いから安いとの答。しかし、そもそもこの時期に株主優待券は僕が持っていた1種類の使用期限のものしか存在しない。明確に店頭に掲示するなら、その掲示価格そのものを変更すべきだし、万が一手違いで掲示価格と違うのなら店員が必要以上に頭を下げて
「申し訳ありませんが、1,000円になります」
のように言わなければならないところを、僕に対応した無能店員はあくまで
「使用期限が近いので1枚あたり1,000円です」
と謝罪の意思も無く答えた。これにはさすがに僕もカチンと来たので、掲示の方が間違っているのか、としつこく確認を求めた。そしたら慌てて他の店員が飛んできて、
「1枚1,300円です。もともとは1,600円だったんですが、使用期限が近いので1,300円に値下げしております」
との説明。もう一度、念のため最初に応対した無能店員に
「いくらなんですか?」
と聞くと、また謝罪の言葉も無く悔しそうに
「1枚1,300円です」
との答。客を相手に買い取り価格を勝手に下げて騙すような買い取り方は納得行かなかったが、他の店に持って行ったってどうせ同じくらいの値段でしか売れない。
「じゃあ、1枚1,300円で買い取ってください」
と結局僕の方が折れた。客を相手に嘘の価格を言うのは犯罪行為だと思うのだが、こういうことをやられたのではたまらない。そもそも、金券ショップの密集している地域なら店員が嘘の価格で値切るなんてことはまずありえないだろうが、その付近に一店しか無いような店に売りに行ったのが間違いだった。以後気を付けたい。





6月23日(木)  JR西日本

 今日は東証1部上場の西日本旅客鉄道(証券コード番号:9021)株主総会でもあるのだが、例年のようにJR東日本とバッティングしている。今年は鉄道会社にあるまじき福知山線の脱線事故もあったこともあり、よっぽど日帰りで大阪まで行って来ようかとも思ったのだが、個人的に夕方に所用がある関係で、行ってもあまり大阪でゆっくりできないので、結局東京に引きこもったままであった。

 福知山線の脱線事故は、事故自体の内容も信じられないほどひどいものであったが、その後の会社側の対応も非常にまずかった。一株主としては、経営陣に対して必ずしも完璧な結果を期待してはいないが、経験とともに進化して行って欲しいと思っている。事故による損失は、株主責任として受け入れるしかない。

 ともあれ、垣内社長は明らかに顔で損している。どう転んでも、謝罪に向かない顔だ。その辺も、乗り越えて行って欲しい。





6月23日(木)  サンリオ

 今日はサンリオピューロランドで、東証1部上場のサンリオ(証券コード番号:8136)株主総会。午後4時からということで、JR東日本からのはしごは十分に可能であったのだが、所用の関係で行けなかった。まあ、株主は総会までピューロ遊び放題なので、行けたら行きたかったのだが。





6月24日(金)  ニッポン放送

 今日は東京国際フォーラムで、東証2部上場のニッポン放送(証券コード番号:4660)株主総会。東証2部上場なのにこんな大きい会場を使うだなんて、異例のことだ。去年よりも何倍もの人が押しかけているみたい。僕も、3月に新株予約権フジテレビに発行されようとした時に暴落したのを機に面白半分で買ってみた株である。明らかに過去の判例から認められない案件なので、下げるのはおかしいという咄嗟の判断であった。こういうのは後になって自分エライ!と思う。まあ、ついこないだのTOB(株式公開買い付け)の際には直前に何故かTOB価格より結構高く取引されていたのでこれ幸いと売り払ってしまった。3月末に株主であったので、配当ももらったしTOB案内の書類も送られてきた。

 例のライブドアによる買い占めが話題になった直後に高騰した株だが、実際ストップ高の2日目(朝刊で新聞報道があった日)はサンリオの臨時株主総会へ行く朝に目撃している。そして、ストップ高の3日目に多くの人がさらに上がることを期待して8,800円という値段で大量の買い注文(比例配分の約定狙いで実際に欲しい分の何倍もの注文を出していた人もいたと思われる)を出しているところへ、場が閉まる午後3時直前の午後2時58分頃村上ファンドと思われる大量の売りが降ってきて、その直後にストーンと7,800円付近まで落っこちた件があった。ライブドアとしては、このとき村上ファンドに売られて裏切られた思いだと言っているようだが、実際にはこのときの村上ファンドの冷やし玉のおかげで値ごろな価格に下がり、ライブドアの買い増しがしやすくなった面が強いと思う。しかし、この8,800円のときに買って大損している人が結構いるのは間違いない。それでもって、質問者はそういった損の憂さを晴らそうという人ばかりだから結構うんざり。

 ただ、「会社は誰のものですか」という質問に対しての亀渕社長の回答がとても印象に残った。
「数年前、ある外資系ファンドの方から同じ質問をされました」
 突然、それまでの荒れていた総会の雰囲気が一転してしんみりとなったように感じられ、亀渕社長のラジオという業種に対する想いや、災害時にはぶっ続けでライフラインとしての機能を提供することなど社会的使命を語る演説があった。そして最後に、
「会社の所有者は、第一義的には株主様であります。しかし、同時に私どものような会社の場合は社会の公器でもあります!」
とそれまでとは打って変わって強い口調で言い放った。そして、静かに
「その言葉を聞いた外資系ファンドの方はあきれておりました」
とも付け加えた。質問した株主の人もあきれていたようで、次の質問へ移った。しかし、僕にとってはほんの好奇心で買ってちょっと配当と値上がり益をもらったくらいですぐに売り払ってしまった小さな付き合いの銘柄であったが、それでも、このとき、この会社の株主であって本当に良かったと心から思った。ライブドアの件で責任を取って亀渕社長は退任するとのことだが、それも非常に残念に思った。

 確かに、資本のねじれ現象を放ったらかしにして市場における企業価値の低評価を受け入れていたがために大きなファンドに狙われたということは、経営者としては失策である。持ち合いで保護された古き日本の姿に慣れ、時代の変化を感じることができなければ、大企業であっても退場を迫られる世の中だ。ただ、そういう厳しい時代に、大きなファンドなどの投資者に値上がり益を与えるというだけのロスで済んだのはこの会社にとって幸いなことだったと思う。上場廃止してからも、僕はこの企業の株主であったことを忘れない。

 本当は3月のマネックス証券のセミナーで村上世彰氏がこの総会で演説をすると言っていたので、もう一度聞きたいと思っていたのだが、なかなか村上氏は出て来ず、12時30分過ぎても出てくる気配が無く質問株主の列があったので、午後1時過ぎから用事もあったし、しびれをきらして出てきてしまった。そしたらそのちょっと後に最後の質問者としてスルスルと村上氏がマイクの前に前進してきて、発言をしたらしい。亀渕社長から「そこにおられるのは、村上さんですね」ともうながされたらしい。あまり大したことは言わなかったらしいが、その場にいられなかったのはちょっと残念。

 ところで、取締役全員の所有株が0株というのは笑った。いくらなんでもあまりにも日本企業過ぎる。





6月25日(土)  ワタミ

 今日は千葉県にあるのに東京と名乗っているという例の東京ベイNKホールで、東証1部上場のワタミ(証券コード番号:7522)株主総会。株主以外でも、同伴者は全員1,000円のお食事券がもらえるからって赤ん坊まで総出で大賑わい。株主席は中央にあり、その周囲の観客席に株主でない人が自由に座れる仕組み。ワタミの社長がかかわっているという郁文館高校の生徒も大勢来ていたみたい。

 前半が株主総会で、質問をある程度受けて、後半が経営説明会で、何でも質問を受けるという形式。議案に関係のない質問は後半のときにしてくれと議長が散々言っているのに、前半にそういう質問をする人がちらほら。おそらく、後半になったら帰りたいのだろうけど、そういう自分のことしか考えないような人は株でも損してるんだろうなあと思った。

 JR京葉線の舞浜駅からはちょっと距離があるので、株主総会用のシャトルバスに乗せてもらえた。会場では、ワタミのクレジットカードであるワタミふれあいカードの勧誘があったので、つい入会してしまった。ここの社長さんも、ホリエモンを批判していた。やっぱ自ら起業した人による批判は、説得力がある。ここの会社は、介護ビジネスに参入とか農業に参入とかで話題をさらって最近は株価が上がっている。敵対的買収対策として、もし買収されそうになったら役員が全員辞めるという方針で対抗するらしい。いわゆる焦土作戦だね。





6月28日(火)  テンアライド

 今日は大手町サンケイプラザで、東証1部上場のテンアライド(証券コード番号:8207)株主総会。ここも立会外分売というやつで買ったのだが、当初は東証1部上場なのにホームページとかが貧弱でびっくりしたものだ。業績も低迷していて、株価も低迷していた。そんな会社が、何とか黒字で復配にこぎつけた瞬間である、らしい。『天狗』とか言うのを経営している、といった方がわかりやすいだろうか。ちなみに、『てんや』とかを経営しているのはテン・コーポレーションという別の会社なのであしからず。

 結構参加者も多めだったが、まあ今日はもっと大事な総会があるし、現在持っている通学定期券がちょうど大手町乗り換えでこの会場がまさに通り道上にあるので、来てみただけだ。椅子に一瞬座った後で、すぐに出てくる。





6月28日(火)  みずほFG

 今日は東京国際フォーラムで、東証1部上場のみずほフィナンシャルグループ(証券コード番号:8411)株主総会みずほ銀行とかをぶら下げている会社だ。さきほどの、大手町から歩いてきた。大手町からは、日本橋東京二重橋から有楽町日比谷銀座東京メトロの色々な駅に地下経由で徒歩で行けるから便利である。雨の日は傘が要らないが、晴れている日でも地下道だと信号待ちも無く、文字通りの近道。最近では無料バスの丸の内シャトルという強敵も出現しているが、15分おきだし、まだまだこの地下道の便利さには遠く及ばない。たとえば大手町から東京国際フォーラムへ行くには地下の中でも何通りかの歩き方があるが、丸の内オアゾの地下を通り抜けていくのが最も便利で速い。

 で、このみずほの株主総会なのだが、こないだのニッポン放送と同じ会場だ。当然、午前10時過ぎにまだ大手町にいたわけで、そこから健康のため歩いてきたので、若干遅れて入場した。ここの雰囲気は、まさに模範的な総会運営という感じだ。議長である前田社長のしゃべりもとても流暢で、流れ作業のようにあざやかに株主質問を片付けていく。株主が「みずほマイレージクラブ」について聞いたら、「はいMMCについて」と、社長が突然略語を使い出したのにもびっくりした。そんな略語、CMにはもちろんないし店頭表示にもホームページにも無い。おっさん、それ社内用語じゃないんですか?と思わず突っ込みたくなったが、そんなところまで含めて自然に感じられるような、まさに筋書きのあるドラマのような株主総会だった。

 株主提案が2つ出ていたのだが、そのうち1つの株主提案に関する票数が結構笑えた。第1号議案が会社側の配当案3,500円で、第8号議案が株主提案の配当案7,000円だったのだが、当然この2つは両立しない議案だ。間違っても両案可決で配当10,500円ということにはなりえず、一方が可決されればもう一方は自動的に否決される関係なのである。従って、株主としては
  第1号議案にのみ賛成
  第8号議案にのみ賛成
  両案ともに反対
以上の3通りの選択肢しかないはずである。それなのに、会社側の回答数字では、第1号議案の反対者より、第8号議案の賛成者の票数が10万票以上も多かったのだ。ちょっとややこしいかもしれないが、実はこれは両案ともに賛成した票が10万票以上あることを意味する(なお、白紙提出の場合は自動的に会社提案の第1号に賛成、株主提案の第8号に反対という扱いになるので、白紙でないことは確か)。何も考えずに全部の議案に賛成した株主がそんなにいたのかー。

 大企業だけに、質問者も子会社をリストラされた恨みを言いに来たり、ただ大きい相手に喧嘩売りたいだけといった人が混じっていたりする。そういう人に限って、言葉尻を細かくとらえて「それでは回答になっていない」ともう一度同じことを聞いたりする。それに対する議長の受け答えも良かった。
「同じ質問には同じ答でございます」
それでいて、社員株主の大合唱などがあるわけでもない。株主総会とはこのように運営するものだなあ、としみじみ感じた。1時間くらい経過したところで、議長が
「質問者がいないようですので、これで審議を打ち切りにしたいと思います」
と宣言した。これもすごかった。なぜなら、質問者はまだ残っていた!!そして質問者が存在することを会場の係の人がライトを振り回して議長に示していたし、まだ時間も早い。会場もブーイングがすぐに出てきた。明らかに存在する質問者を、「いない」と宣言して採決に移るというこの方法は最強だ。少なくとも株主総会の議長には、これを押し通せるほどのオールマイティな権限が与えられているのが法律上の現実。だが、これを他の会社(特に中小企業)が真似したら確実に火傷するだろう。

 それであくまでも議案の採決に移りそうな雰囲気であったが、あまりのブーイングの多さなのか、前田社長は平然と
「それでは○番のマイクの方」
と質問者を指名して、株主質問を続行させた。
 ただ、前田社長の席から質問株主の姿が見えにくかったのは事実だろうし、本当に質問者がいないように見えたのかもしれない。それか、会社側の株主総会担当者が独断で「質問者はいないので審議へ」という虚偽に基づいた指示を社長に出し、照明等で株主席が見にくい社長がその通りに審議の宣言を出しただけかもしれない。

 その後も何人か質問者が出て、そのあとに本当にもう質問者がいなくなって大団円となったので、議案の採決に移った。そしてめでたく拍手で議案が通過しようとしたその時、最前列から突然
「賛成!!」
の大合唱が起こった。こんなところに社員株主がいたんかい!!お前らこれまで何やってたんだ!?という勢いだったが、第6号議案まで次々と、
「賛成!!」
の連呼で可決されていった。もちろん株主提案にはちゃんと
「反対!!」
の大合唱。いやはや、銀行って優秀な人材が沢山いるんですなあ。





6月28日(火)  ISID

 今日は東証1部上場の電通国際情報サービス(証券コード番号:4812)株主総会。略称はISIDという。元、外資系で電通GEの50%ずつだったはずが、いつの間にかただの電通子会社になっていた。ここは、昨年12月まで認められていたいわゆるみなし価格入庫のために購入した銘柄。いわゆる、「みなし価格」で取得したことにできるので、今の値段で売った場合は合法的に帳簿上に大きな損失が出る仕組みだ。すなわち、利益と相殺して税金が安くなる。昔は中野に社屋があったのだが、新社屋は品川。古い方の社屋は、実は個人的によく行ったりする。
 通学定期券だけで行ける会場のみずほを優先したため、欠席。





6月29日(水)  そーせい

 今日は外苑前あたりで、東証マザーズ上場のそーせい(証券コード番号:4565)株主総会
 いわゆるバイオベンチャーなのだが、利益がずっと先になって出てくるという体質が日本では受けないらしく、この業種自体全面的に停滞気味だ。マザーズの企業は以前のアドミラルシステム以来だが、やはりこじんまりとした総会だ。質問者がいないのもあれなので、僕も手を挙げて質問したりしたのだが、質問してから回答が出てくるまでが長い。まるで料理でも注文しているみたいだ。まあ別に質問者も少なかったので、30分ぐらいで総会は終わった。ということで次に向かう。





6月29日(水)  ワールド日栄フロンティア証券

 今日は東陽町あたりで、大証ヘラクレス上場のワールド日栄フロンティア証券(証券コード番号:8966)株主総会
 ヘラクレス上場企業は初だが、あんまり特に違いは感じない。外苑前から地下鉄を飛ばしてやってきたら、11時少し過ぎで、もう株主総会は終わっていたみたい。でも、ちょうど経営説明会が始まる所だった。経営説明会つっても、ここの常務の中尾征雄さんが株式市場について語ってくれるので、普通の株式講演会みたいなもの。この中尾さんは、ちょっと前まで野村證券にいた人で、その時は予定が合わず彼の講演会を聞くことはできなかった。やっぱ人の話を聞くのは勉強になる。







 「白い豚でも、黒い豚でも、株価を上げるのが良い豚だ」とりあえず、12月のライブドアの株式総会まで書き終えるのは大変そう


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