2007年8月2日(木)
アントニオーニ監督の死

愛の不毛を描いて有名なイタリアの映画監督、
ミケランジェロ・アントニオーニが、7月30日、94歳で死亡した。

10年ほど前になるだろうか、フィレンツェで開催された彼の映画祭に、
アントニオーニ自身が出席したのを、目の前で見ることができた。
すでに半身不随ではあったが、映画を撮っているとも聞いた。

そのときのことを、拙著『フィレンツェ暮らし』の中で書いているが、
あの日の監督の凍ったような目が、今でも忘れられない。

フェッラーラには彼の生家や彼の美術館がある。
葬儀は8月2日、そのフェッラーラで行われるという。
ご冥福を祈る。

2007年7月30日(月)
イタリアの投票率
昨日の参議院議員選挙の投票率が、58・64パーセントで、
先回より、ほんのわずか上回ったという。
”あれだけマスコミが騒いでこれだけなの?” という感じがしますが。

というのも、イタリアの国政選挙の投票率は、
意識の低いといわれる南部地方で、73~75パーセント。
意識の高いエミリア・ロマーニャでは、89~90パーセント。
過去には98パーセントという驚異的な数字もあります。

日本の最高は、確か00年の60・46パーセントくらいではなかったか。

イタリア人の前で、こんな数字は、とてもとても恥ずかしくていえません!
2007年7月23日(火)
イタリアで見た忘れられない映像
台風や地震被害が続いている。
被災地の方々にはお気の毒としかいいようがない。
TVニュースで学校の体育館等に避難している人たちの姿を見るにつけ、

 「硬い板張りの上で、連日連夜、寝起きをされているが、
        日本の国はこういう人々に、もっと配慮できないものだろうか」、

といつも思う。

そして、イタリアで見たTVニュースの映像をよく思い出す。
イタリアへは、アルバニアなどからの難民が、
ボロ船に鈴なりになって、突然、やって来る。
一艘に何百人もが乗っていて、それが年に何十回もあるため、
年間の人数はかなりになる。

ところが、彼らへのイタリアの待遇の仕方が ”すごい” のだ。

収容場所には、なんと、一人ひとりのために、厚いマットレスがついたベッドと、
真白のシーツ、真白のお布団が用意されていた。
その上、有名ブランドが寄付したと思われる、
まだ袋に入ったままの真新しいTシャツが配られていたのである。

イタリアは自国の民ではない他国の人々までに、こうも手厚いのかと、
正直、私は驚いた。

それまでTVで見ていた日本の避難場所のゴチャゴチャした風景とは、
明らかに違っていたし、大変、清潔そうで綺麗な環境だった。

イタリアはカトリックの歴史が長く、
人々の間に博愛精神がしっかりと根づいているということもあろうが、

「イタリアの実力は ”すごい”!!  先進国とは、こういうことか!!!」

と、日本との差を見せつけられた思いがし、ショックを受けた。
2007年7月22日(日)
日本人のイタリア観は
多くの日本人や、日本のマスコミが持つイタリア観は、

”マンジャーレ、カンターレ、アモーレの国であり、
    イタリア人は呑気、馬鹿、 男は女たらしで、
       国家は貧乏、経済界は不況で、庶民は貧しい” 

といったところでしょうか。

そして、この日本人が持つイタリア観にあったイタリア本やイタリア人が、
日本では”おかしなことに持てはやされる”のです。

だから日本において、ヨーロッパの資料や統計でイタリアが出てくるのは、
この日本人がもつイタリア観にあった”悪い問題”のときだけ。
新聞記者やテレビ関係者も、
イタリアの”真面目さ、良さ”は、なかなか認めようとしない。

〔例えば、湾岸戦争やアフガニスタン戦争、イラク戦争のとき、
戦争反対のデモをしたイタリア人の数は、一番多かったというのに、
日本では、ドイツやフランスのデモ報道の割りに、
イタリアについては大した報道はなかった。つまり、それは、
日本の記者たちが、変な先入観で凝り固まっているからでしょ!〕

しかし、ちょっと考えてみてください。
もし馬鹿で、人間的でなかったら、他国の平和についてデモまでしますか?
もし自分の生活や老後が不安だったら、呑気に昼寝などしていられますか?
もし貧しかったら、毎年一ヶ月間も、家族一緒にヴァカンスに行けますか?

彼らが昼寝をしていられるのも、長期ヴァカンスに行けるのも、
人間的な暮らしができるよう、国民に優しい法律の裏づけがあるからです。
また人間的な法律を作ったのは、他でもない賢いイタリア人自身なのです!

今になれば、もうお分かりでしょうが、
イタリア人を馬鹿だ、呑気だと笑っていた日本人の方が、
余程、お馬鹿ではなかったかと・・・・・。
現に、真面目できっちりしていた筈の日本の役所が、実はメチャクチャで、
人生の三大・重要事項の、老後〔年金記録紛失〕や、医療〔高額負担〕、
住宅〔耐震基準〕問題などが、次々と噴出しているのですから。
2007年7月18日(水)
イタリアを好きな人、嫌いな人
実は私はイタリアが大好きだけれど、大嫌いな面もある。
100%完全な人がいないように、100%完全な国はないから当然だとは思う。

好きな点は、
イタリアは法律、制度が日本より進んでいて、見習う点が多いこと。
一般論だが、人間が素朴で温かく、人間的な生活であること。
芸術〔特に美術や音楽〕が、生活の中にあること。
美しい自然や街が多いこと。

嫌いな点は、
役所や警察、銀行、病院など、事務的機能が煩雑で、いつも混乱し、
業務をする人々の行動が日本人にとっては非常にのろく感じられ、
イライラさせられること。特に重病、手術のときなどは不安。


〔”日本の法律はヨーロッパ先進国と比べると、まだまだ遅れているが、
日本の国がそれでもなんとか動いているのは、
その後進性をおぎなうようにして日本人が勤勉であったり、
真面目であったり、律儀であったりするからだ” と私は思う。
ただし、今までは。 
最近の日本を見ていると、日本人の長所が失われていっているようで、
今後はどうなるか、疑問?〕


イタリアのみならず、海外に住んだ人たちは、
その国の人々に必ずお世話になっているはずなのに、
悪口ばかりを吹聴する人がいる。  これも一般論ではあるが、
①現地で良い友人や良い経験に恵まれなかったため。
 〔滞在中の”運”も絡むので、気持ちは分かりますし、同情できますけど・・・〕
②日本の物差し、つまり日本の価値観のみで、その国を見ているため。
 〔海外に出るということは、違う視点を養うためでもあるので、
 違う価値観に気付いて!〕
 特に、ラテン系の人々のメンタリティは、
 利益と効率を優先する日本人やアメリカ人の中には、
 理解できない人が多い。
③歴史や文化を知らないため。
 〔だから出発前の最低限のお勉強は必要です!〕
といった理由から、イタリア嫌いになると私には思われる。

他人様の国に住まわせてもらうのだから、嫌な体験も山ほどさせられるが、
それを上回るほどの楽しい体験や良い経験に出会うと、
イタリアを好きにならずにはいられないと思うけれど・・・・・。
2007年7月16日(月)
イタリアの選挙
選挙期間の日本って、憎悪したくなる。
なぜかというと、
日本の後進性や野蛮さが、むき出しになるから。

ただでさえ騒がしい日本の街を、
候補者やその親族、ウグイス嬢 〔なんという呼び方か!〕が、
大ヴォリュームで名前を狂ったように絶叫・連呼して、車で走り回る。
今どき、連呼されたからといって、投票する馬鹿はいないと思うけれど・・・。
その上、色の氾濫する美しくない街に わを掛けて、
ベタベタとアチコチにポスターを張り、ますます落着きのない街にする。

イタリアの選挙は、
まず、ポスターは指定の掲示板のみで、建物などに張ることは一切ない。
また、車で街中を走り回ったり、連呼することも全くない。
活動は、演説会とパンフレットの郵送のみ。
だから街はいつもと変わりなく静かです。

何台もの宣伝カーも、沢山のウグイス嬢も、大量のポスターも、
またそれらを張って歩く多くの作業員もいらないので、
選挙費用は日本より安上がりです。

イタリアの選挙は政党助成金内で賄っているので、
 ”選挙にはお金がかかる” と二言目にはいう、
どこかの国の政治家さんたちのような言い訳も、
私腹を肥やすチャンスも減少します。

日本もお金のかからない選挙にするために、
政党助成金の法律を決めたはずなのに、
そして企業や団体からの政治資金を規制したはずなのに、
また、いつしか資金集めが活発化していて、ウンザリします。

日本は赤字財政でもあるのだから、
選挙を、イタリアのように〔=ヨーロッパ先進国のように〕、
お金のかからないスマートで品の良い方法に、
まず、変更すべきではないでしょうか!
そうすれば、少しは政治家の言い訳、つまり腐敗も、減るでしょうから。

そして政治家の皆さんには、
政治家パーティや政治献金集め、選挙時の絶叫・連呼のエネルギーを、
日本のビジョンや政策を考えることに使っていただきたいものです!
2007年6月23日(土)
イタリアの中の日本
トリーノのユーヴェのショップ前辺りに、先回にはなかった
日本の「無印良品」が、店舗を出していました。

また「ヤクルト」が、TVでおしゃれなCMを流していて、びっくり!

もちろん、どちらの会社も世界進出を始めたことは知っていたけれど・・・。

日本企業ががんばっていることは嬉しいような、そうでないような・・・・・、
複雑な気分。

だってイタリアにいて、日本の企業ばかりが目に付くようになると、
イタリアでなくなりそう・・・だから。
2007年6月21日(木)
サッカー選手はCMモデル
先日、新聞1ページを使って、
格好良いカンナバーロの写真がデカデカと出ていました。
ミラーノ・マルペンサ空港には、
甘い雰囲気のトーニの写真が大きく掲げられています。
もちろんデル・ピエーロは、以前から
ミネラルウォーターやジュエリー会社のCMモデルをして来ました。
只今、イタリアのサッカー選手は、イメージ・キャラクターとして、大もてです。
  
2007年6月19日(火)
トリーノの『ユーヴェントゥス』のショップ
写真はトリーノのショッピング街、ガリバルディ通りにある
『ユーヴェントゥス』 のショップです。 〔トリーノはユーヴェの本拠地です〕

ユーヴェは、幹部の不正でセリエAからBへ降格されていたのですが、
先月Aに戻り、なぜかしらショップのウインドーまでが

う き う き しているようで・・・・・。

それとも、デル・ピエーロの写真で、私が うきうき していたのかな???
2007年6月18日(月)
リグーリアの青い海
夏、トスカーナやヴェネト、ラツィオの海岸へは、
何度も出かけたことはあるのですが、
いまだにリグーリアへは、ジェノヴァへ2回ほど仕事で出かけただけで、
旅行できていませんでした。

ということもあり、
日帰りでちょっとだけ、サヴォーナやノーリ辺りを見てきました。
トリーノから車で南へ1時間のところにあるサヴォーナで、
お魚料理の昼食をいただき 〔美味しかった!〕、
ジェノヴァとは反対方向のノーリあたりまで、海岸沿いを走りました。
この日は真夏のように暑くて、人々はもう泳いでいましたが、

なんと海が青い!!!

エメラルドグリーンからブルーへと、色が美しく変化しているのです。
その色の美しさに、しばし呆然!

高級別荘地アルジェンターリオやカプリの海も美しかったけれど、
こんなエメラルドグリーンは初めてで、感激でした。
2007年6月17日(日)
コモ湖

ミラーノの北に位置するコモ湖で、
5日間ばかりですが遊んできました。

ネット予約したホテルが、コモの湖畔にあり、
遊覧船の船着場が目と鼻の先というロケーションで、
船に乗らないと観光できない街では、時間を節約でき、とても良かった。
また市内観光にも大変便利でした。

普通でしたらこの時期、もう暑いのですが、なぜか気温も涼しげでした。

コモ湖には、ローマ時代から皇帝たちの別荘が立ち並んでいたようですが、
現代では、ジョージ・クルーニーやヴェルサーチなども、別荘を構えています。

1日目は、
朝列車でミラーノを経由し、コモへ。午後はコモの市内を徒歩観光。

2日目は、
縦に長い湖を、コモから遊覧船で一番北のコーリコへ。
片道3時間半、往復で7時間船の上でした〔昼食付〕。

3日目は、
コモの隣り街チェルノッビオへ。
かつてのヴィスコンティ家の別荘やデステ家の別荘を見学。

4日目は、
湖の中ごろにあるトゥレメッツォのカルロッタの別荘を見学。
そして湖が二股に分かれているところにあるベッラージョへ。
メルツィの別荘を見学。

★ベッラージョで、偶然、リストが住んだ家を見つけて、びっくり!!!
後にワーグナーの妻になるリストの娘も、ここで産まれていたのです。
拙著『ヴェネーツィアと芸術家たち』で、
ワーグナーとコジマのことも書いた後だっただけに、感慨深く・・・・・。

5日目は、
湖が見渡せるというケーブルカーに乗って、山の上へ。
しかし、これは詐欺に近く、ケーブルカーに乗っている間は、周囲の木々で風景はさえぎられ、頂上にあるだろうと思った展望台はなく、が っ か り。
午後、帰宅へ。

まだまだ訪ねてみたい小さな街はあるのですが・・・。
それぞれの別荘には、湖の前に素晴らしいお庭が広がり、圧巻です。
思っていた以上にコモ湖は素敵でした。

写真はホテルの前から見たコモ湖です。

2007年6月16日(土)
イタリアショック

日本人にとってはショッキングなニュースが2つあります。
いやホント、現イタリア政権はすごいです!

1つ目は、
ここ何年も日本は年金問題で揺れてきましたが、
支給額を減額する話ばかりです。
ところが、なんとイタリアでは、年金額の少ない貧しい人々への支給額を、
上げる方針だという。

2つ目は、
持ち家にかかる固定資産税の内、
一軒目の家は2008年から無税にするとか。
〔2軒目3軒目の別荘や貸家にはかかりますが〕

イタリアでこういうことが出来、日本で出来ないのは、多分、
日本の政治家や官僚が、
集めた税金をあまりにも無駄使いしているからではないのか。
イタリアの例は、政府がその気になれば出来るという証拠です!
ちなみにイタリア現首相は、前EU委員長で、経済学者のプロディ氏。

私は数年前に、拙著 『なぜイタリア人は幸せなのか』 で、
日伊の制度比較をしましたが、
国民を大切にするイタリア政治と、
国民のことなど考えない日本政治との差が、
更にここに来て広がってしまったことに、
今、ひどいショックを受けています。