【風神 回航航跡マップ】

〜 東へ・風神回航〜
 
 ありがとうヤマハ25マーク2
蒲郡→沼津・木負 回航

     

 

 



   正に「乗りかかった船」とはこの事でして、風神=旧Orion号(25マーク2)の旧オーナー・兵藤さんとは
  GWに新Orion号(カタリナ30)新西宮→蒲郡の回航クルーズに誘っていただき、素晴らしい体験をさせてもら
  いまして、、そして今度は、旧Orion号を購入された新オーナー・仲さんが沼津在住ということで、これまたラッ
  キーな回航体験が!! 兵藤さんも私も、以前より西伊豆というのは、ある種憧れのようなものを持ってまして。
  今年はOrion号のお陰で、大イベントが続きます!!
   しかし、今回の回航は日程が決まってから結構緊張感がありまして、GWの時とはちょっと違ってまして。。
  何故ならば、私のようなヨット初心者にとって「遠州灘越え」というのは、オーバーかもしれまんせんが「挑戦」
  というイメージが強く、特に、ノンストップで110マイル(蒲郡→宇久須)を走るには、約30時間船の上。
  ということは、当然、一昼夜を過ごすわけでして、この体験自体が初めて。 しかも、伊良湖を出て御前崎まで
  はまともに避難できる港は無いというのも、今までのデイクルーズとは違う緊張感を生んでいるようです。。
   同じハーバーの諸先輩方々に様々なアドバイスをいただき、「大丈夫だ!太平洋横断じゃ無いからよ」と言わ
  れます度に、「その通りその通り」と自分に言い聞かせる事も幾度、、とにかくOrion号には乗りかかった船
  という事で、その日が近づくのを、ワクワクどきどきもので指折り数える、、そんな回航前でした。。

  ■回航ルート計画

   諸先輩方々の意見を統合すると、「とにかく岸には近づくな。特に、浜名湖と天竜川沖は注意」ということ。
  何を隠そう、浜松在住の私、確かに浜名湖沖と天竜川河口は、岸から観ていても潮の影響か変な波が常に立っている
  のを目にします。 あとは天気・風向き次第。。(これは、常に同じですね) という事で、購入した海図を眺めま
  すと、天竜川沖と御前崎沖には浮標があるようで、どうやらこの浮標より岸よりは危ない感じ。。 何しろ、伊良湖
  を出ると、あとは東へ一直線で御前崎沖ですから単純と言えば単純。。 とは言え海上に線が有るわけではありませ
  んから、海図上を確認し、調度よさそうな線として、北緯34°31′とし、自船から御前崎沖の御前岩灯台を0°
  に見る位置を変針点に設定。 遠州灘航行中は、30分〜1時間おきにハンディGPSを確認し、その北緯34°
  31′より北へ行かないよう(数値が31′より低くならないよう)注意すれば、黙ってても御前崎沖に到達するわ
  けです。 それこそ、天気が良くてべた凪になれば、オートパイロットセットしたら、あとは一直線〜! なんだ
  えらく簡単?? 御前崎沖変針後は、宇久須までこれまた一直線。。 せっかく西伊豆に行くのだから、温泉のある
  泊地で一泊して疲れをとって、翌日は美しい西伊豆の海岸線を眺めながら北上し沼津・木負(きしょう)へ。と考え
  たわけです!

   ★当初の予定★

    9月16日(金)19:00  蒲   郡集合
      17日(土)05:00  蒲  郡出港
      18日(日)11:00頃 宇久須着   宇久須にてゆっくり
      19日(月)06:00  宇久須発   憧れの西伊豆クルーズ!!       
            12:00頃 沼津・木負着 着後、大宴会?!
  


ステイ類を新品に交換・船艇塗装も終え、後は出発を待つばかり。

  ■ついに出港!

  回航前にやるべき事はやっておかねばという事で、船齢25年のマーク2。 
  金具にクラックが入り不安のあったステイ類(調べると、結局バックステイ・フォアステイ・サイドステイ)
  のほぼ全てを新品に交換。 備品類も購入いただき、ほぼ万全。。 最後に船艇塗装を施し、回航当日ぎりぎ
  り間に合い準備OK。 あとは天気次第ですが、予報は晴れ!風が東風6〜8mというのが気になるも、そこ
  そこ良さそう!! ということで、ついにその日を迎えたのでした。。

   20:00頃、蒲郡YH到着、、既に新オーナー仲さんがハーバー入りしており、浮かんだ愛艇「風神」の
  準備をされていた様子。 そうこうするうちに、Orion兵藤さん到着。。 とりあえず皆で晩飯へ!
  その後、食料の買いだしを終え、ハーバーに戻ると、わきさん(GW回航時に淡輪でお世話になり、その後転勤
  でこちらへ来られた)が息子さん(まだ乳幼児)を抱っこして見送りに来ていただきまして、差し入れのワイン
  をいただく。。
   当初は、仮眠して早朝出発予定でしたが、準備にかなり時間がかかり既に02:00、、ミネルヴァ嬢も差し
   入れのサンドイッチを持って来てくれ、あれやこれやという間に03:30、、予報が東風ということもあり、
  予定より時間もかかるだろうし、今なら潮に乗って行けるので、そのまま出港することに!

   (睡眠不足がちと気になりますが、、)

  「中秋の名月」の元、眩しい位の月明かりに助けられ海面がハッキリ見える。 風向きも、予報通りの東風。
  これなら伊良湖までは、るんるん気分で帆走。。あとは、予報通り昼前から風が弱くなって南に振れてくれれ
  ば、最高気分で遠州灘を越えられる?? などと都合良く期待しつつ、完全帆走で三河湾を滑るように走る。

  
  ■やはり簡単には越させてくれない遠州灘!?

   渥美発電所を越えるころ、東の空は明るくなり日の出。。 この頃は風も少々上がり、6〜7mか。斜め後から
  の風なので、それこそルンルン気分で伊良湖を目指し、後は願わくば風が落ちてくれれば、、、
   絶好調で伊良湖水道を出ると、案の定、引き潮と前日からの東風で立った波がぶつかり、久々のパンチングの
  嵐!! 前日まで波浪注意報が出ていたので、波高3〜4mの波が10m位の感覚で迫って来ます。。

  風は真東から変わらずということで、予想通り、「真上り」。。(^^;)、、やっぱりこう来たか。でしょうか。。
  仕方なく、セイルがシバーしない程度の角度まで風下へ落とし、エンジンオンで機帆走することに。
  最初は帆走のみでトライしたところ、対御前崎の速度を割り出しますと、なんと1ノット以下!!、そりゃそう
  です。。波を上りながら、タックタックですから、何倍もの距離を走ることになるわけでして。。下手すれば、
  波風に押されて、殆ど同じ位置から進んで無いのでは??

   信頼のエンジンYA8、、たった4馬力のエンジンでも、しっかり帆走の助けをして波を越えていきます。
  当然、バウが波にあたる度に、大なり小なりのスプレーを浴び、朝の洗顔の必要も無いほどでして。。
  ただ救いなのは、なま暖かいので寒くならないこと。。今年は水温が高いとニュースで言ってましたが、ほんと
  実感しまして。。 何十波に一回、いや正確には二回ですが、必ずそれまでの波とは明らかに異なる大きな波が
  二波連続で来ることに気付く。。 この波が来る時は、ティラー操作も注意しないとまともにバウがつっこみ、
  頭から波をかぶることに。。 結局、何回頭から浴びたのかは覚えてませんが・・・

  「天気晴朗ナレド波高シ??」とは正に今でしょうか、、という感じで、渥美半島の単調な景色を観ながら、
  約一時間間隔でタックを繰り返す。。ありがちですが、予報はハズレたようでして風は一向に落ちる事なく、
  白波の感じからして8〜10m位
でしょうか、とにかくタックタックなので、いつまでも景色が変わらない
  感じでして、、(^^;)、唯一救いなのは、晴天。。 後方に見える、神島が少しずつ、ほんと少しずつ小さく
  なるのが励み?? 外海初体験の新オーナー仲さんは、流石にダウンしバースで休憩。。とは言え、この波
  と船の挙動では、体を押さえているだけでも大変でしょうから、コクピットに居る我々より辛いかと。
  「これが、目的地が志摩方面だったら・・正に天と地の差とはこういう事?」などと会話しつつ、ひと波、
  ひと波と、越えて行く。。 

  赤羽沖に達する頃、風が益々強くなって来たので、夜の事も考えてジブをレギュラーからストームへチェンジ
  することに。 ハーネスラインを、ジャックラインにしっかり着けて、一瞬で数メートルは上下する船上で
  波を観ながら這うようにバウへ行き、これまたタイミングを見計らってジブを下ろし収納・交換。。
  う〜ん、やっぱりジブファーラーというのは便利なのねと痛感しつつ、船体が波間に落ちる度に体が浮き上が
  らないよう、しがみつく。。 
   ストームにチェンジしてからは、ヒールも適度になり、上り角度も稼げ安定して走る。。
  そろそろ疲れも出たので、オートパイロットをセットすることに。。 しかし、外海とは言えせいぜい5マイル
  沖程度(一応)では、想像していた波長の長い波では無く、せいぜい10〜15m程度の間隔なので、その
  間隔ではスッポリはまって波に揉まれてしまう
ので、ほんとに疲れる。。 沖だししたわけでは無いので、もっ
  と沖に出たら走りやすかったかどうかは不明ですが、ともかくお上が決めた沿岸5マイル以内というのは、どう
  なのよ!、などと文句も出つつ、スプレー浴びまくった頭や顔は、塩がふいてきてザラザラ。。
  しかし頭にくるのは、遠くに見える浜松の高層ビル「アクトタワー(地上45階建て)」。これが、地形の関係
  なのか、いつまで経っても越えられないような錯覚に!! タックする度に正面にこのタワーが見えて、「ったく
  どうなってるのよ。。」と思いつつGPSを確認すると、確かに少しずつ御前崎に進んでいる。。


  浜松沖にてついに日没、、少しずつ波風も落ちてきて、それでも相変わらずのタックタック、、助かったのは、
  またまた満月が顔を出しかなり明るいので、見通しが利くということ。。
  大東沖あたりで、風が殆ど無くなったので非力なエンジンのために抵抗になるメインを下ろして、ストームジブ
  のみにし、やっとタックから解放され残った波に向かって走る。。
  
  浜岡沖に近づく頃、本船航路にかなり近づいたのか、辺りは本船だらけになり緊張。。 出来る限り目立つよう、
  本船が近づいてくる度に、懐中電灯でセイルを照らしたりするも、こんなんで相手が分かるのかな?
  ただ、相手も御前崎が近いということなのか、我々をしっかり捉えている様子で、警笛を鳴らされる事なく、
  相手が先に針路を変えて行くので、我々はワッチのみでそこそこ安心して居られました。
  しかし、こんな時間(02:00頃か)なのに、本船は数珠繋ぎ、前から後からと、切れ目無くやって来るのは
  驚きでした。 やっぱり海運国家「日本」??

  波風が落ちると、次に襲ってくるのは「睡魔」でして、昼間は流石にローテーションを組み仮眠できる状態には
  なかったので、かなり眠い!! 当然のことですが、私と兵藤さん、同じ時間に眠くなる〜っ、、この時点で、
  当初考えていた2時間交代のローテーションをするのも何となくお互い気兼ねしてか出来ないので、コクピット
  で適当に「ちょっと眠いので、10分くらい寝ます、、」なんて言いながら、30分位爆睡したり、お互いに
  うとうとしたりという感じでして、、
  御前崎に近づく頃、兵藤さんも限界に達しバウバースで仮眠することに。 その前に私、30分位爆睡してたので、
  「大丈夫っすよ。休んでください」なんて言っておきながら、一人になったコクピットでは、あっという間に
  睡魔が襲い、知らないうちに爆睡していたようでして、本船のエンジン音で起きた兵藤さんが、キャビンから顔
  を出し前方を観ますと、ほんの100m先に作業船が横切って行ったとの事、、私目、全然気付かずコクピット
  で30分位爆睡してしまったようで、その作業船が通過した直後に目が覚めてゾッとする。。いやはや、誠に
  申し訳ないです。。

  02:30 やっと、本当にやっとの事で御前崎沖の変針点に到達、、う〜ん、朝の07:30に伊良湖を出た
  ので、遠州灘を越えるのに結局19時間掛かったわけでして、その内の16時間は、波をかぶりながら延々とタ
   ックタック、、 これ程までにタックしたのは当然初めてでして、、
   もう当分タックは嫌だね!!って感じでしょうか。。
  そういう事で、昼間は波かぶりっぱなしの為、携帯カメラを出せず写真撮れず。。やっぱり防水カメラが欲しい?



何だか怪しげな写真ですが、夜のコクピットで仮眠する兵藤さん、、


携帯内蔵カメラでもハッキリ写るほど明るい満月の夜。

 

  ■感動の駿河湾  

  御前崎の変針点を無事通過し駿河湾に入ると波風は嘘のように無くなり、 西の空には素晴らしい満月が!! 
  静かになった海面は月光に照らされて何とも言えない美しさ、かなり明るいので携帯内蔵カメラで一枚。
  この月光のお陰で、かなりの距離まで見渡すことが出来る。 駿河湾に入ってからも、多分下田沖から清水
  港や焼津港を目指す本船がガンガン向かってきますが、どの船も警笛など鳴らすことなくかなり早めに変針
  してくれ、むしろ昼間の三河湾の方がよほど危ないと感じるほどでした。

  04:30頃、東の空が明るくなり伊豆半島がくっきりと見え出す。 西の空に目を移すと、そこにはまだ
  暗く大きな月だけがぽっかりと浮いている、、調度我々の真上の空が夜と朝の分かれ目のように色が変わって
  おり何とも言えない素晴らしい空、(こういうのを何て言うんでしょう?) 駿河湾のど真ん中で、こんな
  体験をするとは、、一同、しばし言葉無く、ただただ感動。。まさにプライスレス!!
  そして、更なる感動が我々と風神を!!
  なんと、北の空には日本人の心とも言うべき山、そう「富士山」が姿を現してくれまして!!
  そして明るくなるにつれて、その姿がハッキリと、しかも裾野までしっかり見え、そうこうしてますと西伊豆
  の山々、愛鷹山、日本平、そしてなんと南アルプスまで姿を現しまして。。 いや〜、つくづく来て良かった
  、本当に良かった。。と、ただただ感激なのでした。。

  明るくなりますと、先程までの睡魔が嘘のように元気になり、ついでにオーナー仲さんも船酔いから復活し
  オーナーズベンチでご機嫌の様子!良かった良かった。 19時間もパンチングの続くキャビンの中で、船酔
  いに苦しみながら耐えてこられたのは、コクピットに居た我々よりも相当辛かったのでは。。正に拷問のよう
  な状況だったかと簡単に想像できるのですが、それでも弱音を吐かずただ耐えられた仲さんには脱帽でした。
  そんな姿に、仲さんのヨットに対する半端では無い気持ちを感じ、とても感心しました。
  という事で、当初は宇久須にでも寄って一泊、、と考えてましたが、天気も良いし順調なので、このまま北上
  することに。 途中、宇久須沖では鯖の大群が何十匹、いや何百匹もジャンプしているのを目撃したり、風神
  の下をm級のシイラが何匹も泳いでいたりと、流石西伊豆・駿河湾、水が奇麗! 土肥沖では駿河湾フェリー
  に遭遇し記念写真を!! 順調に進み、戸田にちょっと立ち寄って湾内を一周。。 その後は岸べたを走り、
  断崖絶壁を眺めながら、ついに大瀬埼を周り沼津・内浦へ。。 鏡のようになった海面には、逆さ富士が写り
  何とも言えない素晴らしい景色(こればっかりですが、、)を堪能しつつ、ついに目的地の目印でもある、
  旧フローティングホテル「スカンジナビア号」が見えてくる。。 いや〜、泊地も素晴らしい〜っ!
  羨ましい〜っ!! オーナー仲さんが、世話人の方へ電話されアプローチを確認。
  13:00 指定された桟橋に舫い、ついに到着〜っ!! 蒲郡を出港してから33時間30分、、終わって
  みれば、あっという間?終わりよければ全て良し! 素晴らしい旅でした!!


  今度は、絶対ラピタ号で来たいですな〜! おっと、その時は、横風から後の風にてお願いいたしますです!!
  


おお、夜が明けてきた〜!!


うっすらと富士山が!! 感動〜!!(分かりますか?)


南伊豆からの日の出!!


仲さんも元気になり一安心。

先程まで睡魔に襲われるも、日の出と共に元気な私。。

昨日の遠州灘とは大違いの、べた凪の駿河湾。

富士山も段々大きくなり・・のんびり気分に!!

ついに、池のようになって、、、

土肥沖、駿河湾フェリーが!

・・・・感無量でしょうか、、、

この時期には珍しく、富士山がいつまでも迎えてくれる。


仲さん、気持ちよさそう〜!!


戸田に寄って。。ここでも冨士山

素晴らしい〜っ!!

記念写真!

ついに木負が見えたっ!!

いやはや、無事到着〜っ!



舫われた「風神」素晴らしい泊地の木負(きしょう)

お約束の大宴会っ!って、食いきれないっ!!


でもって、翌日は・・・・

民宿で疲れを取った翌日、早速風神で練習を兼ねて戸田へ!!
皆、昨日の疲れは何処へやら、結局昼飯も食わず6時間セイリング。。
今日は、オーナー仲さんのヘルムで、セイリングを目一杯楽しむ〜っ!


今日は、オーナー仲さんがティラーを握り練習へ!!
しかし驚きは、泊地「木負」の美しさ。なんと舫っていた桟橋の下には鯛の群が!!
そして、堤防沖数十メートルで、なんとハマチの群を確認!! 羨ましいっ!


う〜ん、写真では今一ですが、かなり凄い景色なんですがね〜、、

風見を確認し、真剣にセイリング!!

かなり岸まで寄っても水深は数十メートル!!

真剣すぎて、ちょっと恐い感じのお二人??

「海のステージ」から。。ああ羨ましい泊地!!