悲運のギタリスト? ポール・チャップマン



ポール・チャップマン
マイケルシェンカーファンを自認する方なら1度は彼の名を聞いたことがあると思います。
マイケル失踪時そしてマイケル脱退後のUFOを支えた名ギタリストでありながらファンだけじゃなく
メンバーにまで過小評価されてしまったギタリストである。

おいおいピートよ、あんたずいぶんとひどいこと言うねぇ、自分のバンドにまで引っ張ったくせに


僕も「UFOのギタリストはマイケルでなきゃだめ!」と強いこだわりを持っていたため
名曲「TERRI」や「LET IT RAIN」の存在は知っていたもののチャップマン在籍時のUFOの音源を
聴くことはありませんでした。しかし我がマイケルは現在迷走を続けているのでちょっと浮気して
チャップマン時代のUFOに興味がでてきて・・・

「UFOはマイケルシェンカーが抜けたから勢いがなくなったと思っていない。」
と僕の大好きなスティーブ・ハリスも言ってることだし思い切って
チャップマン在籍時のUFOのアルバムを聴いてみたところ、どのアルバムの出来も素晴らしいのでびっくり!

こりゃみんなにも聴いてもらわなきゃということで今回の企画となりました。
すっかり前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。まずは彼のバイオからどうぞ!



1.チャップマンのバイオグラフィー
  
 チャップマンの生い立ちと経歴の調査結果を以下にまとめました。

・1954年6月9日 英国ウェールズのカーディフで生まれる。

・7歳でマンドリンを始め、10歳でギターを始める
・15歳の時、ゲイリー・ムーア擁するスキッド・ロウのオープニングを務めた際
 ゲイリーとのジャムセッションを経験、感激する。
・16歳の時、ゲイリーの後任としてスキッドロウに加入18歳までプレイ

・1974年UFOの名盤「PHENOMENON」がリリースされる際、UFOのボス、フィル・モグの
マイケルシェンカーとのツインギター構想によりUFOに迎え入れられる。

・UFOのメンバーとして何度かライブを行うが、マイケルが2人のギタリストが火花を散らす結果となり
 ナーヴァスになってしまい、結局解雇されてしまう。
・リーダーバンド ローンスター結成、アルバム「LONE STAR」('76)  「FIRING ON ALL SIX」('77)リリース
・UFOの「LIGHTS OUT」に伴うツアーでマイケルが失踪代役としてヘルプする
・UFOにマイケルが復帰して「OBSSESION」をリリースしツアーを行うが
 マイケルがまたも失踪し、脱退してしまったためUFOの正式メンバーとして再加入
・’79年5月にUFOの一員として来日公演を行う
・'80年アルバム「NO PLACE TO RUN」リリース(英11位、米55位)
 シングルYOUNG BLOODは英36位
・'81年「THE WILD WILLING INNOCENT」リリース(英19位 米77位)
 シングルLONELY HEART英41位
・'82年「MECHANIX」リリース(英8位 米82位)
・'83年「MAKING CONTACT」リリース(英32位 米153位)
・'83年UFOを支えてきたピート・ウェイの脱退もありUFOはついに空中分解

 その後ピートのバンド ウェイステッドに参加する等音楽活動を続けていたが
 近年はギターインストラクターや教則ビデオを製作したりしているらしい・・・


2.愛機(ギター)

  @GIBSON FIRE BIRD
    
    リアPICK UPはディマジオ製にリプレイス
    マイケルのVにはこのFIRE BIRDで対抗

  AB.C.Rich Bich10Strings
  
  ビデオ ヒストリーオブUFOでもプレイする姿がみられるメタリックなギター
  10本弦ではなくノーマルに6本だけ弦を張っていたようである。
  
  BGIBSON LesPaulCustom
   ピックアップを
   フロント ディマジオのSUPER DISTORTION
   リア ビル・ローレンスL-90XL
   にリプレイスしてたらしい(画像なし)

  Cアコースティックギター
   
   ミステリートレイン演奏時に使用



3.ギタープレイスタイル

  '70年代の多くのロックギタリストがそうであるように彼もまた
  ブルースの影響を受けている。名曲MYSTERY TRAINでそれは顕著にあらわれており
  トラッドなブルースフィーリングを取り入れている。その一方
  ギターテクニックは多彩で正直、技術的にもマイケルの上をいっているように感じる。
  NO PLACE〜、THE WILD〜ではマイケルを意識したような泣きのプレイが随所にみられ
  MECHANIXではメタリックに自由奔放に弾いている。MAKING〜では楽曲重視の
  プレイに徹しており、バンド側の要求に常に応えていたようにみえる。


4.ディスコグラフィー

ヘヴィ・メタル・エクスペリエンス
(NO PLACE TO RUN)
ワイルド/ウィリング/イノセント
(THE WILD WILLING INNOCENT)
メカニックス
(MECHANIX)
メイキングコンタクト
(MAKING CONTACT)
1980年 英11位 米55位 1981年  英19位  米77位 1982年 英8位 米82位 1983年 英32位 米153位
LETTING GO,MYSTERY TRAIN
YOUNG BLOOD収録
マイケルフレーバーを残しながらも
MYSTERY TRAINではブルージーな
フレージングを披露
当時大胆なオーケストラ導入ということ
で非難を浴びた問題作らしいが
今聴くとなぜそこまで非難されたのか
わかりません(笑)
名曲LONG GONE ,Profession Of
Violence収録
捨て曲なしの名盤
特にTERRIは必聴
名曲LET IT RAIN,We Belong
To The Night収録
ニールカーター色が強く全体的に
ソフトな印象。チャップマンは控えめ
ながらいい仕事をしてます。
When It's Time To Rock収録
おすすめ度: おすすめ度: おすすめ度: おすすめ度:

 

5.チャップマン VS マイケル
 
  チャップマンとマイケルどっちがうまいかを比較するなんて2人には

  失礼とは思いながらもUFOの名曲をマイケルがプレイしたバージョンと
  チャップマンがプレイしたバージョンを交互に収録した「SCHENKER VS CHAPMAN」
  という興味深いブートレッグがありましたので勝手にレビューしてみました。

曲名 ギタリスト :マイケル・シェンカー ギタリスト :ポール・チャップマン MAD AXEMAN 判定
1.TOO HOT TO HANDLE '77,6,1 BBC MAISA VALE SESSIONでのライブ
基本的にはレコード通りにプレイが
ギターソロでマイケル節炸裂
'81,3,13,CHICAGO AMPHITHEATREでのライブ
歌の間にオブリを入れたり存在感をアピール ギターソロもわかりやすいペンタ主体のものだが、
2番目、エンディングのソロでは乗ってきてマイケル
風味のソロ連発。ファンの熱気に後押しされてます。
4対6でチャップマンの勝ち
2.DOCTOR DOCTOR '74ドイツでのプレイ、チャップマンとのツインリード
イントロから火花バチバチ
ちょっとイントロのチャップマンのアルペジオへの絡みで
勢いが空回りするもの若さ全開の熱いプレイが聴けます。
'81,1,26 BIRMINGHAM ODEONでのライブ
UFOのライブで聴けるバージョンとほぼ同じ
フレーズにチャップマン風味が加えられ、
フィルとの掛け合いがあるものの新鮮さはあまりない。
定番ソングだから当たり前か

6対4でマイケルの勝ち
3.CHERRY '78,3月イリノイでのライブ
ソロ以外はレコードどおりのプレイ
ソロもそんな面白いわけでもない
この曲は個人的にあまり好きじゃないんで・・・
'81,1,26 BIRMINGHAM ODEONでのライブ
ソロ以外はほぼレコードどおりのプレイ
ソロもそれほど印象に残らない
まぁ元々この曲はあまり好きな曲ではないんで(笑)
5対5イーブン
4.ONLY YOU CAN ROCK ME '78,3月イリノイでのライブ
ギターはお決まりのフレーズです。
原曲よりテンポ速いので勢いがあります。
'83,4,15 HAMMERSMITH ODEONでのライブ
定番曲のイメージを崩さない程度にソロでは弾きまくってます。
4対6でチャップマンの勝ち
5.LIGHTS OUT '93,12,20ドイツでのライブ
これぞギターの神様という泣きまくりの強烈なソロを聴かせてくれます。
'81,3,13シカゴでのライブ
ちょっともったり感があるのはピートのベースの音のせいかなぁ。どんくさい感じがします。ソロはマイケルに比べフラッシーで
熱い。
7対3でマイケルの勝ち
6.LET IT ROLL '75 LONDONでのライブ
泣きまくってます。チャップマンより音数少ないせいか情感というか1音にこめる思いが伝わってきます。
'79,6,23中野サンプラザでのライブ
こっちはとにかく弾きまくり泣きまくりです。
5対5イーブン
7.SHOOT SHOOT '95,8,26クリーブランドでのライブ
円熟のプレイ安定してます。
'81,1,26BIRMINGHAM ODEONでのプレイ
ライブの最後の曲らしくノリノリでエンディングのソロは
もう弾きまくり

4対6でチャップマンの勝ち



6.チャップマン在籍時のUFOの名曲の数々
 
  ベスト盤作るとしたら僕の場合、以下のようになります(笑)

曲順 曲名 収録アルバム コメント
 1 ALPHA CENTAURI NO PLACE TO RUN チャップマン作の荘厳なインスト。LETTIN 'GOへつなぐ
イントロダクション
 2 LETTIN' GO NO PLACE TO RUN ギターリフがどこかで聴いたような感じもするけど(笑)
キャッチーでかっこいいハードロック。オープニングにピッタリ
 3 MYSTERY TRAIN NO PLACE TO RUN カントリーブルース調のアコギからはじまり途中から激しいエレキパートにチェンジ。チャップマン流ブルース
 4 WE BELONG TO THE NIGHT MECHANIX チャップマン時代で最もハードドライビングでノリの良い曲。
アメリカナイズされてもやっぱり明るくなりきれない。
 5 LET IT RAIN MECHANIX まずWE BELONG〜からのこの曲への流れが好き。
この曲はチャップマン在籍時の代表曲と言ってもよい名曲。
ギターリフ、キャッチーな歌メロ、そしてコーラス全て好き
(チャップマンは作曲者としてクレジットされてないが)
 6 WHEN IT'S TIME TO ROCK MAKING CONTACT MAKING CONTACTアルバムでニール・カーターに主導権を奪われてしまった
チャップマンの意地が感じられる曲ってとこでしょうか。全編チャップマンのギターであふれてます。
 7 TERRI MECHANIX 7曲目は名バラードのこの曲。チャップマンの泣きのギターが炸裂
 8 LONELY HEART TheWild,WillingAnd The Innocent キーボードのイントロ、ホーンセクションによる間奏ありといくつもの展開があり
単なるUFO印のいつものロックソングになっていないのが新鮮
 9 YOUNG BLOOD NO PLACE TO RUN なぜか牧歌的雰囲気がする曲。サビの部分のギターメロディがかっこいい。
10 Profession Of Violence TheWild,WillingAnd The Innocent ベスト盤の最後を締めくくるにはこの名曲です。チャップマンのギターには魂がないなんて言わせるものですか。このむせび泣くギターを聴いてくれ



7.チャップマンは本当に悲運だったのか?
  
   最後にチャップマンは本当に悲運だったのかな?と考えてみましたた。
   ギターの腕は超一流でありながらUFOのメンバー達に振り回され
   
個性ばかりを強烈に押し出すことができずギターヒーローになれなかったと
   ことはちょっと残念だったかも知れませんが


  @当時勢いのあったUFOのメンバーとして大観衆の前でプレイできたこと

   (ライブビデオでは実に気持ちよさそうに自由奔放に弾きまくっている姿がみられる)
  A英国でそれなりに成功をおさめたこと
  B4年間の長期に渡ってUFOに在籍し優れた4枚ものアルバムをリリースできたこと
 
  から考えると決して悲運ではなくむしろラッキーだったのではないでしょうか?

  まぁ悲運だったのはギタリストとしてではなくむしろ酒豪のフィル・モグに付き合わされ、
  マイケルと同様アルコール漬けにされたことだと思います(笑)。

  とにかくみなさん一度騙されたと思ってチャップマン在籍時のUFOのアルバムを聴いてみて下さい。
  きっと気に入ると思います。(でも気に入らなかったらごめんなさい)
  僕のおすすめアルバムは「メカニックス」です。


 もどる