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榎本寛之(TOSS淡路キツツキ)
要旨 図工の授業開きは「自画像」がおすすめです。とにかく、たくさん子どもたちを褒めることができます。
ここ数年、図工の授業開きで自画像を描かせている。新学期がスタートしたばかりである。
授業では、次の2点を心がけ指導するようにしている。
ほめること
励ますこと
ほめたり、励ましたり、声をかけるときの指標となるのが酒井式描画指導法4つのポイントである。
踏ん切る
集中する
良しとする
それを生かす
1.準備物
@八つ切り画用紙
Aコンテ(こげ茶が望ましい)
B鏡
C絵の具
2.下絵を描く(90分)
描く順番は次の通りである。
鼻→口→目→まゆ→あご→ほっぺ→耳→髪の毛→その他
(1)鼻を描く
指示 まず、鼻を描きます。鏡で自分の鼻を見なさい。実際に自分の鼻を触って確かめてみましょう。
小鼻のやわらかさ、鼻筋のかたさを触って確かめる。
指示 画用紙の真ん中より少し上に鼻全体を描きます。かたつむりの線で描くんですよ。
かたつむりがスタートします。よぉい、スタート。
なかなか描き始めない子もいるが、すでに描き始めている子を見つけ、ほめる。
「○○くんはもうかたつむりがスタートした。えらい。」
「○○さんの鼻の形、いい感じで描けている。」
「○○くん、集中して描いているから濃いしっかりした線になっている。」等、見回りながら声をかける。
失敗したと思い、不安そうにしている子がいれば、「集中して描いた絵には失敗なんてないんですよ。」と全員に話す。
描き終わった子の作品のいいところをどんどん紹介する。
(2)口を描く
指示 次は口を描きます。実際に触ってみましょう。上唇、下唇がありますね。
今日は大きく口を開けて、笑っている口を描きます。一度、みんなで笑って見ましょう。せーの、どん。
一人でもいい笑顔で笑っている子がいればほめる。
「○○くん、いい笑顔でしたよ。」2回、3回とやればかなり表情も和らいでくる。いい雰囲気の中で口を描き始める。
また、鼻を大きく描きすぎたり、小さく描きすぎたりした子がいれば、次の指示を出しておく。
指示 さっき鼻を大きく描きすぎたなぁと思う子は、口はちょっと小さめに、小さいかなぁと思う子は、口をちょっと大きめに描くとバランス良くなりますよ。
指示 上唇と下唇をちゃんと2枚描くんですよ。歯も見えますねぇ。一本一本ていねいに描くんですよ。
鼻の下と口につながった線を描いている子がいればほめる。
「すごい。○○さんは鼻の下の線を描いている。よく見ているなぁ。」
また、歯ぐきまで書いている子がいれば、大げさにほめる。
「すごいなぁ。○○くんは歯ぐきまで描いている。よく見ているねぇ。」
大きな口、小さい口、様々な口ができる。
「○○くんは大きくて立派な口ができました。」
「○○さんは小さいけど、かわいい口が描けましたねえ。」などプラス思考でほめていく。
(3)目を描く
指示 目を描きます。目の周りを触ってみましょう。目頭、目尻があるよね。
目玉をぐるぐるまわしましょう。目玉を真ん中に描くと、お人形さんのようになるので、右か左、上か下に寄せて 描きましょう。
黒目の中にある、瞳も描きましょう。
子どもたちの絵を声かけをしながら、見て回る。
「○○くんは目がちょっと離れているのがいい。」
「○○さんは、右と左の大きさが違うけど、そこがまたいい。」
「○○さんの大きい目、まるでそっくりに描けている。」
(4)まゆを描く
指示 今度はまゆを描きます。よーく見てごらん。こんなノリみたいになってないよねえ。あっち向き、こっち向き、いろ んな方向に毛が生えているねえ。一本一本ていねいに描きましょう。
一本一本ていねいに書いている子、少し上向きに描いている子、下向きに描いている子を見つけてほめていく。
(5)あごを描く
指示 次はあごを描きます。自分のあごを触りなさい。かたくて、ぼこっとでているよね。
まず、あごだけを描かせる。
つるりとしたあごにならないように声かけをする。
(6)ほっぺを描く
指示 さあ、いよいよほっぺです。ほっぺをさわってみましょう。ふっくらしているよね。つるりとしたほっぺにならないよ うに、ふっくら描きますよ。
かたつむりがスタートします。よぉい、スタート。
ほっぺは案外、集中力が途切れて、すいすい描いてしまいがちなので、もう一度、かたつむりの線で描くことを確認しておく。
「○○さん、よく見て、しっかりした線で描けています。」
「○○くんのほっぺ、ふっくらして気持ちいい。」
「○○くんのほっぺ、でこぼこしているのがいい感じ。」
(7)耳を描く
指示 次に耳を描きます。耳を触ってみましょう。耳たぶを引っ張りなさい。耳の穴に指を入れましょう。
耳が隠れている女の子もいるので、一斉に描くのをやめ、次の髪の毛の指示をする。
(8)髪の毛を描く
指示 髪の毛を触りなさい。髪の毛もまゆと同じで、一本一本方向をよく見て、ていねいに描きます。
ここで、今までの部分を大きく描けている子には、画用紙に全部を入れてしまわなくてもいいことを話しておく。
指示 髪の毛が全部入りきらない人もいるよねえ。画用紙からはみ出してもかまいません。
はみ出しそうな人は、紙をあてて、描けるところまで描きましょう。
(9)その他の部分を描く
ここまでくると、子どもも私も集中力が途切れてくる。描ける範囲で残りの首から肩そして服を描かせる。
特に服のチャックをよく見て描くように指示する。
3.彩色(90分)
(1)肌の作り方
指示 肌色を作ります。白と三原色(赤・青・黄)を使って作ります。
色の濃さは、コンテの線に色を塗っても、線が消えないくらいの濃さがいいのです。
では、たっぷり肌色を作ってみましょう。作れたら先生に見せましょう。
色の濃さの具体的な指示ができなかった。濃すぎず、うすすぎずであるが、若干うす目に作るように指示した。一人一人できたらチェックする。

指示 たっぷりの肌色ができたら、赤っぽい肌色、黄色っぽい肌色、ちょっぴり青っぽい肌色など3色以上の肌色を作ります。
3色できたら先生に見せましょう。
3色作れていたら良しとする。色作りは難しいので、できるだけ大げさにほめる。
「うわあ、きれいなな肌色が作れたねえ。すごいなあ。」
(2)髪の毛の色の作り方
指示 髪の毛色も三原色を使って作ります。肌色と同じで3色以上作ります。
あえて黒とは言わず、髪の毛色と言う。子どもたちは、かなり苦労する。それだけにオリジナルの髪の毛色が作れたときの喜びは大きい。
だいたい茶色系の髪の毛色、青紫系の髪の毛色ができる。
肌色の時と同じで、色ができたら大げさにほめる。
「いい色ができたねえ。○○さんにしか作れない色だね。」
「○○くんにぴったりの色ができたねえ。」
(3)塗り方
色作りができた子から、随時、色を塗らせる。
肌色の部分 → 髪の毛 → その他の部分
の順で塗らせた。
塗る前に次の3点を話しておく。
@できるだけコンテの線を踏まないこと。
Aできるだけ色を重ねて塗らないこと。
B3色以上の色を使い分けて塗ること。