素晴らしい明日を!
                                             中 山 博 迪    先日「なせば成る〜偏差値38からの挑戦〜」という本を読みました。これは37才の若さで横浜市長に就任した中田宏さんの自叙伝です。この本の中で、「自分は、学生時代は完全に落ちこぼれだった。」と述べています。そして「学校の成績は、人間を総合評価する数字ではない。それはある項目について所定の計算方式に基づいて、機械的にはじき出した人の序列だ。(当時は偏差値を重視した教育がさかんに行われていたのですね。)」そして、「試験のための努力は、頭に知識をつめこむことが目的。その結果としての知識をつめこんだ頭を尊ぶのなら、人間よりコンピュータの方がはるかに優れている。」とも言っています。


 そして終末の方で「問題は、そうやって詰め込んだ知識をどうやって社会に活かしていくかだ。その知識を活かすための知恵をみがくことが必要なのだ。人間性の伴わない頭のいいやつなど、僕から言わせれば最大の欠陥品だ。人間性というのは、自然と接し、人と接し、命の尊さを知り、人の心をおもんぱかれる経験を積んでこそ身に付くものだ。」と結んでいます。

 これからの人間に求められているのは、「与えられた問題を解く学習能力ではなくて、ものを新しくつくっていく力、クリエイティブなアイディアだ。」といわれています。私は、この本を読んでいて共感すること、そして感銘を受けることがいくつもありました。
それは、私自身が日ごろ思っていること、考えていることを見事代弁していただいたように思えたからです。

 今は「生涯学習社会」だと言われています。私は学校は最終目標(学歴のための学校)でなく、通過点に過ぎないと思っています。となると、知識の詰め込みももちろん大切ですが、それ以上に「学ぶ力」を身に付ける方が、はるかに重要になってきます。少しくらい暗記力が弱くても、悲観することはないと思います。それよりも「いつまでも学ぼうとする意欲や態度」を大切にしてほしいと願っています。もちろん「基礎・基本」(基礎学力)はおろそかにはできませんが・・・。
 新しい時代を創造し、築き上げていくのは、若くてエネルギッシュに満ちた皆さん一人一人です。
 卒業生の皆さん、困難にくじけず、夢と希望をもって、これからの人生を切り拓いてください。

                                        (平成16年3月号)