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のんちゃん 便り

115  2006年1月


あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

2006年を迎えて

2005年の年末は、私は1年或いは2年分の埃と格闘していて、望はすっかりテレビっ子になりました。紅白歌合戦もひたすら歌い続け()、夜更かしをしました。元旦は自宅でゆっくりとして、家族で初詣に行きました。今年がいい年でありますように!

望は、2学期は1日も休むことなく学校に通いました。鼻風邪をひき続けましたが、熱は出ず病院にも行かずじまいでした。鼻風邪をひくと気管支炎になり熱を出し咳が続いて、欠席が多かった1、2年生の時が懐かしいほどに本当に元気になりました。2学期には、運動会、修学旅行、作品展と行事が続きました。運動会も修学旅行も「のんちゃん便り」に書いたように楽しく元気に参加し、6年間築き上げてきた友達との関係を見せてもらった思いがしました。毎日友達と一緒に居続けた時間の大切さ、周りの大人達の見守る目の温かさ、そして、何より望自身のがんばりがこの関係を作ってきたと思っています。親は・・・何もしてやれていません。

望の近況をお伝えします。朝は7時前に自分で起き、ごそごそ布団から出てきます。服を着替えながら、「ガッコ」(学校に行く!)と確認し、それから「イッチニイサン」(体育がある?体操の掛け声)と確認します。顔を洗い朝食を食べ終わると、「ハン」(歯磨き)「フク」(服を着替える)と訴えます。歯磨きをして排便をします。自力での排便は未だできず、望を畳の上に寝させて、私がマッサージをしたり押したりして便を出します。これが腰痛の原因の1つだと最近感じています。左手は腱鞘炎のようにずっと鈍く痛み腫れています。でも、毎朝の習慣ですからあたり前になっていますが。望はといえば、う〜んとお腹に力を入れて踏ん張ることもなく、ひたすら「ン、ン〜」(ピンポーンという玄関チャイム)と言って、友達が来るのを心待ちにしています。6年生の始めまで望の朝食(30分間)と排便(20分間以上)の合間に、洗濯物を干し私の身支度をして遅刻ギリギリで学校に滑り込んでいましたが、1学期の終わりから近所の友達Oさんが毎朝誘いに来てくれるようになりました。玄関まで迎えに来てくれ、一緒に「行ってきまーす」。そして、途中でGさんの家に寄り3人で学校に行きます。

エレベーターで3階に上がり教室に着くと、今度は他のクラスメイト達が朝の準備をしてくれます。望と一緒に、教科書を机に入れランドセルをロッカーに入れ、連絡帳や宿題(たまにしかしませんが)を提出して、それから、「今日の予定」を確認してくれます。今日の予定は、ホワイトボードの1〜6時限と放課後までの枠に磁石を付けた記号カード(望はPCSという記号を使っています)を貼り付けるようにしています。まず、今日は何月何日何曜日とボードの上部に貼り付けて、それから「国語」「算数」「理科」などの教科のカードと、「理科」は「理科室」といった場所のカードを貼り付けていきます。それを見ながら、望はきっと「今日は3時間目に体育があるから楽しみ」とか「今日は音楽があるからがんばろ」とか、その日の流れを把握しているのです。赤い磁石を移動させて「今」を示します。導尿や給食開始には時刻がわかるように時計が貼ってあります。学校での導尿は私から離れ先生方の手に移りました。朝礼や児童集会の日は友達とグランドに行きます。保健係で、係り活動も友達と一緒に張り切ってやっています。日直係りも大好きです

授業中は友達と同じ学習をしたり、同じ教室の中で介助の先生と自分の勉強をしたりしています。カードを使って2語文や3語文を作ったり、言葉の使い方辞典で先生といろんな仕草をしながら言葉の勉強をしたり、簡単な足し算引き算や大小の勉強をしたりしているようです。でも、クラス担任の質問に皆と一緒に手を挙げたり、隣の友達が手遊びをしているのを注意したりとクラスの一員であることをいつも自覚()していて自分の勉強は後回しが多いようです。介助の先生が毎時間付いているわけではないので、放ったらかしになり欲求を訴えて、「うるさい」とクラスの男の子と喧嘩になったこともありました。望の周りの女の子達が反撃をしたようですが()。私はいじめは許しませんが、喧嘩は人間関係を育てるものだと思っています。望は先生が説明をしている時やビデオを見る時は静かに聴いているようです。担任の先生が「いじらしいくらいジーッと私を見て話を聴いている」とおっしゃいます。要求を出しているのに「静かに」させるのは酷なことです。クラスで話し合いをしてもらいました。それを知った望の友達(隣のクラス)が「のんちゃんは、うるさい時もあるけど、ほとんどだいじょうぶですよっ!!」とメールをくれました。「ほとんどだいじょうぶ」は、ずっと教室で共にいた子どもならではの感覚なのでしょう。すごい言葉だなと思いました。いろんなことがありながら、いろんな人間関係の中で、お互いに育って欲しいと思っています。

下校時は迎えに行き先生や友達と話します。時々、友達が「今日、行っていい?」と聞いて遊びに来てくれます。望は今でも昼寝をしています。学校で全力を出し切り、元気そうでも心拍120ですから体力は消耗します。昼寝の後、「宿題は?」と言うと寝たふりをしたり、食べる仕草(夕飯!)をしたりします。自分に必要(不必要)な言葉はよくわかっています。しぶしぶ勉強する日もあれば、断固拒否の日もあり。夕飯を食べ「ハン」、「オフロ」(風呂)「ダブトン」(座布団。風呂上りに座布団に寝転ぶので準備)と訴えます。21時頃就寝ですが、相変わらず夜中に起きてお茶を飲みます。休日には、電動車椅子サッカーに行ったり、「オトト」()が大好きなのでヘルパーと外出したりもします。日々や季節を繰り返し、その体験が望を成長させています。うらやましいくらいいきいきと人生を楽しんでいます。

今年、望は中学校に進みます。2つの小学校が一緒になります。どんな学校生活が待っているのか楽しみです。積み重ねてきた友達との関係、そして、隣の小学校に行っている保育所時代の友達が「中学に行ったらまた一緒だね」と声をかけてくれ、とても心強いです。心配なのは大人の方?中学校の先生方が望と面白がりながら関わってくださればいいなと思っています。本当に面白くてたくましい子ですから。「障害児だから」ではなく、「障害児なのに」でもなく、「特別」扱いでも「交流」でもなく、望が友達と「共に」過ごすために必要なサポートをして欲しいと願っています。



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