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のんちゃん 便り

第121号 2006年 8月
夏休み(中学編)

7月21日から夏休みが始まりました。小学校のように、いきいき教室(児童放課後事業・長期休暇中も運営)もなければ、プール授業もありません。「さあ、どうして過ごしましょう、山のような宿題をどうしましょう」と、私は頭を抱えながら夏休みを迎えました。1日3時間、4日間の補講はあっという間に終わり、あとは、部活動がたまにあるだけです(望は図書部)。その部活動も介助者が付き添わなければならないので、ヘルパーに自費で(制度は学校内では使えないため)頼むか、私が付き添うかしなければなりません。全ての部活動の日にヘルパーを頼めるほど、我が家は裕福でもなく、ヘルパーの確保も難しいのが現状です。

望の長い夏休み。ヘルパーとバスや電車で外出したりもしていますが、支給時間には制限がありますから、1回3時間程度の利用をたまにするくらいです。つまり、この夏休み、望のスケジュールは私のスケジュールでもあるわけです。望にバイバイと言われながら、中学生にもなってお母さんと一緒に過ごしたくないよねえと思いつつ、夏休みも半分過ぎました。既に母は疲れ気味です。

7月27日には、市の中学校の図書部の行事で、源氏物語を学ぶために宇治に行きました。望に学びはあったかどうかは疑問ですが、電車に乗って友達と出かけることができ、うれしそうでした。近くの私鉄の駅には階段しかないので、昇降機を利用することにしました。どんな乗り心地かと楽しみでしたが、昇降機の準備にとても時間がかかり、車椅子使用生徒が2名いたので、もう1人の生徒のほうが昇降機に乗りました。望は手押しの車椅子で参加したので、私が望を抱っこして、友達や先生に車椅子を抱えてもらって、階段を上がりました。昇降機より、人手で上げ下ろしした方が簡単で早くて、現実問題どの程度役立っているのだろうかと疑問でした。宇治では、宇治川の水が増水していて島には渡れませんでした。車椅子では島に渡るのは無理と言われていたので、望たちにとっては友達とずっと一緒に行動できてラッキーでした。宇治への行き帰りは、望の中学の皆が一緒に行動したのですが、解散場所の源氏物語ミュージアムから宇治駅に行く間、夕立にあいました。大粒の強い雨で皆濡れてしまいました。望を濡らさないようにと望に傘をさしかけるのに必死で、私もずぶ濡れでした。これもいい思い出になるでしょう。

8月1日は、うちのNPO法人のイベントで電車やバスに乗って出かけました。望の友達も2人参加してくれました。望の先輩の高校生も車椅子で参加し、障害者自立生活センターのスタッフも参加をして、ボランティア初心者の高校生大学生達と楽しく市営交通に乗って回りました。人数が多かったので、駅員さんがスロープを忘れることもなく、乗り降りや乗り換えはスムーズでしたが、最初のバスが渋滞で遅れ、昼ごはんが遅くなり、望は電車の中で「ごはん!」と訴えていました。高校生達は、ボランティア活動の実績()が、受験に有利だからと学校の先生に言われて申し込んだそうですが、動機はなんであれ、ノンステップバスやリフトバスの少なさに疑問を感じ、車椅子を順番に押しながら繁華街のスロープの傾斜が急なことに気づいたようです。大学生は「車椅子利用の3名の方と会ったけど、あたり前だけれど、皆さん違っていて、そして、みんな非常に楽しい人たちだった。今日は楽しい人と出会えて良かった。ボランティアはそんなに特別なことなんじゃないと思った」と感想を書いてくれました。

8月4日から6日まで、千葉に行ってきました。5、6日が先天性四肢障害児父母の会の全国総会でした。総会の会場がディズニーランドに隣接したホテルだったので、4日は1日ディズニーランドで遊びました。望は2回目のディズニーランドです。今回は、夜のパレードも見ました。でもやはり、望には楽しいところではなかったようです。乗れないアトラクションも多く、並んだのに「抱っこでは乗れません」と言われてがっかりすることもありました。ランチショーも登場人物(着ぐるみ)が怖く、パレードも握手に来られる度に体をのけぞらせ、乗り物に乗っても何か出てきそうだと思うのか怖がって顔を伏せています。望が一番楽しかったのは、メリーゴーランドでした。昼と夜の2回も乗りました。夫は「メリーゴーランドなら近所の遊園地で乗れるのに」とがっかりしていました。

5日は、総会の会場でボランティアに遊んでもらいました。夜の子ども交流会では、急遽、ゲストでいらしていたプロの方々と一緒にピアノ演奏をしました。砂田知宏氏のピアノ伴奏に、横山達治氏のパーカッションが加わり、ステキな「上を向いて歩こう」の演奏になりました。横山さんに「すごくリズム感がいい。これからが楽しみ」と誉められました。感動の演奏だったのに、夫は会社から緊急の電話が入り、写真撮影どころか、最後の部分しか聞けなかったようでした。6日は、大人が総会中、子ども達は葛西水族園に行きました。水族館も苦手な望ですが、父母の会の友達と一緒だったので、いつものごとく「あっち行くよ!」とか「早くおいで!」としきって張り切っていました。

8月8日は、図書部の校外活動で真田幸村や大阪夏の陣・冬の陣のことを学ぼうと、上町台地を散策しました。これも、私が同行しました。暑い日で坂道が多かったのですが、電動車椅子で行ったので少し楽でした。顧問の先生方は、車椅子だと地下鉄の乗り換えに遠回りをしなければならないことなどを下見に行って気づかれたようでした。

8月中旬からは劇団「態変」の稽古が始まりました。9月の公演に出演します。5年ぶりのエキストラ起用で、懐かしい顔に再会しました。どんな舞台になるのか、お楽しみに。

夏休みもいろんな人と出会っています。定期通院も夏休みにすることが多いですから、医師とも会います。会う度に対応が変わっていく医師達がいます。望に出会うということは、いろんな気づきに出会うことでもあります。たくさんの人が、望と出会って少しずつ気づいて変わってもらえたらと思っています。私自身も気づかされて変わっていく毎日です。

ひとこと

私は春からの導尿のための学校通いや中学校とのさまざまなやり取りからの心身の疲れが慢性の睡眠不足の体にひびいて、6月下旬から体調がすぐれず、7月に入って気管支炎&喘息気味と診断され、それが治ったら、膀胱炎になり、抗生剤を飲み続ける事態になってしまいました。次は、抗生剤の副作用でまた病院通いになりそうな予感です。

キャー、水がかかって濡れちゃったヨ〜

(グーフィーのクールパニック・ミニパレード)

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