押井からの脱却を果たした記念すべき一作
うる星5作の中で”No.1を選ぼう”と言う企画が有れば必ず上位にはくるが、前作の印象が強すぎてある意味損をしている。
宇宙からラムのインナースペースへと縮退した作品の流れが、逆に今度は時間までも超えた世界へと一気インフレーションした作品。お約束のようなドタバタで終わるラストは健在だが、ある意味ここは余計だったかも。
ストーリー
この物語は、図書室でのラムとしのぶの何気ない、次のような会話で始まる。
ラム >赤い糸?
しのぶ>そうそれはね、私たちの左手の小指には、誰でも目に見えない赤い糸が結ばれていて、ずーと延びたその先は、必ずある人の指に同じように結びつけられているというの。その赤い糸というのは、二人がどんなに遠く離れていても切れることが無くて、たとえ人混みの中ですれ違うほど近づいたとしても、決して縺れることはないの。そして私達はその相手の人と、もう生まれたときから結ばれることに決まっている、と言う言い伝えなの。
翌日の友引メルヘンランド開園日に遊びに行った、しのぶ、面堂、めがね達は、奇妙な物を目撃する。そしてサクラと錯乱坊は、おびただしい妖気を発する友引メルヘンランドに入れないでいた。そうこうする内に、あたるはピンクのカバに変えられてしまう。サクラと錯乱坊はカバに変えられたのは、何者かの呪いの為だと断定するが、肝心の呪いを掛けた人物は不明だった。そしてさらに今度はラムが浚われてしまう。
あたるは弁天、おユキ、ランの三人と呪いを掛けた人物を捜しに行くが、呪いを掛けた”樫の木森のおばば”は、呪いはキャンセルしたと言う。”樫の木森のおばば”が呪いの実行を依頼した”呪い事よろず引き受け組合”では、呪いそのものが行方不明となっていたが、呪いの探知機によると、確かにラムの周辺、つまりラムの故郷である鬼星に呪いが掛けられていた。そしてその呪いは、引き受け組合の責任者も見たこともないような、見事な呪いだった・・・・
「あの夜、空に消えていった三本の輝く軌跡を最後に
ラムやテンちゃん、その仲間達は友引町から姿を消した。
残された私達はみんな、誰も彼もがまるで祭りが終わった後のような
言いようのない寂しさを味わっていた。
けれど、祭りが終わればまたふつうの毎日が始まる。
テンちゃんやラムがいなくなっても日々は流れていく。
何日か後、あたるくんが人間の姿に戻り、早速ガールハント三昧の生活を始めた。
その頃から、私たちも、ラムのいない生活に少しずつ慣れていくように思えたのだが?
でも何かが違っていた!?
どうやら私たちは、緩やかではあったが、確実に今までとは違う時間の流れを
漂い始めたようであった。
たくさんの思いを紡ぎ合わせた夜、不意に私たちはまるで申し合わせたように、理解したのだ
もうラムは居無いのだと言うことを・・・・・・」
違う時間の流れを漂い始めたという傍証
1.しのぶの怪力が消えた
2.面堂がタコとコミニュケーションを取れなくなった
3.了子が桜とコミニュケーション取れなくなった
「そうして私たちは3年に進級した・・・・」
いつものようにガールハント三昧のあたるであったが、些細なことで指を切ってしまい流れる血を見て、不意にラムを思い出す。そして彼は、自分にはラムが不可欠であったことを悟るのである。
ここで、今まではあたるを物陰から見守る姿しか出てこなかったラーラが登場する。そして彼女は地球の時間連鎖が狂い、有ってはならない歴史を歩み始めていること。それを元に戻すには、ラムの存在が不可欠であり、またラムを取り戻すにはあたるの、ラムへの想いが必要不可欠だと諭すのであった。
そして数百年掛けて蓄えられた強烈な呪いと、ラムとあたるの戦いが始まるのであった・・・・・
私から一言
おそらく二十代前半以下の人たちは、何であたるが指を切ったか理解できないかもしれませんね。当時の缶ジュースは切り離すタイプの飲み口だったので、実際指を切りそうになることはしばしば有りました。こんな所にも時代が感じられます。
それと一つ、これからこの映画を見る人に忠告なのですが、彼女(彼)と一緒に見るのはやめた方がいいと思います。この映画をデートコースにした為に、分かれる羽目になったカップルがいたと噂されています。
声の出演
ラム>>>>平野 文
あたる>>>古川登志夫
面堂>>>>神谷 明
しのぶ>>>島津冴子
テン>>>>杉山佳寿子
サクラ>>>鷲尾真知子
錯乱坊>>>永井一郎
あたるの父>緒方賢一
あたるの母>佐久間なつみ
メガネ>>>千葉 繁
パーマ>>>村山 明
カクガリ>>野村信次
チビ>>>>二又一成
ルウ>>>鈴木一輝
ルウ(ピエロ/マジシャン)>>>岩田光央
ラーラ>>>島本須美
他
スタッフ
キティ・フィルム作品
製作:多賀英典
企画:落合茂一
脚本:金原智子
監督:やまざきかずお
作画監督:もりやまゆうじ/土器手 司
美術監督:小林七郎/新井寅雄
音楽監督:早川 裕
撮影監督:若菜章夫
音響監督:欺波重冶
音楽:ミッキー吉野
アニメーションプロデューサー:長谷川 洋