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「中学入試問題なので算数で解いて!」そんな感じでツチノコ氏より出題された。下の画像の赤色部分の面積。 正方形の中に内接する円と、1辺の長さを半径とする扇形とで形成されている。 なんとなく、算数で解けるんじゃないか!? と思わせがちな雰囲気だが、多分、算数じゃ無理じゃないかなと思うのだ。算数で解ければ(ある程度シンプルなら)、それが一番COOLな解法だと思うが、思いつかないので、思いつく中で一番綺麗な解き方を示してみる。面積なら、やはり、幾何だ。 下の図のように補助線を入れ、対称性に注目してやる。S3の面積が求まれば、その2倍が求める面積。 補助線の引き方にしても言えるが、学生時代、家庭教師をしていて、「その発想が出てこないし、分からない」と言われることがよくあった。個人的には思いつかない事がわからないのだが、アドバイスとしては「基本的な線を使ってみろ」と言うところか? 対角線、円の半径といった線は、その長さを初め様々な意味を持つ。無闇に交点を結ぶのではなく、意味のある線を引いてみよう。慣れれば、自然と最適な補助線が無意識で浮かぶようになると思う。 図中の線に色を付けて区別してみたのだが、緑色の線分はr、青色の線分はr/2、黄色の線分はr/√2 である。この情報は非常に強力かつ重要です。 図を良く見ると、「中心角αで半径が緑色の線分の扇形(大)」と「中心角βで半径が青色の線分の扇形(小)」がある。このへんも見落とさないように。 S3は 「 扇形(小) - S2 」であり、S2は「 扇形(大) - S1 」で求まる。 αとβはS1の三角形の3辺が既知であることから求まり、従って、この問題は解けるわけである。 ★ 実際に計算してみよう 図にグレーで示した三角形S1を先ず考える。 角αに注目して、余弦定理を適用すると、 更に角π-βに注目して余弦定理を適用すると、 以上から、α 、βは一意に求まり、余弦逆関数を用いて次のように表される。 S3 = 扇形(小) - S2 = 扇形(小) - 扇形(大) + S1 であり、扇形(大)(小)はそれぞれ、 従ってS3は、 求める面積Sは、 ★ 数値計算してみる で、r2の係数となっている部分は、計算機を使うと具体的な数値で出てくる。 やっぱり小数点以下無限。。。 とりあえず、40桁ほど数値計算させてみたのが↓ そんなワケで、1辺の長さを10cmとすると、答えは 14.638... (cm2) 数値計算は蛇足だが、こんな感じで幾何的に解くのが一番キレイなんじゃないかな? ボクが高校生の頃は、授業ではあまり取り上げないものの、幾何学のコーナーが教科書/参考書でけっこうさかれていた。化学者の故・福井先生が幾何を重視して、文部省かどっかに強烈に働きかけた為だったとか。福井先生が死去した途端、高校数学から幾何がバッサリ削除されたとの噂を聞いたが、本当かな?今の高校生はチェバの定理とかメネラウスの定理とかも習わないのかな? 幾何は数学的な美しさとか楽しさに触れられる身近で手軽な分野だと思うんだよねぇ。 【P.S.】 / TOP / 【補足】今回使った数学的知識:2つ ★ 余弦定理 ★ 逆三角関数(余弦) 尚、逆三角関数は余弦なら「 cos-1 」と書かれることも多いのだが、何だか「-1乗」と紛らわしいので「 arccos 」と表記するのがお薦めです。正接、正弦も当然同様。 / TOP / |