水平線・地平線までの距離って?


2001年8月某日、スエズ湾(エジプト)に行ってみた。カイロ等の都市・観光地とちがって物価も安いし素朴な感じで落ち着ける。 水平線を眺めノスタルジアに浸る俺に相方:岡D氏が呟く、

岡D氏:『地平線とか水平線って意外に近くらしいで〜。数kmの所やて〜。』

んん!?? マジか??? これは数理学的に解析せねばなるまい。 疑問の放置は不眠症に繋がるしの〜?


カイロに戻り、平和の象徴のハトを喰い、宿に戻ってから実際に概算してみた。『夏季休暇でエジプトに来たときまで数学ですか〜?』、などという突っ込みは入れてはイケナイ。

まず、視点・水平線・地球の関係を下の図のようにモデル化する。

ちょうど“水平線”になっている地点は“視点から地球表面に引いた接線に相当する”と考えて問題ないだろう。

地球の半径(地球を球体と仮定) 『光速は30万km/s、光は1秒間で地球を約7回り半まわる』ことから

地球の円周:2πR=(30万km)÷7.5

よって、地球の半径:R=6400km  であるとした(有効数字2桁と考えてね)。

 

“水平線までの距離”というと図の 赤い曲線の長さに相当する。これは高校の数学3と大学教養レベルで出てくる逆三角関数を理解しておれば楽勝である(解法Type.2)。 今回は旅先なので数値解を出すにあたり逆三角関数は少しマズイ。 とりあえず 黄緑の直線の長さを求めた(解法Type.1)。これも近似的に“水平線までの距離”である。これなら中学3年生でも楽勝である。三平方の定理だ。

視点の高さX は計算の都合もありとりあえず1.5mとする。つまり0.0015km


解法Type.1(概算) 〜中学生版〜

図の三角形部分が直角三角形になることに注目し、三平方の定理を適用する。 求める距離L1

( L1)2= ( R+X )2-R2 より

数値(R=6400 X=0.0015 )を代入してL1=4.38...

つまり、水平線までの距離L1は約4.4kmである。結構近いもんですな…。

 


解法Type.2 〜大学1回生版〜

・ 半径rの円で中心角θ[rad]の弧長L : L⇔rθ

・ cosθ=A  ⇔  θ=arccos[A]         

つまり、求める距離 (赤い曲線 の長さ)

関数電卓で数値を代入して計算してやると L=4.38...

やはり水平線までの距離は約4.4kmである。近いですな。

 


無論、解法Type.2の方が一般的に言う目標地までの距離を正確に表現しており、上の例では結果の数値は最初3桁は同じであるが、それ以下のオーダーまで見れば当然、解法Type.2の解の値の方が大きくなる。

 

結論

実際の視点はもう少し高いとしても
水平線までの距離はだいたい4.5km程のところである

思ってたより近いよね。

 


 この議論は見て解るように水平線までの距離を考える理論と概算に重点を置いているため、
  また仮定の関係で有効数字の概念は導入するのに問題があるのですが、
  『有効数字2桁ち゛ゃねえか?』との意見が出たため数値の一部を変えました。
  じゃ、「6366→6400」じゃなく「6366→6.4*103」じゃないか?という話になりますが勘弁してね…。
[追記]  「この議論の本質じゃないから有効数字の要望など無視しろ」との意見も出てきましたが、まあ、
     数値は単純な方が見やすいと思うのでこのままでいきます。気軽に見たってください。
[追記2]  「視点変わると水平線までの距離はどう変わるのか、数学苦手やしわからん」との声もあった
      のでグラフを追加

補足:視点と水平線までの距離、グラフ


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