●不凍液の種類と選定について
これからの寒い時期になると気になってくるのが不凍液の点検ですが、
最近ではホームセンターなどで数百円で売りに出ていますね(^_^;)
昔より随分お求め易くなってきている気がします。
が、
実際にはいろんな種類があるのをご存知でしょうか?
我がJ54Aもどきにも「不凍」「水有」「水無」のプレートが装備されていますが、
この頃の時代では最近のロングライフクーラントではなく、「不凍」の名の通り
凍結防止だけを考慮した不凍液(アンチフリーズ)が充填されていたものと思われます。
これはロングライフのように2年間とか使える物ではなく、1シーズンごとに交換すべき物です。
防錆能力や潤滑性向上などは狙ってなく、シンプルに凍結防止だけを考慮した物です。
冷却水って、一度交換すると滅多に濃度チェックなんか行なわないことがほとんどでは
ないでしょうか??見た目はきれいな色をしていても実は成分的には劣化しているかも
しんないですよ。LLCを入れっぱなしよりは、長持ちしないアンチフリーズを入れてシーズン
ごとに入れ替えてラジエーターを洗ってやる考えの方が良いのかもしれないですねぇ(^.^)
さて、その種類はというと...
●まず原料ですが、これはすべてエチレングリコールになります。
原油を元にしたナフサから製造される原料であり、不揮発性で高温時の濃度低下も少なく、
比重は重い為に濃度の判定が行いやすいメリットがあるため不凍液やクーラントの原料とし
て使われています。
よく雪中走行した時に雪にメロンシロップとしてかけて食う人がいますが身体には良くないです。
メロン嫌いな人はトヨタ系のイチゴシロップをお求め下さい。ちなみに自分はミックスが好きです。
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『不凍液の種類』
●AF
アナ●ファックではありません。(^_^;)
アンチフリーズの略です。
凍結防止機能を目的に古くから使われている不凍液です。
今や対象は限られて来ているかと思います。一部の重機関係?。
毎年シーズン前に交換する必要があります。
ワンシーズン毎に交換するので交換時期は半年です。
●LLC
おなじみ、ロングライフクーラントです。
アルミブロックエンジンも増えて来ており軽合金を始めとする多種金属の年間を通じて
の防錆・防食機能があり、凍結防止の他オーバーヒートの予防や潤滑性向上など
「多目的冷却液」として開発された液体です。
対象はオールマイティですが軽合金エンジンの多い乗用車が一番適します。
使用期間は2年が目安ですが新車時に充填している純正品などは3年持ちます。
長期間持つ製品はエチレングリコールの純度や添加剤の成分が異なるようです。
●DLC
これはちょっと特殊で、ディーゼルクーラントです。
その名の通り、ディーゼルエンジンに照準を絞ったものであり、LLCの特性にプラス
してディーゼルエンジン特有のキャビテーションの防止や長寿命化されています。
シリンダライナの腐食防止に効果があります。
| 原料 | 種類 | 主用途 | 主目的 | 凍結温度 | 防錆方法 |
| エ チ レ ン グ リ コ | ル |
AF アンチフリーズ (不凍液) |
バス・トラック 重機など |
凍結防止 | 同 一 濃 度 で は ほ ぼ 同 一 |
・酸化防止剤 ・アミン系防錆剤 ・ノンアミン系防錆剤 |
| LLC ロングライフクーラント |
ガソリン乗用車 ほか、全般 |
凍結防止 防錆防食 潤滑性向上 オーバーヒート防止 |
|||
| DLC ディーゼルクーラント |
ディーゼル車 重機 |
凍結防止 防錆防食 潤滑性向上 オーバーヒート防止 キャビテーション防止 |
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●ロングライフクーラントの組成について。
JIS規格ではエチレングリコールが約90%
添加剤が約5%.水分が約5%となっていますが....
・純正品とそれ以外の製品では添加剤の種類やエチレングリコールの純度自体が異なることが
多くありますので交換や補充時には異種を混ぜない方が良いです。
同じ緑色をしていても中に含まれる防錆材の成分が全然別物だったりすることがあります。
・色が鮮やかなので誤魔化されてしまいますが、鮮やかな色だからといって高性能なクーラントかと
いうと、それは無関係です。
バスクリンとバスロマンの違いって色で判る人いる???
これと似たようなもんです(そうなんか?)。
・例えば古い液を完全に抜かないまま新しいLLCを補充すると、錆水が残ったままになるので
せっかくの新しいLLCの防錆効果がフルに発揮できなくなってしまいます。
・ちゃんとドレンから抜いて、水道水でじっくりとコアを洗え、と良く言われるのはこの為です。
交換時には、サビ水を含め、古い冷却水は抜ききった状態で新しいクーラントを入れましょう。
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●防錆材の種類について。
・防錆材には国内では下記の2種類がありますのでこだわる人は購入時にキチンと選んだ
方がいいですよ。また北米や西欧では水質の違いに合わせて成分も変わります。
『アミンタイプ』・・・・・日本
アミン系防錆剤は各種金属に対して安定した防錆・防食効果があるようですが「高温時の
耐久性が劣る」弱点もあります。
高温時に液のバランスが崩れるとイオンが溶出してしまいキャビテ−ションの原因になり、
ウォーターポンプ・シリンダライナ・サーモのカバーなどの虫食いの原因にもなります。
アルミヘッドを含む各種材質のエンジンに使えますが、銅に対する防食剤であるチアゾール
やトリアゾールといった成分が消耗した時点でアミンによる銅の溶出が始まってしまいます。
一度溶出した銅がアルミや鉄の表面に電着してしまうと著しい腐食が始まります。
ちなみにラジエーターの材質は何ですか??
ジープの古いラジエーターのコアの肉が薄くなっているのは決して錆ではなくてこの銅の溶出
による痩せなんですね。
LLCが入っていても腐食を防止する成分が生きていないと意味無いんです。はい。
また、アミンタイプは自然界の亜硝酸塩と合成すると発癌性物質に変化することが知られており、
排水されたLLCが川を流れ、海に流れ、魚介類から人体に入ることで発癌性を人間が自ら増や
している事になります。
『ノンアミンタイプ』・・・・・日本
これは高温時の安定性が非常に優れており、防錆・防食効果のバランスも崩れにくいので銅など
の金属に対する防食効果も強く、イオンの溶出が発生しません。
これはノルウェーのアミン規制に対応する為に開発されたもので、リン酸やカルボン酸を主成分と
しているので消耗しにくくなっています。
ただしアルミシリンダーに対しての防食性能はまだ十分には確認されていない状態です。
『シリケートタイプ(ノンアミン)』・・・・・北米
シリケートとはアルミヘッドを含むすべての金属に対して優れる防食剤です。
しかし、クーラントの中では安定性が悪くゲル化して分離しちゃう弱点があります(まるでスライム??)。
一度ゲル化してしまうと再び溶けないので液の防食性能は低下しアルミに腐食が発生してきます。
このゲル化を防止するためにシリケート安定剤が添加されているようですが安定性をさらに長期化する
ことは困難なようです。
『ホウ砂タイプ(ノンアミン)』・・・・・西欧
西欧は水質が悪く、硬水なのでリン酸を成分とするとリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムなどが
発生してしまい固着・目詰まりの原因になります。
このため、ノンリンタイプとせざるを得ないことと、PH緩衝力を持たせるためにホウ砂を混ぜていますが、
ホウ砂はアルミへの腐食作用があるのでアルミエンジンの高負荷運転には不向きとされています。
| \ | アミンタイプ | ノンアミンタイプ | |||
| 日本 | 北米 | 欧州 | 日本 | ||
| 主要 添加剤 |
アミン リン酸 チアゾール トリアゾール |
シリケート リン酸 チアゾール トリアゾール |
ホウ砂 シリケート チアゾール トリアゾール |
リン酸 カルボン酸 チアゾール トリアゾール |
|
| 性 能 |
耐久性 | × | △ | × | ○ |
| 問題点 | 銅溶出によるアルミ や鉄の電蝕。 銅合金の応力腐食 亀裂 |
シリケートが消耗した場合のアルミの腐食発生 | アルミ伝熱面の防食 不足やシリンダヘッドの虫食い。 キャビテーションの発生。 シリンダライナの劣化 |
アルミに対して伝熱面の防食性が確認不充分 | |
●まとめ
いろいろと細かいこと書きましたが、管理上の注意としては
1.交換時にはラジエーター内をよく洗いましょう。
2.冷却水量の30%(地区により判断)を目安にLLCを注入しましょう。
3.希釈は必ず水道水を使用しましょう。硬水は固着するので駄目です。
4.定期的に濃度チェック(見た目の色では無い)を行ないましょう。
5.他銘柄のLLCとは混ぜないようにしましょう。成分が違うかもしれません。
6.抜くときは必ずドレンから完全に抜き、水道水を流したままエンジンを回して
十分に古い冷却水をフラッシングしましょう(錆を完全に抜く)。
たかが冷却水といえど、成分が劣化してるとエンジン内部からジワジワと金属は犯されてくるぜぇ(^_^;)
気が付いたときにはコアの肉はシャブシャブ肉のように薄っぺらになりウォーターポンプもガッタガタ..
ってことにもなりかねないのよん。
よく、ラジエーターの漏れ止め剤が売ってるけど、応急的にはまだしも継続使用はお薦めしません。
そういうの使う人に限ってLLC自体に無頓着だったりする事も多いのでは?
漏れる場所にもよるけど、コアが腐って漏れているのだとしたらそれはLLCの防錆効果が無いから
腐食したんだな、と認識して長い目で見て冷却ラインをケアしてやる必要があります。
金属を絶えず液体に浸けておくのが冷却ラインなのですから....
ボディをいつも雨ざらしにしてるのと意味は同じですよ!!(^。^)