☆応急処置マニュアル☆

〜基本的な事ばかりだけど、覚えておけばいざという時、落ち着いて処置ができます。重要なことだけを集めたつもりなので、しっかり覚えてください。〜

初めに

ABC

こんな時

各論

出血

捻挫

脳振盪

熱射病

 

はじめに

もしあなたの目の前に急な怪我や病気の人がでたとき、適切な処置をする事で怪我や病気の具合を軽くする事ができます。応急処置と言ってもただの怪我から生命にかかわるものまで様々なものがありますので、全てを記す事はできません。ここでは、最も基本的な応急(救命)法と、バスケ時に起こりやすいものに対する応急処置をまとめてみました。もっと詳しく知りたい人はこのへんか、検索ページで探してみてください。

応急処置のABC

応急処置で最も最初に行うのは、その人に意識があるかどうかです。この際、決してカラダを揺さぶったりしてはいけません。大声で名前を呼ぶか、手足を軽くつねる等で調べます。

もし意識がない場合、つまり心臓麻痺や窒息など、呼吸や心臓が止まっている人に対しては、一刻も早く人工的に蘇生させる必要があります。その場合、次の言葉を覚えておいてください。蘇生はこの方法、順番で行います。つまり、まず呼吸をしているかどうかを確かめ、していなければ“A”を、それでもダメなら“B”を、次に脈を計り、感じられなければ“C”を行う、と言った感じです。もちろん、他に出血等がしていればそれを止める事も必要になります。

ただし、この蘇生法は1歩間違えれば危険なものともなるので、しっかり勉強しておいてください。自動車学校や、消防署などで体験講習できると思います。

A→AIRWAY=気道の開放
B→BREATHING=呼吸の回復(人工呼吸)
C→CIRCULATION=血液の循環(心臓マッサージ)

A:気道の開放⇒気道とは空気の通り道のことで、失神状態に陥ると、舌のつけ根がのどの奥をふさぐため、呼吸ができなくなります。そこで、頭を強く後ろへそらしてやると、舌のつけ根が前方に引かれてすき間が生じ、空気の通り道を確保することができます。これを「気道の開放」と言います。多くの場合、これだけで呼吸を回復します。

B:人工呼吸【図】⇒気道を開放しても呼吸が回復しない時は、直ちに人工呼吸に移ります。良く知られているのは“マウスートゥーマウス”です。相手の気道の開放をしながら、鼻を自分の手で、口を口でふさぎ空気が漏れないようにして呼気を吹き込みます。患者の胸が膨らむかを確認しながら、3〜5秒に1回(1分間に20回)吹き込みを反復。1回に吹き込む量は深呼吸の半分くらいで十分です。

C:心臓マッサージ【図】⇒数回の吹き込みを行っても、回復の徴候がなく、頚動脈に脈が感じられず、瞳孔の反応がないときは外部から心臓を圧迫して、血液の循環をはかる必要があります。これを「心臓マッサージ」と言います。やり方はちょっと難しいので、図を見てください。必ず人工呼吸と一緒に行います。

 

こんな時どうする?

緊急時に起こり易い状態について、どのように対処したら良いかを簡単にまとめてみました。参考にしてください。もちろん応急手当だけで治るものではありません、危ない時はもちろん、何とも無いと思われるときでも、一刻も早く救急車を呼ぶ、医者にかかるといった事が重要です。

1.どのようにその患者を扱うか

突然怪我や病気が起こると、とりあえずそこを動かそうとしたり、患者をゆすったりしてしまいますが、それは絶対に止めましょう。大まかに言って次のように、症状と取るべき処置は決まります。

(a)顔面が紅潮している時 → 頭を高くする。
(b)顔面蒼白の時 → 頭を低くする。
(c)腹部に外傷が見られる時 → 当然まず止血をし、膝を曲げ、体を起こして腹部の緊張をとる。
(d)嘔吐した時 → 窒息を防ぐため顔を横に向ける。
(e)その他の場合は水平に仰向けに横たえ、むやみに動かさない。

2.頭を打った場合

まず意識があるかどうか確かめましょう。この時、決して患者を揺さぶったりするのではなく、名前を呼んだり、手足を軽くつねったりする事で確かめてください。

(a)意識がある場合⇒自分の名前や、日付などを質問し、正確に答えられない場合、または頭痛や嘔吐、痙攣などがある場合は、すぐに脳外科医にかかりましょう。一過性の軽い頭痛のみなら様子を見て、数時間経っても痛みがひかない様なら医者に行きましょう。


(b)意識がない場合⇒名前を呼んだり、つねったりしても意識が戻らなかったり、またはすぐにまた寝てしまう場合などには、すぐに救急車を呼びましょう。患者は決してゆすったりせず、呼吸をたしかめ、嘔吐物があればカラダを横に、無ければ水平、仰向けにして救急車の到着を待ちます。この時、冷静に救急隊員に何があったのか、そして今どういう状態なのかを告げる事が非常に重要です。

(例)今、バスケをやっていて頭を強く打って1分ほど意識を失っていました。大声で呼んだり、手足をつねったりすると目を覚ますんですが、すぐにまた目をつぶってしまいます。いびきはかいていません。呼吸は1分間で20回ほど、脈は一分70回ほどで、乱れはありません。

各論

バスケをやっていて起こりやすい疾患に対する応急処置の仕方をまとめています。意外と間違った知識を覚えている場合も多いので、ここでしっかり覚えておいて下さい。

出血(鼻血も含む)

怪我などで出血がある場合、一般的には止血・消毒を行います。重要なのは、“するべき事”と“してはいけない事”をしっかり覚える事です。

1.消毒 ⇒ 傷口は水で洗い流し、決してこすってはいけません。もしなにか異物が傷口に入っていた場合、大きいものならそのまま、小さいものは新たな出血に注意して取り除きます。マキロンなどの消毒薬は良いけど、軟膏を塗るのは止めましょう。傷がふさがなくなります。また、傷口にはガーゼを当て、包帯を巻きましょう。決してちり紙や脱脂綿をそのまま当ててはいけません。

2.止血法 ⇒ 止血部に消毒ガーゼを強く当て、止血部を心臓よりも高く上げます。それでも止まらない時は傷口より心臓に近い方の、脈を感じる所を少し押さえていましょう。血が止まったら、包帯を多少きつめに巻いておきます。先の方が冷たくなったり白くなってきたら強すぎなので、やや弱めてください。

3.鼻血の対処 ⇒ まず椅子などに座り背を伸ばし、頭をまっすぐにします。よく上を向くといい、と言いますが、これだと血を飲んでしまうのでいけません。また、首の後ろを叩くのも刺激になるのでいけません。 出血には鼻に紙を詰め、小鼻を押さえて下さい。それども止まらない場合には氷などを鼻に当て冷やします。出血が収まっても2−30分はじっとしていましょう。

捻挫(打撲、突き指や肉離れも含む)

一般に捻挫や突き指などいわゆる“腫れる”疾患の応急処置にはRICE法”という方法を使います。“R”はREST=安静、“I”はICE=冷却、“C”はCOMPESSION=圧迫、“E”はELEVATION=高挙をそれぞれ表します。この方法は非常に重要なので、ぜひ覚えてください。

1:R(安静) ⇒ 怪我をしたらまずその場所からなるべく動かさず、患部を休ませます。ムリに動かしたりすると、後遺症が残りやすくなります。

2:I(冷却) ⇒ 次に痛めた部分を冷やします。氷をいれた袋がベストですが、無いならバケツに水を入れるか、コールドスプレーで患部を冷やします。この時、15〜30分は冷やしつづけた方が良いでしょう。冷たすぎる場合はタオルなどの上から冷やしてください。

3:C(圧迫) ⇒ 患部をやや強めに包帯などで巻きます。もちろん冷やし続けてください。また、もし指先がしびれたり、白くなっている時は強すぎなので、やや弱めてください。

4:E(高挙) ⇒ 患部を心臓より高くする事により、余分な血がたまる(内出血)を防ぎます。これはその日一日は続けてください。足なら座布団やクッションで患部を持ち上げて座っていると便利でしょう。

ねんざ

バスケで起きやすいのはおもに足首と膝のねんざです。ひどい時には靱帯の断裂や骨折の可能性があるので、痛みがひどい時、ねんざをした時になにか“音”を感じた時等は応急処置をした後に必ず医者に行きましょう。また、何でも無いと思っているときでも医者にはいった方が良いと思います。

1.足首 ⇒ 足首のねんざをした場合、すぐに靴を脱ぎ、前述の“RICE法”を行います。氷をいれた袋で冷やすか、水を入れたバケツに足を突っ込む、あるいはコールドスプレーで冷やすといった方法がありますが、冷やす時間、高挙する事を考えると、氷をいれた袋がベストです。スプレーの場合、患部がピンク色になるくらいまで冷やした方が効果的です。最低15分から30分は冷やしつづけましょう(冷やしすぎて凍傷にならないように気をつけて)。次に痛めたくるぶしにスポンジやハンカチのような柔らかいものを当て、包帯やテープをややきつめに巻いていきます。この時、包帯は体の端から中央に向かって巻くようにしましょう。その後、座布団などを脚の下に置き、心臓より高くして休ませます。冷却は続けてください。また、基本的には医者にかかった方が良いと思います。痛みはすぐに抜けても、クセになる事もあります。

2.膝 ⇒ 膝の場合も基本的には同じです。RICE法をしましょう。ただし、膝の場合、包帯は関節から巻き始め、上、下と8の字に遠くへ向かい巻いていきます。また、膝は靱帯断裂を起こしている場合が多いため、たとえ痛みが無くても医者にかかりましょう。

打撲・肉離れ・筋肉痙攣

太ももなどを強くぶつける打撲や激しい運動を急に行った時に起こる肉離れの際にもRICE法は有効です。基本的には同じやり方で結構です。また、いわゆる“つった”時にはRICE法は必要ありません。普通つるのはふくらはぎですが、そのような場合は足を伸ばして座り、つま先を体に向かってゆっくり押し、ふくらはぎの筋肉を伸ばすようにします。その後痛む部分を10秒くらい強めにマッサージし、それを繰り返します。

突き指

これもバスケでよく起こる疾患ですが、ほうっておくと指の変形を生むので、早めのRICE法を心がけましょう。まず痛めた指を15〜30くらい冷やします。次に指を伸ばし、割り箸や鉛筆などで副木代わりにし、ややきつめに包帯で巻きます。その後指を心臓よりも高くしたまま冷やしつづけてください。

脳しんとう

転んだり、頭にボールが当たったりして、気を失うのが脳しんとうです。5分以内に意識が戻れば心配ないときが多いのですが、もし、5分以内に意識が戻らない場合、または戻っても意識障害がある場合にはすぐに救急車を呼びましょう。
脳しんとうの手当てとしてはまず倒れた場所から決して動かさず(もちろんゆすったりせず)仰向けに寝かせ、氷を入れた袋などで頭を冷やします。もし嘔吐が見られる場合には体を横にし、嘔吐物がのどに詰まらない様にします。意識を調べるため、声をかけたり、腕などをつねったりします。決してゆすらないで下さい。意識が戻っても、30分以上はそのまま休ませるようにしましょう。“こんな時は”の項も参照してください。

熱射症(日射病)

あまりの高温下での運動中、体温調節ができなくなり、意識消失等を起こすもので、日光によるものを特に日射病と言います。室外だけでなく高温多湿の体育館内などで起こり得ます。最悪の場合死亡する事もある恐ろしい疾患なので、十分注意しましょう。予防として水分や休息を十分に取る必要があります。
症状としては汗が出なくなる、体温の急上昇、意識消失などで、このような場合、まずは涼しい場所に移し、衣服を緩め、頭、首、わきの下、足の付け根に氷のうを当てて冷やします。この時、意識がない人に無理やり水を飲ませてはいけません。意識が回復したらスポーツドリンクや水を少量づつ大量に飲ませます。もし意識が回復しない場合や体温が異状に高い場合にはすぐに救急車を呼びましょう。もちろん、意識が戻ったからといってその日は運動するのは止めましょう。
また逆に熱疲労と言って、からだの体温が下がったり、貧血状態になる疾患もありますが、この場合は涼しい所で汗をよくふき、その後毛布などで体をくるんで安静にし、スポーツドリンクを飲ませましょう。