もんもこの木
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もんもこの木が、目を覚ました時、 どこまでも広がる大地の上には、何も無く ただただ空が広がっているだけだった。 ひざを抱えて座り込んだ。 自分の温もりだけが、感じられるすべてのものだった。 |
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どれぐらいの時間を一人きりで過ごしてるんだろう? 顔にあたる光が変わり、雨が髪を濡らすこともあった。 星が砕けて散っていくのも、何度か見た。 「さみしい。ひとりぼっちは、もういやだ。」 もんもこの木は思った。 |
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もんもこの木は、目を閉じて考える。 自分と一緒に居てくれる優しい生き物のことを。 言葉を微笑みを返してくれるような賑やかな 生き物を... 例えば、たとえば、タトエバ... やわらかな、ちいさな、くるくると飛び回る... ももんが!? |
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そして、 本当に、ももんがが現れた。 くすぐったいような、はじけるようなおしゃべり。 初めて聞く笑い声。 もんもこの木は、驚いた。 でも、それより何よりも嬉しかった。 |
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後から後から、ももんがは現れた。 最初は心地よかったももんがの笑い声も どんどん数が増えるにつれて、やがて雷鳴のように 大きくなり、さらに泣き声や喧嘩のうなり声も 混じるようになった。 そして、 数え切れないほど増えてしまったももんがは、 街を作り自分たちだけで暮らしはじめた。 |
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一人のときは、あんなに寂しかったのに。 賑やかになりすぎると、今度は、それが煩わしくなった。 「がまんできない!! いやだ!!」 もんもこの木は、叫んだ。 |
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すると、誰もいなくなった。 吹き抜ける風の音の他には、何もなくなった。 もんもこの木は、また一人きりになってしまった。 自分の思った通りに... 「さみしい、たよりない。足元がすかすかする。」 |
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そう感じたとき、もんもこの木は、 そっくりそのまま、すぽんと抜けてしまった。 さっき、頼りなく感じたのは、足が大地から 離れていく感じだったのかもしれない。 |
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そんなことを考えている間にも、もんもこの木は 大地を離れてどんどん落ちていった。 自分の居た世界が、遠くなり小さくなっていく。 もんもこの木は、怖くなった。 |
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落ちていく間にいくつもの世界が見えた。 自分が、どこから落ちてしまったのかもわからなくなった。 「このまま、どこへたどり着くこともなく ずっと落ち続けていくんだろうか...」 |
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その時、 もんもこの木の前にひゅるひゅると投げ輪が飛んできた。 思わず握り締めると、 今度は、ぐいっと引っ張りかえしてきた。 そして、少しずつ、ゆっくりと引かれはじめた。 |
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「どうなってるんだろう?」 もんもこの木が、ロープの先を見ると... 遥か遠くの小さな大地に、たくさんのももんががいた。 皆で一生懸命にロープを引っ張り、もんもこの木を 取り戻そうとしている。 |
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もんもこの木は、泣きたくなった。 怖かったから 悲しかったから 助けてもらえて嬉しかったから。 そして、何より助けてくれたのが、あの自分の ももんが達だったから。 |
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もんもこの木は、ももんがと一緒に座り夕日を眺めている。 今度は、二人とも何も言わずに黙ったままだけど、 二人の顔には、満足そうな微笑みがあった。 |
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ももんがは、もんもこの木の種をまいた。 大地には、もんもこの木の森が広がった。 そして、 もう、もんもこの木は一人じゃない。 ももんが達がいる。 皆の上を優しい風が、子守り歌を歌いながら流れていく。 いつまでも、いつまでも... |
FIN |
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