マックと古典研究(マックでギリシア語 3)

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4. マックと古典研究

4.1 TLGの正しい使い方

既に2.2.2で述べたように、TLGは古代のギリシア語のテキストデータベースで、現在、Version DがCD-ROMなどの媒体で提供されています。このヴァージョンでは、古代のギリシア語テキストとして確認されるもののうち、約三分の二が収録され、現在最終段階にあるVersion Eでは、すべての古代のテキスト、中世の若干のテキストが収録されることになっています。データそのものは作者、作品とその場所についての情報が付加された、βフォーマットのテキストで、SGreekフォントと同じコード体系を用いています。ただし、本来のβフォーマットでの約束に従い、すべて大文字で記入されています。

TLGのギリシア語を読みとり、検索するには専門のソフトを使う必要があります。マックの場合、代表的なものはPandoraSNS-Greek and Latinという二つのソフトで、最近まで実用になるのはPandoraだけだったのですが、最近、SNS-Greekがヴァージョンアップし、TLGのIndexを改良した独自のIndexとともに発売されました。こちらが実用的に使えれば、よりスピードアップした検索が可能になるはずですし、作品毎のテキストを生成する機能と並んでPandoraに対抗する選択肢になりうるのですが、現在の所まだ検証できてません。

さて、Pandoraにせよ、SNS-Greekにせよ、基本機能はほとんど同じで、TLGのCD-ROMに収められた任意の作家、テキストの検索です。どちらもCD-ROM全体にわたる検索、任意の作者、任意の作品の中での検索、作者を時代やジャンルで限定した上での検索が可能です。また、近接度を指定したブール代数的検索条件も用いることが出来ます。

プラトン(あるいは五世紀の哲学者)の作品の中で、mimhs-という文字列が含まれている単語が、poihs-という文字列が含まれている単語の近くに見いだされる例がどれくらい存在するのか、などと言った検索が可能になります。

ただし、TLG検索ソフトは、いずれも、アクセントを無視した検索は可能なものの、純粋な文字列検索ソフトなので、特定の単語のmorphological analysisを行なってはくれません。従って、プラトンにおけるmimhsiVmimeisqaiのすべての変化の用例を探し出す、という目的のためには、変化形をすべて想定し、何度か検索を繰り返さねばなりません。そこにはある程度のこつが必要です。慣れれば(あるいは単語によっては)これはそれほど難しいことではありません。

でも、Perseus 2にそのCorpus全体が収められている作家の場合、こうした検索のためにはPerseus 2を用いた方が便利でしょう。Perseus 2ではそこに収録された作品のすべての単語について、原形からの検索が可能です。

4.2 TLG以外のソフトウェア、WWWサイト

もう一つ、古典研究のための不可欠のソフトとして、DCBがあります。DCBは Année Philologiqueのvolume47-58(1976-1987)に紹介された古典に関する著作のデータベースで、TLGが一次文献用のデータベースであるのに対し、二次文献用のデータベースです。論文・著書の著者名・タイトルで検索できるほか、 Année Philologiqueの紹介文全文、出版社など、およそ考えられるすべての検索キーが用意されています。特に、TLGで作者に割り当てられたジャンル名、出身地名での検索も便利かも知れません。また、抽出したデータはテキストファイルに書き出すことができ、適切なフィルタを通してEndlinkなどの文献データベースソフトに取り込むことが出来ます。

このソフトは頻繁なヴァージョンアップを予告していましたし、特に47巻以前の情報の収録が望まれているのですが、現在の所、ヴァージョンアップは出ていません。マック版の処理に問題があるらしく、あるいはウィンドウズ版が先にヴァージョンアップされるかも知れません。一応、第二版は45-60(1974-89)巻までをフォローする予定のようです。

より最近の文献を調べたいならば、TOCS-INというWEB-SITEに行くことが出来ます。このサイトは1992年以降の古典に関する雑誌論文の著者・タイトル・雑誌名・刊行年・ページを列挙したデータベースが収められている所で、サイト上で検索もできますが、ファイルをダウンロードしてしまう方が便利でしょう。このサーバでのTOCS-INのファイルは古典・考古学・宗教及び中東研究・その他・新着に分かれていますので、自分のマックに関連するジャンルのファイルをコピーして、一つのテキスト書類にまとめてしまいましょう。あとは、エディタの検索機能を使えば良いでしょう。この際注意すべきは、TOCS-INの本文では雑誌名が略称になっているので雑誌一覧も一緒にダウンロードしなければならないということです。

Année Philologiqueとならんで包括的な古典関係の書評誌に、GNOMONがあります。その全文検索可能なサイトがこちらにあり、1995年以降が中心ですが、それ以前のGNOMONの書評もかなり収められています。また、1920-1995までのGNOMONの記事のデータベースが今年CD-ROM化される筈です。ただし、ドイツの出版ですから当然PC専用で、MACで動かすにはSoftWindowsなどが必要になるでしょう。

インターネット上には、古典研究にかかわるWWWサイト、メイリングリスト、ニュースグループはたくさんあります。そうした多くの情報を一覧するにはMaria C. PantelliaのElectronic Resources for Classicists: The Second Generation が最良でしょう。また、古典に関する特定のテーマについての情報を検索したいなら、古典専用の検索エンジンArgosを利用しましょう。ちなみにこの検索エンジンでPhilodem*を検索してみたところ、直ちに、Philodemus Project Home Page を含む31のフィロデモス関係のサイトを表示してくれます。

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