ギリシア語とパソコン2005


05.06.30更新

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北野研究室へ

マックでギリシア語を扱う方法を書いたページをアップロードしてからもう六年も経ち、さすがに殆ど意味がなくなってきました(あるサイトでは、「古い」と批判されてしまいましたし)。古典ギリシア語と現代ギリシア語をパソコンで扱う方法を区別することも今では無意味です。Unicodeはマルチリンガルなパソコン環境に大きな変化をもたらしました。私たちはEncodingの違いを意識することなく、Windowsで書いた多国語混在テキストをMacで読み、その反対も出来るようになっています。出来るようになってみればこれは当たり前のことで、むしろ、今まで出来なかったことの方がおかしいのです。

さて、それでもギリシア語をパソコンで扱うためには、いくつかのtipsがまだ残っています。特に日本語OS上で古典ギリシア語のソフトを使い、Perseusを初めとするWEBサイトを閲覧し、さらには日本語・ギリシア語混在ページを公開するためには、まだ苦労が皆無ではありません。2005年初頭の段階、つまりWindows XPないしMac OS X, 10.3.7を使っていることを前提にして、苦労をなるべく少なくするための手段を探って行きたいと思います。

1. OS選択

ギリシア語をパソコンで学び、読み、使うためにはWindowsとMacのどちらが便利なのか、私はかつてはMacを薦めていましたが、現状ではWindowsの方が便利だと言わなければいけません。Mac使いとしては悲しいことですが、いくつかのソフトウェアがWindowsにしかなく、Macだけで完結するには無理があります。Perseusを初めとするWEBサイトは基本的にOSは関係ないのですが、スタンドアローンのソフトの数が異なります。特にLiddell Scott Jonesの希英辞典がWindows版だけしか存在しないことが大きいです。LSJのマック版はいま開発中とのことなので、それが出れば再びMacの方が有利な状態に戻るでしょう。

2. Windows(1) 入力システム

古典ギリシア語を読み書きするのに、かつては専用のフォントをインストールする必要がありました。現在ではUnicode対応のフォントがあれば充分です。システム標準でついているPalatino LinotypeやTahomaがこうしたフォントです。インターネットでもギリシア語のUnicode対応フリーフォントはいくつかあります。

Windowsでギリシア語を扱うためには、まずスタート→コントロールパネル→地域と言語のオプションを選び、そこで言語タブをクリックして「詳細」ボタンを押します。「インストールされているサービス」で「追加」ボタンを押し、「入力言語」に「ギリシア語」を、「キーボード・レイアウト/入力システム」に「ギリシア語 Polytonic」を選べば完了です。これで古典ギリシア語の入力が可能になります。

あとは、言語ツールバーからギリシア語(EL)を選べばギリシア文字の入力が出来ます。アクセントつき文字、気息記号付き文字、下書きのイオタつきの文字はデッドキー(LやPの横の文字を中心に)、シフト+デッドキー、右alt+デッドキーなどと母音の組合せで入力します。キー配列は次を参照して下さい。

http://arcadissima.cool.ne.jp/Griechisch/input_method.htm

しかしいくつかの問題があります。右altキーがないキーボード(私のPanasonic Let's Note R3)ではいくつかの組合せ文字の入力が出来ないことや、日本語配列のキーボードでは文字が文字配列が変わることなどです。また、いくつかのWordとの不都合、デッドキーのシステムが合理性を欠いていることなどから、私としては古くからのGreekkeysキー配列を応用したGreekkeys Unicode配列をお薦めします。これは基本的にalt+数字キーをデッドキーとして、それと母音の組合せでこれらの文字を入力します。下書きのイオタなどの入力には右altも使います。New Athena UnicodeとGreekkeys Unicodeの組合せだとサンピなども入力できます。ただし、これが最大の問題ですが、Shift+alt+6以上のキーとの組み合わせ(曲アクセントと下書きのイオタとの組み合わせ)はWindowsではうまく動かないようです。そうした文字を入力するにはWordだと挿入メニューから「記号と特殊文字」を選んでフォントをUnicode 対応フォントにし、「種類」を「ギリシャ拡張」にしてやると、古典ギリシア語のアクセントつき文字の一覧が現れますのでそこから入力できます。

Greekkeys Unicodeの入手先は
http://ist-socrates.berkeley.edu/~pinax/greekkeys/GKU7.zip
指示およびキー配列の詳細は
http://ist-socrates.berkeley.edu/~pinax/greekkeys/AboutGKUWindows.pdf
を参考にして下さい。

3. Windows(2) PerseusとTLGのサイト。ブラウザの設定。

こうして、入力システムが入手できたら、Perseusのウェブサイトに飛んでみましょう。
http://www.perseus.tufts.edu/cache/perscoll_Greco-Roman.html

ここで驚かされるのは巨大なギリシア語、ラテン語のテキスト群でしょう。それぞれを覗いてみたいはやる気持ちを抑えて左上のconfigure displayをクリックします。Word Study ToolをYesに、Greek DisplayをUnicode (UTF-8)に、Default Textをoriginal languageにしたら一応ここは完了で、set configurationボタンで戻ります。

そしてトップに戻り、読みたいテキストを読んで行こうとするのですが、ここでやや厄介な問題が生じます。読みたいギリシア語が醜くかったり文字化けしていたりすることが起きるかも知れません。ギリシア文字が大きくなってもおらず正確に読めるのであれば以下の作業は必要ありません。

インターネット・エクスプローラーを使っていて表示がおかしい場合は、ツール→インターネット・オプションを選びます。「全般」タブの中で一番下の「フォント」ボタンを押します。言語セット一覧の中から「ラテン語基本」を選び、WebページフォントをPalatino Linotype、Tahoma、Arial Unicode MS(後述)のどれかに変えます。OKを押すと直ちに表示が直る筈ですが、それでもまだおかしい場合には、IEの表示→エンコード→Unicodeになっていることを確認しましょう。なっていなかったら「その他」からUnicode (UTF-8)を選びます。これで表示が正しくなるはずです。

Mozilla Firefox (1.0)の場合は、「ツール」→「オプション」で、「フォントと色」のボタンを押し、「フォントを設定する言語」を日本語にしてSerif をPalatino Linotype、Sans SerifをTahomaまたはArial Unicode MSに設定します。ProportionalをSerifにするとPalatino Linotypeで、Sans SerifにするとTahomaないしArial UnicodeでPerseusのギリシア語が表示されます。こう設定しても、日本語の文書で文字化けすることはないようです。ただし、San SerifをArial Unicode MSに指定し、Proportional FontをSans Serifに指定すると、Arial Unicodeの不格好な日本文字で日本語が表示されますので、この組合せは止めた方が無難です。Arial Unicode は、むしろTLG Workplaceを使うのに便利なフォントです。

さて、普通にギリシア語の文書を読む段には、Perseusサイトがきちんと使えれば充分です。ギリシア語の文章の各単語には、Morphological Analysisへのリンクが貼ってあり、各単語をクリックするだけで、その原型と変化が分かります。またMorphological Analysisには、Liddell ScottやMiddle Liddellなどの希英辞書の項目へのリンクがあり、辞書も簡単に参照することが出来ます。紙のテキストでギリシア語を読む場合にもPerseusの言語ツールは有用ですが、こちらに、ツールを使うことだけに特化した検索ページを作りましたのでご利用下さい。ソースを保存して自分のデスクトップ上に置いておくと便利かも知れません。

上のように設定してあればTLGのサイト(http://www.tlg.uci.edu/)でも問題なくギリシア語を表示することが出来ます。TLGは、古代ギリシアの全文献を網羅することを目的にしたデータベースで、CD版とWEB版が存在しています。6年ほど前には、日本にはCD版のTLGのライセンスを持っている人間は10人ほどしかいませんでした。しかし、現在、日本でもTLGなしでギリシア研究をすることは殆ど考えられないように思われます。TLGは元来BetaコードフォーマットでEncodeされたギリシア語テキストを集めたテキストデータベースで、検索用ソフトなどはついていません。Windows用、Mac用にそれぞれ検索ソフトが発売されています。しかし、数年前から、WEB上でTLGデータベースを使うことが可能になり、最近では個人でもWEB版TLGを利用することが出来ます。WEB版はCD版に較べて次の特徴を持っています。

  1. データベースが半年ごとに更新され、常に最新のヴァージョンを使うことが出来る。
  2. 検索ソフトが不要。検索ソフトを用いて行うことのできる検索は、WEB上でも可能。検索文字列を入力すると、まず単語リストが表示されるので、そこで絞り込んで検索をかけることもできる。検索対象は名前、年代、ジャンル等により細かく指定でき、Boolean検索も当然ながら可能。
  3. 検索自体にかかる時間はきわめて短い。回線の都合により、表示に時間がかかることがある。
  4. PerseusのMorphological Analysisへのリンクが貼ってあり、データベースの調査だけでなく、テキストを読むために用いることも出来る。各テキストをBrowseできる。
  5. 言うまでもないが、Off Lineだと利用できないし、常時接続でないと快適ではない。

Subscriptionなどの細かい話は、サイトで見て頂くことにして、とりあえずabridged version (http://www.tlg.uci.edu/demo.html)を見て下さい。

4. Windows (3) スタンド・アローンのソフト

4-1 TLG、Perseus

Windows用のスタンド・アローンのソフトは、Musaios, SNS-Greek for Windows, TLG Workplace(http://www.silvermnt.com/) 10.0の三種類が代表的なものですが、現在Unicodeに対応しているのはTLG Workplaceのみです。これ以外を選ぶ理由はありません。TLG Workplaceは勿論CD版のTLGに対応したソフトで、TLGのWEBヴァージョンと同等の機能をOff-lineの状況で提供してくれます。ただし、インターフェイスはあまり直感的ではありませんが、そういうのは慣れて行けばよいので、ここではマニュアル外のtipだけを書いておきます。まず、起動時に現れる、TLG Workplace窓で設定を行います。Setup → Preferencesを選び、Language Displayのタブで一番下のUse Unicode Greekにチェックを入れます。さて、まず何かを表示してみようと考え、Open TLGボタンをクリックし適当にテキストを開きます。しかしきちんと表示されません。View → Select Fontを選び、フォント名をTahomaないしArial Unicode MSにします。すると表示が直る筈です。他のUnicode フォントは、Palatino Linotypeも Lucida Sans Unicodeも、New Athena UnicodeというGreekkeys用のフォントですら、日本語のWindows環境では正しく表示されません。

Tahomaも読みやすいフォントですが、TLG Workplaceを使う場合にはArial Unicode MSの方が視認性がやや良いと思います。このフォントは海外版のXPには標準でインストールされているのですが、日本ではOffice XPに同梱されています。オフィスがインストールされているWindowsパソコンでは、次の手順でArial Unicode MSを追加できます。

  1. コントロールパネル→プログラムの追加と削除を選ぶ。
  2. インストールされているプログラムの一覧からMicrosoft Office XPを選び、変更ボタンを押す。
  3. Office XPセットアップから、機能の追加と削除にチェック
  4. Office 共有機能の横の+記号をクリック
  5. インターナショナルサポートの横の+記号をクリック
  6. ユニバーサルフォントの横の×印をクリックし、マイコンピュータから実行を選ぶ。
  7. 指示に従って、OfficeのCDを挿入する。
語を読むための道具として考えたときに優れているのは、Perseus Web のMorphological Analysisへのリンクがあることだけではありません。Perseus Platform Free VersionのMorphological Analysisへのリンク、さらにはLogos社から発売されているLiddell Scot JonesのGreek English Dictionaryへのリンクがあることです。さすがに変化形から直接LSJを叩くことは出来ませんが、原形の最初の部分を打ち込むことで容易にLSJの当該項目を呼び出すことが出来ます。勿論これがあるからと言ってWEB版Perseusが無意味になるわけではありませんが、いつでもどこでもギリシア語を読もうと考えるのならばとても重宝することは疑いがありません。

TLG用のスタンド・アローンソフトの最大の欠点は、それがTLGのCD-ROMを必要とすることです。私のPanasonic Let's Note R3は900グラムの小さなパソコンで、電池が公称9時間持続し、古典セットを詰め込んでを携帯するのにこれほどの道具はないのですが、CD-ROMドライブがついていません。TLGとエンド・ユーザーのライセンスでは、いかなる形であれ、CDのコピーをすることは認められていないので、常にCDとドライブを持ち歩かないと、「どこでもTLG」は不可能です。この点に関しては、ライセンス設定が変わるまで、CDドライブつきのノートパソコンとCD-ROMを扱う多大の注意が必要になります(このライセンス契約は法的に疑問が残るshrinkwrap契約ではありません)。

CD版Perseusの方にはそのような契約条項はありませんし、テキストをハードディスクにインストールする設定が可能でした。ありがたいことです。CD版Perseusについては前に書いたことを参照して下さい。まだ販売されているようです。

4-2 Oxford Classical Dictionary, Liddell-Scott-JonesのGreek English Lexiconなど

Oxford Classical Dictionaryはかつて紹介しましたが、販売中止になっていると思います。残念。その代わりになるのがDigital BibliothekのLexikon der Antike (Johannes Irmscher編、1990年の拡張版)です。これは6000円程度でドイツ語を扱う洋書屋にあります。Sucheが全文検索しかないような...

LSJのCD-ROM版が今年発売されました。発売元はLogos Software(http://www.logos.com/products/groups/products/language-tools-greek)。1996年の第九版を電子化したものでMcKenzieによるSupplementもついており、inlineで検索できます。2ちゃんねるで利用者の意見を読んだら検索が不最近まで購入しなかったのですが、結構便利に使えそうです。語尾補正がないものの、前方一致での見出し語検索は可能で、また辞書内の全文一致検索も出来るようで、全くの初心者でないかぎり、基本的に辞書として使うのに不便はないと思います。起動時にただちに辞書画面にするには、メニューのツール→オプション→一般→Generalで、起動時に最後のセッションを開く設定にしておきます。一つ問題は、検索文字の入力窓で、 polytonic Greekが文字化けすることですが、入力と検索自体は普通にできますし、辞書の表示窓ではきちんと表示されるのであまり気にすることはないでしょう。また、検索窓への入力は、アクセントや気息記号なしでもかまいません。

さて、それ以外のギリシア関係のソフトウェアの状況はここ数年あまり変わっていない、というかNeue Paulyの検索CDが出るまでは、新しい変化もないように思います。五年ほど前の状況については私の昔のまとめ(http://www.page.sannet.ne.jp/kitanom/papers/greekinpc.pdf)をご覧ください。Neue Paulyはいまのところ、索引検索のソフトしか出ていないように思います。項目に当たるには書籍版を見なければなりません。しかも、日本語Windows上ではこのソフトも動かないように思います。ギリシア語を読む、というよりもギリシア研究のための二次文献データベースであるGnomon CD-ROMは2004年に新版が出ました。ただし、1999年の旧版以来の新着文献はすべてWEB上で検索可能(http://www.gnomon.ku-eichstaett.de/Gnomon/Gnomon.html)です。また、同類のデータベースのAnnee Philologique(http://www.annee-philologique.com/aph/)は有料でWEB検索サービスを始めています。

5. Macintosh

5-1 OSX

UnicodeのPolytonic Greekを用いて入力を行うためには、例によって、Greekkeys Unicodeのキーボード配列をインストールしなければなりません。このキーボード配列は、最新のものを、いくつかのGreekkeys Unicodeのフォント、古いGreekkeys用のキー配列やフォントとともに購入することが出来ます。購入先はhttp://store.esellerate.net/apa/apagreekkeysです。

また、フリーのGreekkeys Unicode キー配列も存在しています。PantherおよびTigerではこのキー配列をインストールすることで、Lucida GrandeなどのUnicode対応フォントでUnicodeの古典ギリシア語を入力することが出来ます。ダウンロード及びインストールを含めた詳細な説明はhttp://www.reed.edu/~tuckers/greek/を参照して下さい。

また、古典ギリシア語に対応したUnicodeのフリーフォントがいくつか出回っています。上記のサイトにはGentiumフォントへのリンクがあります。Tiger(10.4)をお使いなら、Times, Arial, HelveticaなどがUnicodeに対応しており、これらのフォントを使ってPolytonic Greekを入力することができます。

フォントとキー配列をインストールできたら、コントロールパネルの「言語設定」からインストールしたキーボードにチェックを入れると、入力メニューにGreekkeys Unicodeが現れ、Cocoa対応のアプリケーションでPolytonic Greekは自由に入力できます。Microsoft Office 2004、EGWord、JEdit Xなどがそうしたアプリケーションです。

PerseusとTLGのサイトの利用方法は、 Windowsの場合と変わりません。利用はSafariなど、Cocoa対応のブラウザを使います。ほかにはMozilla Firefox, Shiira, Caminoなどで、UnicodeでPerseusやTLGのサイトを利用することができます。Internet ExplorerやiCabではUnicodeのPolytonic Greekに対応していません。 スタンドアローンのギリシア語のソフトウェアでは、上で述べたIrmscherのLexikon der AntikeがOSXに対応しています。ただしソフトウェアは出版社のサイトからダウンロードしなければなりません。

CD版のTLGを扱うソフトウェアもあります。Diogenes(http://www.dur.ac.uk/p.j.heslin/Software/Diogenes/index.php)というソフトがそれです。10.4および10.3.7以上が正式に対応しているヴァージョンですが、Diogenesも十分魅力的なソフトです。検索にかんしてもTLG Workplaceと遜色のない機能がありますし。ギリシア語を読むためのソフトとしても、Perseusへのリンクがある点が優れています。ただし、Perseusへのリンク先はGreek Transliteration(ローマ字書き)なので、PerseusのDisplay configurationをTransliterationにセットしなければなりません。私は、Diogenesを使うときとは別にUnicodeでPerseusを見るときに専用に別のブラウザを使っています。そちらの方でPerseusをUTF-8に設定しておけば大丈夫です。Mozilla Firefoxなどがおすすめかと。

さて、Diogenesはフリーソフトながら多機能なのですが、欠点は、行番号が画面上に出ないこと(行を指定しての表示や検索はできます)、起動がかなり面倒なことの二つです(いちいちターミナルを立ち上げて、呪文を入力して)。前者はDiogenes自体のアップグレードを待たねばなりませんが、後者はアップルスクリプトで自動化できます。上述のサイトにもそのスクリプトが掲載されていますが、いまいち動かないのでアップルスクリプトのScript Editorで次のスクリプトを書きます(コピーしてコンパイルして下さい)。
tell front window of application "Terminal" to do script "cd /Applications/diogenes-1.4.0/; perl Daemon.pl"
tell application "Finder"
set the visible of process "Terminal" to false
end tell
delay 5
open location "http://localhost:8888/"

そうするとデフォルトのインターネットブラウザ上でDiogenesが起動します。Internet ExplorerはUnicodeに対応していないので注意して下さい。インストールしたDiogenesをホーム(ユーザ名)下にあるアプリケーションフォルダにコピーしてあれば、このスクリプト自体はどこにおいていても動くはずです。このスクリプトをダブルクリックすれば、Diogenesを起動してブラウザを起動、Diogenesを使うことが出来ます。デフォルトのブラウザでPerseusをUnicodeで使いたいのなら、上記のアップルスクリプトを起動した後でDiogenes用のブラウザを起動し、URLのボックスにhttp://localhost:8888/を入力すれば大丈夫です。これをそのブラウザのホームページに設定しておいてもよいかも。

5-2 OS9

スタンドアローンでTLGを扱うソフトウェアのほとんども、StandaloneのPerseus2.0も、OS9専用のソフトでOSXには対応していません。しかしこれらのソフトはOSXのクラシック環境で問題なく利用できます。使い方はかつて書いた「マックでギリシア語」を参照してください。なお、OS9の環境ではUnicodeのPolytonic Greekを扱うことはできません。

6. 日本語とギリシア語の混在表示

日本語とギリシア語が混在するWEBページを作るのもUnicodeによって随分簡単になりました。重要なことは文書をUnicode Encodingで編集するという点だけです。そのためには、MacだとテキストエディットやJEdit X(http://www.artman21.net/product/JeditX/)、Windowsだとメモ帳やipentec(http://www.ipentec.com/)などのUnicode対応のエディタを使う必要があります。保存をUTF-8(Unicode)形式で行うことを忘れないようにして下さい。さて、Unicodeで書かれたHTML文書で、<head>タグと</head>タグの間に次の二行を入れると、Unicode Encodingで内容は日本語の文書であることを宣言したことになります。くれぐれも宣言と実際のencodingがずれないように。
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8">
<meta http-equiv="Content-Language" content="ja">
そこでギリシア語の文章がパラグラフの一部であるならば<span>タグを用い、ギリシア語の部分を<span lang="el"> </span>で括ります。また、パラグラフ全体をギリシア語にする場合には<p lang="el">タグをギリシア語の部分の前につけます。

このページ自体はShift JIS Encodingを用いていますので、このページ上でギリシア語を表示することはしませんが、リンク先に混在文書のサンプルを置いておきます。これを「ソースで保存」し適宜編集して下さい。サンプルは次のようなhtml書類を作り、Unicodeで保存しただけのものです。JEdit Xの場合、最初に環境設定でプレインテキスト書類をUnicodeで保存する設定にしておくと簡単にUnicodeテキスト書類が作れます。もう少し詳しい説明は、魚野剣太郎氏による「多言語ホームページによる情報発信の仕方(http://homepage1.nifty.com/kuono/ml/index.html)」を参照して下さい。

参考
<html>
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8">
<meta http-equiv="Content-Language" content="ja">
<title>Multi-lingual test</title>
</head>
<body>
<h1>多言語のページのテスト</h1>
<p>これは日本語です。</p>
<p>ここは日本語と<span lang="el">ここにギリシア語の文章が入る</span>の混在文です。</p>
</body>
</html>