2007年の五点

例によってそんなに芝居を観ている訳でもなく、傾向も偏っているので、選ぶのに意味があるかどうかは良く分からないところだが、赤旗のご要望もあり、パーソナルベストファイブ。

  1. サド侯爵夫人第二幕 (三島由紀夫 SPAC 鈴木忠志演出 静岡 6月)
  2. 奥州安達原 (近松半二作 宮城聡演出 ク・ナウカ、新宿 2月)
  3. Nostalgia(維新派 埼玉11月)
  4. 浮世混浴鼠小僧次郎吉(流山児事務所 1月)
  5. エウメニデス (アイスキュロス シアターΧ 9月)

同じ赤旗に劇評を載せていらっしゃる演劇評論家の菅井幸雄さんとの比較。

  1. ロマンス (井上ひさし こまつ座)8月
  2. 実験−ヒポクラテスに叛いた男 (宋英徳作 円 5月)
  3. シャッター通り商店街 (高橋正圀作 青年劇場 9月)
  4. リビエールの夏の祭り (吉永仁郎作 俳優座 5月)
  5. 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々(民芸 10月)

うーむ。

こうやって比較してみると改めて思うが、もうほとんど新劇を受け付けなくなっている。それだけではなく、私の挙げた五本の中には、舞台と客席がきちんと分かれた四角い劇場のものが一本しかない(流山児事務所のもの)。流山児の舞台だって、普通の劇場とは随分違っていたような記憶がある。他方、そんなに数は観ていないのに、維新派以外はすべて旧作だとか、アイスキュロスと三島とか、まともなリアリズム演技の芝居が一本しかないとか、嫌みな教養主義ないし審美主義が認められるのも自分では面白い。コアな小劇場ファンとも趣味が随分違う。やはり自分は美学の教員なんだなあと反省。

また、海外物が一本も入らなかった、というか、そんなに観ていない。去年はドイツの劇団とか色々来ていた記憶があるのに、今年はそもそもそんなに来ていない。シュタイン+ギリシア国立劇場はソウルまで来て日本には寄らず、太陽劇団も台北まで来て日本には寄らない。かなり寂しい。