新国立劇場 『母・肝っ玉』

ブレヒト劇に関しては岩淵達治のけなすものを観ていれば間違いがないと思っていたが、そうとばかりも言えないことが分かった上演。

「テアトロ」に載った彼の劇評には納得できないところもある(娘が撃たれるときに上でなくて前なのはおかしい、ってあれは舞台では前だけど表象としては上なんだろ、とか翻訳への難癖、同じ原文なんだから似てくるところも当然あるだろうにそれはすべてパクリなのですかああそうですか、そして似ていないところは「違う」ことが非難の対象なのですね、とか)が、まあ全体としては糞リアリズム的前提を外した上で同意。

肝っ玉が、私こんな時代だけれど必死に生きてますだってそうするしかないじゃない的説教おばさんで豪快さと人間的魅力が欠けているのと、荷車に重さが感じられないのが興醒めだった。