燐光群アトリエの会 イヨネスコ『犀』

訳=加藤新吉 上演台本=坂手洋二 演出=大河内なおこ
俳優 内海常葉 宮島千栄 下総源太朗 猪熊恒和 鴨川てんし 向井孝成 樋尾麻衣子 江口敦子

レンタルビデオ屋の地下にあるほんとに狭いスタジオ。両端に客席を並べ(最大50人)、真ん中の演技空間は二メートル×三メートルはないだろう。50センチほどの通路も最大限に利用する。いや、こんな小さなところで「犀」をやるんだ。それ自体がわくわくする。

「犀」は「ドーン・オブ・ザ・デッド」(坂手発言)だと言っても良いし、ファシズムだ、と言っても良い。群馬県あたりに済んでいると、車社会のことじゃねぇの、などとあんまり恐くない想像もしてしまう。ま、私今免許持っていなくて、18才以上で免許持っていなかったりするとだんだん肩身が狭くなり、学生で免許持っていないのとの恋愛も長続きせず、相手に15分で捨てられてしまう。ごめんなさい嘘ついていました。そんな恋愛経験はありません。

さて、冒頭のイオネスコ不条理劇臭たっぷりのふた組の会話はまだプレビューなのでぎこちない(偶然全く異なった会話が同じことを繰り返す面白さのあるところ)。主人公の友人が犀になって行くのも演技は面白いが、舞台空間が狭すぎてこの場所では犀になれそうもないな、と思ってしまうのはまだリアリズム演技にこちらが浸りすぎなのか。原訳の翻訳調を生かした坂手洋二の脚本はうまくまとまっている。だが主人公の悩みが、これも距離が近すぎてそんなに伝わってこない。もうすこし「示す」演技の方が良いのかも知れない。大声と激しい動きに、かなり「ひいて」しまった。

(改訂予定)