航空機騒音の環境基準改正に関する意見表明についてのお願い

 関係者各位


                     平成19年5月10日
               成田空港から郷土とくらしを守る会
                         会長 木内昭博


航空機騒音の環境基準改正に関する
意見表明についてのお願い


 日ごろから航空機騒音の対策にご尽力いただき敬意を表します。

 さて、環境省は航空機騒音に係る環境基準の改定に向け作業を進めておりましたが、去る3月1日の第4回中央環境審議会振動部会において「航空機騒音に係る環境基準の改正について」の諮問を行いました。
 そして、この5月に専門委員会において「航空機騒音に係る環境基準の改正について」報告(案)を提示し、その後、この案について国民からの意見を聞く「パブリックコメント」を実施する予定とのことです。

 この見直しが“望ましい静かな環境を保全し、被害救済の確かな基準として構築できる”かどうかは、国民、わけても日夜航空機騒音に悩まされている私たちの意見表明にかかっていると考えられます。

 本会は、成田空港周辺の航空公害について40余年調査を続けています。
 今回の環境基準見直しについては、昨年5月に「航空機騒音の環境基準と規制に関する提言」を発表して各方面に送付し参考にしていただけるようお願い致しました。

 環境省の専門委員会で「航空機騒音に係る環境基準の改正について」報告(案)が発表された時には、この案について本会としての分析と意見をホームページ『成田空港サーバー』(http://www.page.sannet.ne.jp/km_iwata/)上に掲載することにしております。

 今回は、とりあえず、改正の見方についてのポイントを列挙しますので、参考にしていただければ幸いと思います。

 また、パブリックコメント募集の発表があり次第、貴団体・個人の意見を環境省に提出していただき、騒音被害を少しでも軽くできる環境基準になればと考えています。

考えられるポイント

1、 評価単位

 現在の評価単位:WECPNL から Laeq、Lden、Ldn のいずれかに変更されると推察されます。
 また、これらの評価単位の詳細は、下記ページの
「平成17年度 航空機騒音に関する評価方法検討業務報告書」を参考にしてください。
http://www.env.go.jp/air/report/h18-02/full.pdf

 蛇足になりますが、Lden は1日を昼間(7時〜19時)、夕方(19時〜22時)、夜(22時〜翌朝7時)と区分し、夕方と夜に加算します
 また、Ldn は1日を昼間(7時〜22時)、夜(22時〜翌朝7時)に区分し、夜に加算します。
 Laeq には時間による加算はありません。

 なお、評価値の相関関係はおおむね概算で WECPNL-Lden=13 になります。

2、 基準値と地域類型

 どの評価単位になるとしても、基準値が現行のWECPNL と比べてどのようになるのかが、問題となります。
 現行の航空機騒音の環境基準は、「住居専用地域」が70WECPNL以下、「その他の通常の生活を保全する必要がある地域」が75WECPNLです。

 他方一般環境騒音の環境基準は単位がLaeqで、基準値は住居専用のA地域と住居地域Bを区分せず昼55、夜45と定めています。この基準値を換算するとLdn55、Lden56、WECPNL69程度に相当します。

 航空機騒音は、間欠的に発生する高騒音が特徴です。類似する新幹線鉄道の環境基準は、ピークレベルで70デシベル、75デシベルです。改正する航空機騒音の環境基準は、一般環境騒音の地域類型と整合させて住居地域は一律Lden55より低い値が望ましいと考えられます。

 また、地域類型が現行と同じ「専ら住居の用に供される地域」と「上記以外の地域であって通常の生活を保全する必要がある地域」と2分割されるのかどうかも問題です。
 静かな農村地帯や住宅地であっても、比較的環境騒音が大きい商工業地域であっても、人が生活している限り、航空機騒音が人に与える影響は同じか、むしろ、うるさいところほど相乗効果で影響は大きいと考えられます。

 また、地域区分が行われた場合、その基準がWECPNL と同じ5ポイント差で設定されるのかどうかも問題です。
 同じ騒音の航空機を2倍飛ばした場合、WECPNL でも、Laeq でも、Lden でも、Ldn でも3ポイントの増加になることから、基準は3ポイント差で設定されるべきではないのでしょうか。

3、 測定と評価の時期

 現行の航空機騒音の環境基準は、原則1週間の測定結果で評価しますが「年間平均」も採用しています。

 しかし、諸外国では「最もうるさい週」(最繁忙週)や「最もうるさい月」(最繁忙月)の測定値を採用している国もあります。
 国内では、使用する滑走路や離着陸経路、訓練の繁忙などで、うるささの変動が大きい地域が実在します。「うるさい時もあるが、静かな時もある。平均評価値が低いから我慢しなさい」とする考え方は、環境基準の主旨にそぐわないのではないでしょうか。

 大気汚染に関する環境基準は、1日値を評価期間としています。航空機騒音の環境基準も、1日値を定め、いかなる日もこれを超えないように努めるべきではないでしょうか。 



以上

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