暫定平行滑走路再北伸計画に関する声明
成田空港から郷土とくらしを守る会
2006年7月19日
成田国際空港株式会社は7月10日、国土交通省に「平行滑走路の整備に関する飛行場変更許可申請」を提出しました。
本会は今回の成田国際空港株式会社による「平行滑走路の整備に関する飛行場変更許可申請」は時期尚早と考えます。
第一の理由は騒音対策が十分でない点にあります。国土交通省が示した2015年コンターについて本会は「その算定データを公表するように」と国土交通省と成田国際空港株式会社に対して再三要望して来ました。
これは、騒音対策地域指定の根拠となる2015年コンターが妥当なものかどうか検討する為にどうしても必要だからです。
しかし、国土交通省は「データの中には航空機メーカーから提供されたものもあり、企業秘密で公表できないものもある。」として、公表を拒否しています。
このデータがどのようなものであるかも定かではありませんが、成田空港周辺では20年以上にわたって騒音データは蓄積されており、「どのような機種がどのように飛ぶか」、「その時の直下や脇の騒音がどのくらいになるか」、「コースずれはどのくらいあるか」、などのデータを使って発生する騒音の予測は十分に可能であり、その方が実態に即した予測になるはずです。
国土交通省の示す予測が実態よりも騒音を過小評価する傾向は羽田空港再拡張計画に関する千葉県とのやり取りの中で明らかにされている所です。
このように、地域指定の基礎となる2015年コンターの妥当性が検証できない中での申請は早すぎます。
また、現在の航空機騒音評価方式が住民の被害感覚に合っていない事は多方面から指摘されている所です。
更に、この住民の感覚と合致しない騒音評価方式に基づいて制定されている「航空機騒音に関する環境基準」の達成率は成田空港周辺では、達成期限を20年以上過ぎた現在でも50%を前後しているのが現状です。
環境基準が未達成であるにも関わらず、「航空騒音防止法」(騒防法)の対象地域から外され,移転対策や民家防音対策の対象外になっている住民が多数存在しているのです。
その上、再北伸による平行滑走路2500m化が完成すると、飛行回数も増大し、騒音が大きいB-747型機の飛行も始まり、平行滑走路飛行コース地域ではさらに、騒音が大きくなるのです。
今回、再北伸によって騒音が非常に激しくなる成田市の住民が「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」(騒特法)の区域指定に対して異議を唱えているのは至極当然な事と考えます。
第二の理由は、今回の変更計画が安全上も問題があると指摘されているからです。
第2ターミナルと平行滑走路を結ぶ通路は非常に狭く、B-747型機が通行するには無理があると考えられます。
この為に、東側に新設を予定する誘導路から進入する場合、平行滑走路の南端で平行滑走路を横断して現誘導路を使い北端に向かわざるを得ないとの指摘があります。
混雑時間帯には離着陸の合間を縫って平行滑走路を横断せざるを得ず、タイミングを誤ったり、交信の聞き間違いなどのアクシデントがあると、直ちに大事故につながる危険があります。
以上の理由から、2010年3月末の供用開始時期にこだわる事なく、「共生」の理念に基づき、「住民が納得できる対策の実施」と、より「安全で安心できる空港づくり」を望みます。
以上