「着陸料世界一」キャンペーンと利用者負担
(2010年9月13日 一部改訂)


 「成田空港の着陸料は世界一高い」とよく言われます。これは事実ですが、「成田空港利用者が負担する費用が世界一高い」と言う事を意味してはいないようです。これを混同させて着陸料を引き下げさせようとするのは国際航空運送協会(IATA)をはじめとする航空会社側のキャンペーンのように思います。

1、なるほど、成田空港の着陸料は世界一
 下の図は成田国際空港株式会社がまとめた世界の空港の着陸料です。これで見ますと、確かに成田空港の着陸料は世界一高くなります。

2、空港利用者の負担するお金は「世界一」ではない
 ところが、空港を利用するために旅客1人あたりが負担するお金は着陸料の負担分を加えても下の表(成田国際空港株式会社調べ)のように世界一はアメリカのニューヨークにあるジョン・エフ・ケネディー空港で成田空港ではありません。成田空港は世界で7番目です。
 旅客が空港で直接支払う施設使用料などに限れば世界で10位以下になります。
 これらの事実に触れないで、「成田空港の着陸料は世界一」と声高に叫ぶのはいかがなものでしょうか。航空会社の立場から見れば、着陸料が下がれば負担が減るわけですから、叫びたい気持ちがわからないではないのですが。

(2010成田空港ハンドブックより)

3、「着陸料が高いと国際競争力が落ちる」って本当?
 よく、「着陸料が高いと国際競争力が落ちて、航空路線が着陸料の安い中国などアジアに移ってしまい、成田空港がさびれてしまう」と言う話を聞きます。確かに、着陸料の高い・低いが無関係とは言えないと思いますが、中国などの経済活動が活発になれば中国などアジアの空港への航空機の就航も増えていくのは当然です。着陸料の高い・低いよりもこちらの要素がはるかに大きいと思うのです。いくら着陸料を低くしても、需要のないところに航空機が飛ぶとは思えませんから。

4、「着陸料が下がれば運賃が下がる」って本当?
 また、「着陸料が下がれば旅客に還元され、運賃にも反映される」と言う論調も聞きますが、これはどうでしょうか。下がった分の何割かは運賃に反映されるとしても、多分、数百円単位で数万円から数十万円単位の運賃でこのような半端な数字は切り捨てられるのが通例ではないでしょうか。

5、周辺対策費は着陸料が原資
 成田空港の場合、11月25日の「周辺対策交付金勉強会」の中でも明らかにされましたが、この周辺対策交付金の財源はこの着陸料にあります。
 今は成田国際空港株式会社法の中で周辺対策交付金は着陸回数によって決まるようになっていますが、将来、完全民営化になった場合にこの着陸料収入の増減により周辺対策交付金が増減するようになる心配があります。こうなると、着陸料の引き下げが直接周辺対策に影響してくる恐れがないとは言えません。
 私たちは着陸料の引き下げに何が何でも反対するわけではありませんが、引き下げをやる時には空港利用者への還元と周辺対策をきちんとした上で行うように主張します。

以上


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