Military

Tokyo Aerospace 2000

2000年の3月22日から26日にかけて行われた、国際航空宇宙展『東京エアロスペース2000』。25日と26日は一般公開日だったので、最終日の26日に見学に行ってきました。

会場は東京ビッグサイト。展示は西1、2、4ホールを中心に行われていました。

何台ものジェットエンジンを展示していたIHIのブースで、とりわけ目を引いたのが、日本初の実用ターボジェットエンジンである『ネ20』。終戦直前に海軍の特殊攻撃機『橘花』に装備され、試験飛行に成功しています。

敗戦後に米軍に接収されたこのエンジンは、全て破棄されたと思われていました。しかし、軍需品を取り扱うジャンク屋からノースロップ工科大が買い入れたガラクタの中から見出され、やがて第四回国際航空宇宙ショーに展示されるために日本に里帰りします。そして、さらなる紆余曲折を経てIHIに永久無償貸与というかたちで事実上の返還がなされたのです。

現物を見ていて不思議に思ったのが、妙なループをした赤い配管。解説担当の方にうかがったところ、赤い配管は燃料ライン。ループさせてあるのは、本体側が熱膨張によって寸法が変化するため、周囲の配管には屈曲部を設けないと結合部に負荷がかかるため、とのことです。

この他にも、ハンマーの叩き出しで成形(!)された耐熱鋼のノズル、ノズルと溶接で結合されていた鋼製のフランジ(実際に磁石を使って解説して頂きました)、様々なマーキングなど、実物でないとわからないディテールを観察できたのは収穫でした。

航空宇宙展ですので、当然宇宙機の展示なんかもあります。

目を引いたのが、機首のセンサが何とも愛らいしい自動着陸実験機ALFLEX後部のエア・ブレーキを開いた状態で展示されていたのですが、意外と単純な構造に拍子抜けしたのを覚えています。いや、もっと複雑な内部構造を期待していたもので…。

西4ホールには、超音速輸送機用推進システム技術研究組合出展のHYPRコンバインドサイクルエンジンが展示されていました。

このエンジン、前半部は可変サイクル型(飛行速度に応じて、バイパス比を可変させる)ターボファン、後半部はラムジェットという複合型エンジンで、ノズルは可変式。ターボファンの燃料は通常のケロシンですが、ラムジェットはメタン燃料で作動するそうです。将来的には、もちろん水素燃料の使用も視野に入っているとか。

軍事関係の展示物も多くありました。

航空機とともに多くあったのがミサイル関連と、対空砲。海上自衛隊の近接防御火器更新の為の売り込み合戦だったのか、オランダ、シグナール社のゴールキーパー、海上自衛隊でも採用されているファランクスの性能向上型であるBlock1Bが、ともに模型を展示してありました。

戦闘機用ヘッド・アップ・ディスプレイなんかも展示してありました。「手を触れないでください」と書いてないし、言われないのを良いことに、スイッチ類をバチバチいじって、パイロット気分を満喫。

で、思ったことは、スイッチの切り替えにそれなりの力がいること。操作感にもかなりのメリハリがあって、“バチン、バチン”という感じで切り替わります。

振動、騒音、低温といった環境で、パイロットに確実にスイッチ操作を体感させる為には、これくらい大袈裟な操作感があった方が良いのでしょうね。こっちは素手でいじってるけど、パイロットはフライト・グローブしてるんだし。

展示品も多く、松本零士氏の講演など非常に楽しめるイベントでしたが、やはり実機をもっと見たいというのが正直なところ。できれば飛行場でこのテのイベントを…。ってのは、無理な望みなんでしょうか…。