Military

展示訓練 7月19日

「ましゅう」の見学を終えると、本日のメイン・イベントである地方隊の展示訓練です。当選した乗艦券の割り当ては舞鶴地方総監である岡海将が座乗する護衛艦「みねゆき」です。

「みねゆき」の出航は伏木富山港では一番最後なので、「ちょうかい」、「じんつう」、「はまゆき」といった僚艦が出航していくのを見送ります。

民間のタグボートに混じって、海上自衛隊の曳船64号と曳船72号も作業しています。後に聞いたところでは、伏木富山港で使えるタグボートが2隻しかなく、舞鶴から3日がかりで回航してきたとのこと。

厨房施設もない曳船の長距離移動は、かなりのご苦労があったのではないかと思います。どれほど強力な海軍も、充実した支援体制なしでは能力を発揮し得えないということを改めて実感しました。

「はまゆき」に続いて、「みねゆき」も伏木富山港を出航します。海の日ということで、同港に保存されている先代の「海王丸」もセールを展開しておりました。

港外へ出たところで「みねゆき」は速力を上げ、先行する「はまゆき」を追い抜きます。「はまゆき」の艦上ではアスロック・ランチャーの操法展示が行われていた様子。陸上基地からの航空支援下で活動する、地方隊所属の「みねゆき」はヘリを搭載していませんが、機動運用される護衛艦隊所属の「はまゆき」は哨戒ヘリを搭載しています。

「じんつう」に追いついた「みねゆき」は速度を落とし、後方に「はまゆき」を従える単縦陣を形成します。3隻の中では最初に出航して最後に帰港する「じんつう」。同艦に乗艦した友人の話だと、終始低速で動き回っていた様子で、「ガスタービンは回さなかったんじゃないかなぁ」とのこと。

やがて、昨日と同じように水平線に艦影が見えてきました。展示訓練の周辺海域では、事故などを防止するために掃海艇が海面警戒を行っています。

展示訓練は自衛艦の敬礼からスタート。受閲部隊が反航ですれ違っていきます。

先頭は昨日お世話になった護衛艦「あぶくま」。ミサイル護衛艦の「しまかぜ」、「ちょうかい」が続き、補給艦「ましゅう」、輸送艦「しもきた」が特徴的な艦影を見せます。

大型艦の後は小型艇。掃海艇「ひめしま」に、ミサイル艇の「はやぶさ」と「わかたか」が続きます。

自衛艦の敬礼が終了すると、艦隊は方向を転換。「じんつう」、「みねゆき」、「はまゆき」に、「あぶくま」、「しまかぜ」、「ちょうかい」が続行するかたちで6隻の護衛艦が単縦陣を形成します。

続いては潜水艦航行展示。艦のスピーカーからのアナウンスに、見学者が舷側に群がります。

近くにいた乗員の方の「あの辺りに浮上しますよ」という言葉を頼りに目を凝らすも、見渡す限りただ波ばかり。やがて「ほら、潜望鏡が」という声が。周囲の人の視線は彼の示す方向に集中しますが、波間に見え隠れする潜望鏡を探しあぐねている人も多いようです。

まともなレーダーやソナーをもたない戦時中の旧日本海軍は、どこに現れるか知れない潜望鏡をひたすら見張ることで、潜水艦の発見に努めることが多かったと聞きます。こりゃあ、見つかりませんよ。実戦では潜望鏡の露呈は秒単位だったそうですし。

しばらくすると、潜水艦の黒い船体が浮上してきました。艦首を空中に突き出すような派手な急浮上はしませんが、周囲からはどよめきの声があがります。

浮上した潜水艦は、そのまま浮上航行で艦隊とすれ違っていきます。

潜水艦の航行展示が終わると、艦隊は再び方向転換。最新鋭の補給艦「ましゅう」の航行展示が行われます。

続いて、護衛艦「しまかぜ」の5インチ砲による空砲展示。空砲発射から数秒の時間差を置いて、発砲音が響き渡ります。前後の主砲を交互に使用し、合計3発の空砲発射が行われました。

空砲発射の迫力はもとより、長砲身砲が迎角を大きく取っているところは絵になりますね。次の機会があれば、今度は発砲を艦上で間近に体験してみたいものです。

艦の展示がひと段落した所で、航空機による飛行展示が行われます。

まずは舞鶴基地から飛来した哨戒ヘリ、SH-60Jがバンクしながら艦隊上空を航過します。

続いて、はるばる那覇基地から飛来したP-3C哨戒機の2機編隊。P-3Cのような大型機が低空を航過すると、かなりの迫力があります。

さらに前日は悪天候でキャンセルとなった、航空自衛隊F-15戦闘機の2機編隊。こちらは流石に速い!

発進基地が近場の小松ってこともあるんでしょうが、ドロップ・タンク1本吊っただけの軽装で艦隊上空をパス。最後は急上昇を見せて雲間に消えてゆきました。

展示訓練も終わりに近づきいてきました。続いてはLCACの高速航行展示です。

エアクッション艇3号、エアクッション艇4号ともに輸送艦「しもきた」に搭載されていたのですが、エアクッション艇はこの4月から自衛艦籍に編入されており、「しもきた」固有の搭載艇というわけではありません。

アルミ合金の無塗装ボディや、いかついディテールなど、そのままシューティングゲームにでも登場させられそうな趣ですね。側面に描かれた自衛艦旗(?)もイカしてます。

今回は高速航行展示ということで、「しもきた」からの発進や収容も遠方で行われていました。次の機会があれば、そうしたシーンも是非とも間近で見たいものです。

展示訓練の最後は、前日同様ミサイル艇の高速航行展示で締めとなりました。

ミサイル艇の高速航行展示で本日のプログラムは全て終了となりました。

艦隊は解散し、先に接岸する「みねゆき」は快速を飛ばして伏木富山港に向かいます。艦首では係留の準備が始まります。私は艦橋ウィングの直後に陣取って、入港作業の様子を興味深く見学させてもらいました。

岸壁には音楽隊や、事務関係の方々が並んで艦隊の入港を待っています。「みねゆき」にも曳船が近づいてきました。

海上自衛隊というと、艦艇や航空機にばかり目が行きますが、後方で彼らを支える人々の力なくしては組織が成り立たないのは明白です。今回の展示訓練の為に働いてきた全ての方に。お疲れ様でした。新潟から一泊二日、見に来た甲斐のあったイベントだったと思います。