Military

艦艇一般公開(24日、横浜)

観艦式にあわせて取った長期休暇ですが、休みもこの日まで。横浜新港での艦艇一般公開と、昨日、艦の外観を撮りそこねた輸送艦「しもきた」見学に、大さん橋へ向かいました。

護衛艦「さわぎり」

横浜新港では、汎用護衛艦の「さわぎり」が公開されていました。

「あさぎり」型護衛艦の7番艦である「さわぎり」は、対空レーダーとして、フェーズドアレイタイプのOPS-27を搭載した後期建造艦です。

背の低い艦橋に、巨大な煙突とヘリ格納庫を有する艦影は正直なところあまり好みではないのですが、イギリスあたりでは人気があるらしく…。お国柄なのかなぁ…。

観艦式関連イベントではすっかりおなじみになった、金属探知器によるボディチェックをクリアして桟橋へ。舷を接するのは、地方隊の小型護衛艦(DE)「あぶくま」。

やっぱり、「あぶくま」のように遮風装置のある艦橋は格好良いなぁ。後日装備予定とされながら、一向に装備される気配のないRAM対空ミサイルのスペースが少し不憫です。このまま装備化されないなら、警備任務に向いた大口径機関砲なんかを搭載するのも一考かと思うのですが。

「さわぎり」艦内の見学は、昨日の「てんりゅう」と違って、公開エリアを決めての自由見学。こちらの方が、自分のペースで回れるので、私には気楽に感じます。

個艦防空用の近距離対空ミサイル、「シースパロー」の8連装ランチャー。

VLSの装備艦が増えたこともあって、護衛艦隊の所属艦でこのタイプのランチャーを持つ艦も少なくなりました。

舷側の3連装短魚雷発射管。

色々と型はあるそうだけど、最新のイージス艦でも搭載され続けている、ある意味海上自衛隊水上戦闘艦の標準武装かも。

前部甲板の76mm単装速射砲。

「なみ」型護衛艦では127mm砲にスケールアップしたし、新しい汎用護衛艦でも長砲身の5インチ砲が搭載されるようだし、ミサイル艇の増勢とかDEの新造がない限り、76mm砲の搭載艦は今後出現しないかもしれませんね。

時間の都合もあるんで、艦内を一通り見学すると次の目的地へ移動することにしました。

すっかりベテランの域に達した「さわぎり」ですが、やはり海上自衛隊の艦は古くても手入れが行き届いていて、とても綺麗です。

新港からは、瑞穂埠頭に停泊中の艦艇を望見できました。帰り際に、望遠レンズで何枚か撮影。

試験艦の「あすか」ですが、並んで接岸している「むらさめ」級護衛艦と重なって76mm砲を装備しているようにも見えます。コラージュで護衛艦改装を仮想して、CGを作ってみても面白いかもしれませんね。

輸送艦「しもきた」

「さわぎり」を見学した後は、昨日、撮り損ねた輸送艦「しもきた」の外観を撮影するために大さん橋へ。

当初は、大さん橋の屋上フロアと周辺部から、艦の外観を撮影するだけにするつもりだったのですが、よく見たら艦橋に人を上げてるじゃないですか!

これは、是非とも見学しない訳にはいくまい…と、再び艦内見学をすることにしたのですが、まずは昨日の教訓に鑑み、艦の外観を撮影。

艦橋まわりを撮影しながら、ふと視野の中に違和感のあるものを見た気がして、よく観察してみると…。あ、煙突後方のスペースに12.7mm機銃用のマウントがある…。

昨日、見つけられなかった右舷側の銃座はこんなところにありましたよ…。確かに、普通の護衛艦なんかは艦橋構造物に張り出しを設けて機銃のマウントを置いているんで、「しもきた」の配置もそれに準じたものなのでしょうが、左舷側が上甲板にあったんで、右舷も同様になっているものとばかり思いこんでいました。

大さん橋の屋上フロアから、「しもきた」艦尾側を撮影。

全通甲板と、スターンゲートを持つ特徴的な艦形です。換気のためか、それとも採光のためか、スターンゲートは半開きになっていました。

スターンゲート内のLCACをアップで。

LCACの推進用プロペラのスピナーの先端が開かれていますが、整備中なんでしょうか? LCACの斜路の構造や、「しもきた」のゲート駆動用の巨大なアームにも注目です。

一通り艦の外観を撮影した後は、艦内見学へ。

甲板上には、昨日と同様に多数の車両が展示されています。既に見た部分ですので、ざっと流して艦橋へ。

艦橋の最頂部までは、かなりの高さがあります。そこまで、自衛艦の質実剛健なラッタルを登っていくのはなかなか怖いものが。昨日の風雨を考えると、艦橋が公開されていなかった理由が納得できました。

艦橋後部の近接防御火器(CIWS)であるバルカン・ファランクス。

海上自衛隊の戦闘艦艇では標準装備と言って良いほど普及していますが、直接戦闘に関与しない艦が装備しているのは珍しいですね。

まぁ、輸送艦も戦闘地域に突入するので、危険度という点ではかなり高い艦ではあるのでしょうけど。

艦橋頂部にある12.7mm機銃用の防盾付きマウント。

新造時の写真などを見ると、この機銃座が設置されている張り出し自体が存在していないようなので、銃座を設置するために拡張されたようです(床面に溶接の跡があるのが判ります)。

やっぱり、銃座が一カ所だけってのは拙い気がするんですけどねぇ…。

何故か艦橋の頂部に置かれていた複合艇。

艦橋のデッキクレーンで揚収するのでここに置かれているのだと思いますが、海面までの高度があるんで、乗員は怖いでしょうねぇ…。

そして艦橋内へ。空母型船型とは言いますが、艦橋構造物が右舷に寄っているだけでかなりの幅がありますから、広さなどは普通の艦艇とあまり違いはないように感じます。

左舷側から右舷側を見ます。

広角レンズでの撮影ですので実際よりは広めに見えると思いますが、見学者が多いとやはり狭く感じます。

右舷側から。艦橋内のレイアウトは、通常の護衛艦などとだいたい同様のように思います。

操舵手席。椅子があるのは珍しいですね。

艦橋の後ろにあった揚搭装置状況表示盤。

艦橋に続いて、操縦室を見学させてもらいました。機関部の制御と、被害時のダメージコントロールを行う部屋です。

護衛艦などでは船体の内部に設置されている部屋ですが、「しもきた」では、なぜか艦橋構造物内にありました。

私が見学させてもらった艦では、掃海母艦の「ぶんご」も艦橋構造物内に操縦室がありました。両艦ともに、艦内に大きな空間がある(1)んで、そのためでしょうか?

艦橋内の見学を終えると、順路は車両甲板へ。今日は、甲板まわりのディテールを中心に撮影しました。次のヘリコプター搭載護衛艦の格納庫も、こんな感じになるんですかねぇ。

車両甲板の天井。消火用の配管が張り巡らせてあります。

ウェルドックの内装色は艦の外装と同じグレーなのに、車両甲板の内部はアイボリーっぽい白で塗装されています。

塗装の色が違うのは何故なんでしょう? 濃緑色の陸自車両の視認性を考慮したのかな?

後部の第2エレベータ裏面のディテール。

前部の第1エレベータが船体中央に設置されているのに対して、第2エレベータは右舷側にオフセットされています。

甲板での車両の移動を阻害しないように、でしょうか?

車両甲板の前方壁面を撮影。

作業用の車両や、台車が集められています。車両は、クレーン車とフォークリフトでしょうか? 大型の台車は、おそらく普段は防舷物を載せているものだと思います。

第1エレベータの周辺には立ち入れなかったので、エレベータ下側は撮影できませんでした。残念。

サイドランプ周辺。道板には、滑り止めの模様が入っています。

車両甲板の床面に設置された、ターンテーブル。サイドランプの横にあります。

自前のステアリング機構がある車両はともかく、陸自の車両は色々と牽引してくるものもあるでしょうし、狭い艦内で搭載を円滑に進めるためにも、こうした設備が必要なんでしょうね。

サイドランプの斜め上にある窓に注目。恐らく、ランプから出入りする車両を管制するための指揮所かと思われます。

サイドランプ脇の、指揮所(?)のアップ。

ちなみにコレ、左舷側にしかありません。

おそらく、左舷側のランプの使用頻度が少ない(2)ので、右舷側には設置されていないのではないかと思います。

ウェルドックの艦首側の壁面には、放水銃が設置されていました。護衛艦なんかのヘリコプター甲板にあるものと同型っぽいですね。

ヘリもLCACもガスタービンエンジンを使用するし、防災上の扱いは似たようなものなのでしょうね。

ウェルドックの壁面上部。開口部には、開閉式の扉が設置されています。恐らく、換気用の開口部でしょうね。

壁面は、外装と同じグレー(海自でも、軍艦色って言うんでしょうか?)。LCACが出入りするたびに海水の飛沫がかかるでしょうから、防錆面での要求があるんでしょうか?

車両甲板の見学を終えると、舷梯から艦外へ。

いやぁ、輸送艦のような特殊用途の艦は、色々と面白そうな機構や、興味を引かれる構造が多く、見学してとても面白かったです。

この文章を書きながら、画像を眺めていると、改めて疑問がわいてくる点も多々。また、見学の機会があれば、是非とも乗員の方に聞いてみたいと思います。

1:両艦ともに、艦内に大きな空間がある

「しもきた」は、ウェルドックと車両甲板。「ぶんご」は航空掃海具の格納庫と機雷庫があります。

2:左舷側のランプの使用頻度が少ない

サイドランプから進入してくる(あるいは出て行く)車両を視認するとなると、向かいの壁面に指揮所があった方が見通しが良く、運用の利便性が増すことになります。

右舷側のランプが主に使われるため、左舷側に指揮所があるんでしょうね(そりゃ、両方にある方が良いだろうけど、艦のスペースや重量は有限ですし)。

「おおすみ」型輸送艦は艦橋が右舷側にありますから、右舷側を接岸する方が操艦の指揮が執りやすく、そちら側のサイドランプが多用されると推測します。