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艦艇一般公開(23日、横須賀・横浜)

この日は前日からの雨が続いており、風も強くなって、かなりの荒れ模様の天気。

まずは、横須賀新港で公開されている護衛艦の見学に行ったのですが、風雨に加えて打ち込んでくる波も凄く、短時間で撤退。

写真も満足に撮れなかったので、そっちはパスして長浦地区のレポートに行きます。

訓練支援艦「てんりゅう」

長浦港は京急田浦駅から歩いて10分ほど。駅から要所要所に案内の自衛官の方が立っていたので、迷わずに行けました。

雨は小降りになってきて、ようやくまともに見学できそうな環境に。金属探知器でのボディチェックを終えて岸壁へと。観艦式の期間中ということもあって、接岸中の艦艇が多いのは嬉しいかぎり。

この日の公開艦は、訓練支援艦の「てんりゅう」。無人標的機をリモートコントロールして、戦闘艦艇の射撃訓練を行う艦です。

「てんりゅう」の隣には、試験艦の「くりはま」が。同じ試験艦の「あすか」が、護衛艦サイズの大型艦なのに対し、こちらは基準排水量950トンという小振りなサイズ。主に、対潜機材や、機雷戦関連の装備の試験を行っているそうです。

お隣の岸壁には護衛艦の「ゆうばり」が。

艦橋前にブルーシートを張って、何やら作業中のようです。前日にボフォース対潜ロケットの射撃をやった筈ですから、ランチャーまわりの整備かもしれませんね。

舷梯から乗艦させて頂いて、「てんりゅう」艦内へ。

この日の見学は、個人やグループごとに案内人を付ける形で行われていました。そんな訳で、私も若い海士に案内して頂いて艦内へ。

無人標的機の「チャカⅢ」。

「てんりゅう」が搭載しているもう一種類の標的機であるファイヤービーよりもずっとコンパクトです。

無人標的機の「ファイヤービー」。

ミサイルを思わせるチャカⅢよりも、ぐっと飛行機らしい格好をしています。

頂いたパンフレットの要目表だと、重量1066kg。チャカⅢが200kgとされていますから、ずっと大柄で重い機材です。確かにこれは取り回しが面倒だろうなぁ。

艦橋は他の護衛艦などと同様のつくりでした。

雨で、しかも平日ということもあって、見学者はまばらでした。

停泊中の艦艇は満艦飾なのですが、流石に雨天とあってはその偉容も湿りがちに見えるのが残念でした。

1時間ほどの見学の後、再び京浜急行に乗って横浜を目指しました。目的は大さん橋で公開中の輸送艦です。

輸送艦「しもきた」

輸送艦「しもきた」は、横浜港大さん橋に接岸。豪華客船も利用する桟橋だけに設備も整っており、乗船は舷梯ではなく、桟橋のブリッジからでした。

もちろん、ここでも金属探知器でのボディチェックが。この辺は、米軍の岩国友好祭あたりよりも厳しく見ている感じです。

この日は、マヌケなことに艦の外観を撮影する前に乗艦してしまったものだから、見学を終えて艦を降りた頃には風雨と光量不足で撮影どころではなくなるていたらく。艦内の画像が多いのはご了承ください。

まずは上甲板から。

激しい風で、満艦飾の旗も激しくたなびいています。時間は16時を回っており、雲のせいもあってかなり薄暗い状況。

掲載画像はほとんどデジタル一眼レフのE-1のものですが、同時に持っていったコンパクトデジカメのS80でフラッシュを焚いて撮った画像は、(シャッタースピードの関係もあって)まるで夜に撮ったかのような写りでした(E-1はフラッシュを内蔵していません。さすがに外付けのフラッシュも持参していませんでしたし)。

上甲板左舷側中央部には、護衛艦などですっかり標準武装化した感のある12.7mm機銃用の防弾盾付きのマウントが設置されていました。

左舷側の銃座はこれ1基だけ。これで艦の全長をカバーできるのか、いささか不安です。

海外派遣などで、治安の宜しくない港に接岸する機会もあると思われる輸送艦ですから、せめて片舷2カ所くらい銃座があっても良いのではないかと思いました。艦の前後に銃座があれば、近接目標に対して十字砲火を浴びせられるし、相手に火力の分散を強いることもできますし…。

なお、右舷側の機銃座がどこにあるのか、この日は気付かなかったのですが、翌日、思わぬところで発見することに。

「おおすみ」型輸送艦は、よく空母型と言われますが、ヘリが着艦可能なのは上甲板後半部のみ。前半部は車両を搭載スペースとなっており、この日も多数の陸上自衛隊車両が展示されておりました。

展示されている車両は、各種トラックから装甲車まで、なかなかバラエティに富んでいます。

各車両は、チェーンでガッチリと固縛されていました。

甲板側には「×」型の溝が刻んであり、そこに金具を入れて固定する型式になっているようです。

上甲板の見学を終わった後は艦内へ。まずは陸上自衛隊の隊員居住区。

上甲板の見学時にレンズの前玉に水滴がついてしまっていたのですが、それに気が付かず、蛍光灯の反射が出てしまいました(泣)。

便乗者の居住区は三段ベッド。見た感じ、夜行列車の寝台くらいのスペースでしょうか? 他には、ちょっとしたロッカーと救命胴衣が用意されていました。

頭上空間だけで考えれば、上段が一番過ごしやすそうな気が。登るのは大変でしょうが…、って、ここまで書いてふと気が付いたんですけど、上のベッドに登るための階段はどこだろう? ベッドに手足をかけてよじ登るんでしょうか?

続いては、車両甲板。

こちらでも、上甲板同様、陸上自衛隊の装備や車両が展示されていました。

とりわけ目を引いたのは、野外手術システム。元防衛庁長官の石破茂氏が著書の中でこのアイディアに触れていましたが、「おおすみ」型輸送艦に野外手術システムを展開しての病院船化って、実際に検討されていたんですねぇ。

病院船というのは扱いが難しい船らしく、普段から病人を入院させておくと、いざ災害というときに困りますし、だからと言ってドンガラだけ浮かべておくわけにもいきません。

既存の装備を上手く組み合わせたこの運用は、非常に良いアイディアです。今後、訓練や試験を通して、問題点の検出と改善に努めて欲しいですね。

LCAC

「しもきた」の船体内は、前半部が車両甲板になっていて各種車両や物資の搭載スペース。後半部は輸送用エアクッション艇(LCAC。いわゆるホバークラフト)の搭載スペースであるウェルドックになっています。

ウェルドック内には2隻のLCACを搭載可能になっています。ウェルドックは車両甲板と直通していて、LCAC前後のランプを下ろせば、車両甲板から直接車両を搭載できるようになっています。

LCAC上から「しもきた」の艦首方向を見る。

車両甲板とウェルドックは直通可能で、車両や物資をスムーズに搭載できるようになっています。

LCAC上から「しもきた」の艦尾方向を。

「しもきた」は艦尾のスターンゲートを開いており、艦外の明かりが入ってきています。

LCACは前後に可動式のランプ(道板)を持っており、両方を開くことで車両が通過可能になっています。ドック内には2隻のLCACを搭載可能ですが、後方の艇に車両を搭載するときは、前方の艇を通路にして移動することになります。

LCACのキャビンまわり。航行中のLCACは、騒音と波飛沫、それに振動が凄いらしく、中央部の搭載スペースに直接人間を乗せるのは危険だそうです。

キャビン上の湾曲したダクトはバウスラスタ。ガスタービンの排気口で360度回転するようになっており、艇の進路を変えたりするのに使用します。

キャビン内部。軽量化の為もあるんでしょうけど、素材感むき出しの質実剛健な造りになっています。

そんなこんなで、艦内の見学を終える頃には、外はすっかり暗くなっていました。

風雨もますます強くなって、屋外での撮影にはなかなか厳しい条件に。先に艦の外観を撮るべきでした。

できれば電灯艦飾も撮りたかったのですが、流石に無理と判断してこの日はここで撤退。昨日、今日と天候に祟られます。てるてる坊主でも作っておけば良かったか…。