Military

平成18年度観艦式 予行1(10月22日)

早朝から観艦式の予行へ。空は薄曇り。できれば、このまま最後まで持って欲しいのですが…。

昨日の晩から満充電にしたデジカメの予備電池を全て携行。朝食をしっかりと採って、酔い止めを飲みます。そしてもちろん、乗艦券を持ったことを確認。横須賀線に乗り込みます。

今回指定された艦は護衛艦「さわかぜ」。乗船場所は吉倉桟橋ですので、JR横須賀駅で下車。

金属探知器でのボディチェックを受けると桟橋へ向かいました。まだ早朝ですけど、人出はかなりのもの。私も6時半過ぎに「さわかぜ」の列に加わりました。出航は8時5分の予定です。

出航

「さわかぜ」に乗艦。できるだけ視界の良い場所が欲しかったので、私は艦橋上の露天甲板に陣取りました。

横須賀港では、海上自衛隊の作業艇や、海上保安庁の巡視艇がさかんに行き交っています。

「さわかぜ」でも出航に向けての作業が進む中、先に出航する艦艇が次々に出て行きます。

出航していく潜水艦。葉巻型船体の「おやしお」型潜水艦で観艦式に参加するのは「やえしお」だけなので、同艦だと思われます。

部内の関係者や、マニアの人は船体各部の細々とした相違点で、外見から個艦識別ができるそうですが、流石に私はそこまでは無理です。

後進で出航する「しらたか」。

この後、さっくりと舵を切って港外へ向かいました。やっぱりミサイル艇は身軽ですねぇ。

出て行く日本艦隊を横目に、入港してくる米艦もいます。

ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」(USS Curtis Wilbur DDG-54)は、去年新潟東港で見た艦です。

「さわかぜ」も予定の時間にラッパと共に出航。相模湾に向かいます。

東京湾内は漁船とか、釣り船とか、モーターボートとかの小型船がわらわらと行き交って大変な混雑。こんな海を行き来するのだから、海自も大変ですねぇ。

往路

出航してしばらく走ると、周囲のあちこちに灰色の船体を見かけるように。

吉倉桟橋以外にも、長浦港とか横須賀新港とか横浜港とか木更津とかから多数の艦艇が出航している筈。それら多数の艦隊が、相模湾に向かう道中で隊列を整えていくのですから、大したものです。

護衛艦「いしかり」。遠景は補給艦「ときわ

「いしかり」と「ときわ」の間にある赤い構造物は横須賀港防波堤の灯台。手前のコンクリートブロックは、横須賀消磁所の施設。

護衛艦「はるさめ」。

午前8時15分くらいから、徐々に雲が切れ始めて光が差すようになってきました。

煌めく海面を進む護衛艦。

写真からは艦名が読みとれませんでした。申し訳ない。「むらさめ」級か「なみ」級の艦なのですが。

この時は、あまりの美しさに、周囲の人からも溜息が漏れていました。

護衛艦「たかなみ」。

海上自衛隊最新鋭の汎用護衛艦です。従来の76mm砲に換えて装備された127mm砲が重厚な印象を与える艦です。このタイプの艦は好きですねぇ。

「たかなみ」の姉妹艦の護衛艦「おおなみ」。

操法展示が行われているのか、主砲が大迎角を取っています。

「さわかぜ」を追い抜いてゆく護衛艦「むらさめ」。

前述の「なみ」型2隻と共に受閲部隊第一群を構成します。「なみ」型はこのタイプの発展型で、主砲やVLSなど、各所に細々した違いはあるのですが、艦全体のシルエットは非常に良く似ています。

午前10時頃には、それまでバラバラに走っているように見えた艦隊も、陣形が整ってきます。

天候も、晴天とまではいきませんが、そこそこ良くなってきました。海面近くは湿度が高いのか、遠望がやや霞むのは仕方ありません。あとは、この天気が夕方まで続いてくれるのを祈るのみですが…。

護衛艦隊の旗艦であり、受閲艦艇部隊の旗艦として部隊の指揮を執る、ミサイル護衛艦「たちかぜ」が「さわかぜ」を追い抜いていきます。

艦齢30年に達する老兵とは言いますが、艦は非常に良く手入れされていて、とても古いフネとは見えません。海上自衛隊の中興期を支えたこの艦も、観艦式を最後の晴れ舞台に現役を退くことが予定されています。

10時45分頃、輸送艦「しもきた」が、2隻のLCACを相次いで発進させるのを確認。ウェルドックからLCACを発進させるために、船体が僅かに船尾側を沈めているのが判るかと思います。

発進は随分とスピーディに行われたように見えましたが、デジカメのタイムスタンプを見る限り、5分程度の間隔で相次いで艇を発進させていたようです。

11時頃には、先行していた潜水艦部隊を追い抜きました。

潜水艦は普段は隊列なんか組まないんだろうけど、きちんと几帳面な単縦陣で航行していました。

潜水艦「やえしお」(多分)。

どの潜水艦もそうなのですが、セイルトップにすっくと立つ艦長が実にスマートで格好良いのですよ。憧れてしまいます。

11時15分過ぎ。「たちかぜ」を先頭にした隊列が、いよいよ進路を変え始めました。

観閲と展示

12時を過ぎると、いよいよ観閲と展示が始まります。

艦橋や甲板上は黒山の人だかりで、ともすればフレームの中に他の人が写り込んでしまっている場合もありますがご了承ください。

この頃から天候が悪化し始め、海面も荒れてきました。雨粒が落ちてくる時間帯もあり、横須賀に帰るまで雲が切れなかったのは残念です。

観閲部隊先導艦の護衛艦「いかづち」。

護衛艦隊の主力である「むらさめ」級護衛艦の7番艦。所属は第一護衛隊群の第一護衛隊ってことで、地元横須賀の艦ですね。

観閲艦のヘリコプター搭載護衛艦の「くらま」。

本番なら観閲官である安部総理が乗艦する艦ですので、艦橋上の露天部が豪華に飾り付けされているのが判るかと思います。

観閲部隊の随伴艦であるミサイル護衛艦「ちょうかい」。

言わずとしれたイージス艦。新しい艦ほど、露天の見学スペースが少なくなっているのが判るかと。

観閲部隊の随伴艦である護衛艦「さわぎり」。

かつては「ゆき」型と共に護衛艦隊の主力だった「きり」型も、いまではすっかりベテランの域に達しています。時間が経つのって、早いなぁ。

受閲部隊の左舷側を観閲部隊が反航していく一方、観閲付属部隊は右舷側を通過していきます。

観閲付属部隊の先頭を行く、護衛艦「さみだれ」。

今や、質量ともに護衛艦隊の主力となった「むらさめ」型の一隻。ところで、このタイプの艦の脚韻部分の呼称って「さめ」型と言う人、「あめ」型と言う人に分かれるんですけど、どっちが主流なんでしょうね?

観閲付属部隊の護衛艦「まつゆき」。

八八艦隊のワークホースとして大量建造された「ゆき」型護衛艦ですが、護衛艦隊からは全て退き、今は地方隊の護衛艦部隊の主力を占めるようになりました。

潜水艦救難艦「ちはや」。

潜水艦が事故や故障で浮上できなくなった場合、その乗員を救助するための小型潜水艇を搭載しています。米原潜との衝突で、漁業実習船「えひめ丸」が沈没したさいも、捜索支援にあたりました。

甲板や艦橋の露天スペースが多いので、見学者が非常に多く見えますね。

試験艦「あすか」。

各種の新装備の試験を行うことを目的に建造された専用艦です。

有事の際には護衛艦に転用可能などとも言われるスマートな艦ですが、上部構造物が直立していてステルス性が良さそうには見えませんし、改装用の艤装品が確保されていないと有事に急速改造もできないでしょうし、実際のところ実現性のある話なんでしょうか?

艦艇部隊の観閲が終わった後、航空機部隊の観閲が行われました。

ヘリ部隊、哨戒機、航空自衛隊のジェット戦闘機といった機体が次々と艦隊上空をパスして行きます。

航空機は、距離が遠かった上に光線状態も悪く、今ひとつ良い画像が撮れなかったのが残念でした。

続いて、各種の展示が行われます。

私が乗せて頂いている「さわかぜ」は、受閲部隊第二群の「あさかぜ」、「しまかぜ」と共に、5インチ速射砲による祝砲発射を行います。

最近の海上自衛隊の艦艇が装備しているOTOメララ社の速射砲は、祝砲用の空砲弾薬が用意されていないとのことで、祝砲発射を行うのも5インチ速射砲を持つ艦のみ。この砲を搭載する艦も徐々に減ってきていますから、先々はどうなっていくんでしょうか?

祝砲発射は、指揮の様子を撮影できたので、動画をYoutubeに投稿してみました。

いやぁ、キビキビとした命令と復唱が連鎖していく様子は燃えますね。良いもの見せてもらいました。

艦艇部隊の展示としては、このほかにボフォースロケットの発射とか、潜水艦の潜航・浮上とかが行われたのですが、「さわかぜ」からは水柱くらいしか見えませんでした。ちょっと残念。

霞む海原を行き交う艦隊。壮観です。こうしたシーンが見られるだけでも、観艦式は行く価値ありますぜ!

補給艦「ときわ」と、護衛艦「はるさめ」による洋上補給。その後ろにいるのは、甲板散水とIRフレアの発射を展示中の護衛艦「やまゆき」。

白煙はIRフレアの燃焼によるもの。フレアは既に海面に落下していますが、まだかすかにオレンジ色の光が見えています。

高速航行を展示するミサイル艇「おおたか」と「くまたか」。

ウォータージェット艇ならではの高機動を見せてくれます。海面近くはフレアの白煙が漂っていて、緊迫感十分。迫力あるシーンを堪能できました。

対潜爆弾投下のために艦隊上空をパスするP-3C哨戒機。

胴体下面の爆弾層扉が開いているのが判るかと思います。

投下された対潜爆弾が炸裂した水柱。

轟音と衝撃が艦を震わせます。この日の爆弾やロケット弾の炸裂は、関東沖合の地震計も検出していたそうです。

対潜爆弾の投下で、一連の展示は完了。各艦は隊列を解いて、それぞれの港を目指します。

復路

ぐずついていた空模様はますます悪化し、帰りはとうとう本格的な雨になってしまいました。

横須賀を目指すミサイル護衛艦「しまかぜ」。艦上の人影はかなり少なくなっています。

雨を避けるために、多くの人が艦内に入りました。海上自衛隊は、艦艇の体験航海などでは、防寒の為に毛布を貸してくれるのですが、それぞれ毛布にくるまった人で、艦内の通路は足の踏み場もないような状態。

この日の予行に参加した人の多くが、「まるで避難船でも見るようでした」との感想を書いていますが、私の感想も同様。風雨をさけるスペースが大きい、ヘリコプター格納庫を持つ艦が、ちょっとうらやましくなりました。

スタビライザーの関係か、「さわかぜ」はうねりに揉まれて結構揺れます。艦橋の上に陣取っていた私も、船酔いこそしませんでしたが、やはり揺れに対して踏ん張っていて疲れたんでしょうね。昼食代わりに持参したカロリーメイトをお腹に入れると、通路の片隅で、少し船を漕いでいました。

聞けば、船酔いで体調を悪くされた方もおられたとのこと。やはり、酔い止めの薬と、雨具は必須ですね。あとは、防寒具と晴天時の日焼け止め、それに帽子。滅多にない機会ですので、万全の体調で望みたいものです。

またも混雑する東京湾を通って、「さわかぜ」も横須賀に帰ってきました。時間は予定通りに16時30分。陽はかなり傾いています。

午後から天候が悪化したのは残念でしたが、楽しい一日でした。次の観艦式は三年後。今度は、観閲部隊の側から見学してみたいものです。イベントの運営に尽力された海上自衛隊と関係機関の皆様、本当にご苦労様。そして、ありがとうございました