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「えちご」「みねゆき」一般公開

2007年11月3日、新潟県の柏崎港にて、中越沖地震復興支援イベントの一環として、海上自衛隊の護衛艦「みねゆき」と海上保安庁の巡視船「えちご」の一般公開が行われました。

2隻は、地震発生直後から柏崎港に急行。給水車への清水の供給や、被災者、復興支援者への入浴支援などを行い、迅速かつ長期に渡って被災地を支えてくれたフネです。

午前中は船内の一般公開。午後からは体験航海が行われ、柏崎市の沖合で海上保安庁の巡視船(高速特殊警備船)「のりくら」と、えちご搭載のヘリコプター「日本海」による機動訓練の模様を見学できました。

私は、8月に行われた一般公開で「みねゆき」を見学させてもらったので、今回は「えちご」メインに見学しました。

船内一般公開

2隻は柏崎港の中浜埠頭に接岸していました。埠頭は、まだあちこちにひび割れや隆起、沈降が残っています。

震災後は、この埠頭に海上自衛隊と海上保安庁の多数の艦船が接岸。自治体や自衛隊の給水車への給水を行いました。市街地近傍にある柏崎港での給水作業は、給水車の効率的運用に随分と貢献したのではないでしょうか? 道路網が破壊された状況で、近隣自治体の水源までの往復。気が遠くなりそうです…。

「えちご」見学の列に加わって、ふと気が付いたのが同船の20mm機銃座。

「えちご」は35mm単装機銃と20mmの多銃身機銃を背負い式に装備しているのですが、20mm機銃座のまわりにゴツい鋼板の囲いがされています。以前は防盾だけだったような気がして、帰宅後に過去の画像と比較してみました。

  • 2007年11月現在の「えちご」20mm機銃座。
  • 2001年8月に撮影した「えちご」20mm機銃座。前面の防盾のみ。
  • 2004年1月に撮影した「えちご」。20mm銃座の周囲に増設された囲いが確認できる。

2001年8月に撮影した画像だと、機銃の前面に防盾が装備されているのみで、銃座の周囲はハンドレールがあるだけです。が、2004年の初頭には銃座の周りに囲壁が設置されているのが確認できました。

その間に起きたことと言えば、九州南西海域工作船事件。工作船の攻撃に対する防弾対策なのでしょうか?

乗船すると、船内各所を見学。流石に、自衛隊の艦艇よりも見学箇所の制約は緩いようで、かなり広い範囲を見せてくれた印象があります。

35mm機銃の銃座の中に(恐らく、リンク機構で銃身と機械的に連動した)照準器が装備されていたり、機器類の意匠が海上自衛隊の艦艇とはかなり異なっていたり、船内の通路の壁に市販のLAN用スイッチングハブが無造作に設置されていたり、あとやっぱり神棚があったり、色々と楽しい見学でした。

船橋では女性海上保安官もおられたのですが、小学生くらいの女の子数人に囲まれて質問攻めにされていたのが微笑ましかったです。「このおねぇちゃんは『海猿』の映画にも出たんだぞ」「え〜!」「すごい〜!」「どこに〜?」「いや、ほら、ほんのちょっとだけだよ?(汗)」

見学者の数が多かったこともあって、あまりゆっくりと見られなかったのは残念でしたが、また機会があったら海上保安庁の船舶も見学してみたいものです。

体験航海

午後からは体験航海です。一般公開を終えて、市内のファーストフードで昼食を採ると、午前中に配られた整理券を持って「えちご」の乗船待ちの列に並びました。

出航は「えちご」、「みねゆき」の順。2隻とも見学者を満載していて、「みねゆき」の横をすり抜ける時にお互いに手を振り合う人もいました。

柏崎港の長大な防波堤を抜けて、「えちご」は沖合を目指します。後方には転落者の救助用か、上越海上保安署の巡視艇「なつぎり」が続行。同艇は、体験航海中、「えちご」の船尾波に揉まれながらも、キッチリと追随していました。地味な任務ですが、本当にご苦労様です。

「みねゆき」も防波堤を抜けて、距離を取って「えちご」と同様のコースを取ります。

まもなく伏木海上保安部の巡視船「のりくら」が見えてきました。

当初は海上を漂泊しているように見えた「のりくら」ですが、じきに船尾で水飛沫が奔騰し、みるみる加速して「えちご」に接近してきます。

それにしても、速い! そして、旋回半径も随分と小さく、小回りが効くようです。

ウォータージェット船は、ジェットノズルを振ることで一気に船体の進行方向を変更できるということは聞き及んでいたんですが、実際にその高機動を目の当たりにすると、もう絶句するしかありません。

さらに「えちご」搭載ヘリの「日本海」も飛来。「のりくら」後上方を追随します。こちらも迫力満点の飛行で、見学していた乗船者の間でも、感嘆の声が上がっていました。

そして、速度を落として「えちご」に並んだ「のりくら」。舷側の電光掲示板に煌めいた復興を応援するメッセージに、多くの被災者が勇気づけられたのではないでしょうか? やがて、「のりくら」は増速、転舵。「みねゆき」側方へと疾走して行きました。

離れて航行する「みねゆき」近傍でも、同様の連携機動訓練の展示が行われたようです。

一時間ほどで「えちご」は反転して柏崎港へ。最後に「のりくら」が高速航過。「日本海」も何度もローパスを決めてくれました。

このローパスも素晴らしく、「えちご」船橋ウィングから撮影した画像には機体の上面が写っているほど。キャビンから手を振る乗員の方々に、「えちご」甲板のそこかしこから歓声が上がっていました。

短い時間の航海でしたが、訓練展示は大変に素晴らしい内容でした。イベントを行ってくれた海上保安庁、海上自衛隊、それに関連自治体の職員の方々に、感謝。ありがとうございました。