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護衛艦「ひゅうが」就役

護衛艦「ひゅうが」

海上自衛隊の新型ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」が就役したとのことで、自衛艦旗授与式翌日の19日、休みを取って横須賀まで見物に行ってきました!

新幹線で関東圏まで進出して、品川から京急。汐入駅で降りたら、「よこすか軍港めぐり」の汐入桟橋に向かいます。汐入発になった「軍港めぐり」に乗船するのは初めてなんで楽しみです。

それにしても、横須賀の地方総監部の前に「ひゅうが」用の岸壁を建設中と聞いていたので、竣工と同時に使い始めると思いこんでいたのですが、吉倉の岸壁に付けていたのには面食らいました。

専用岸壁は、まだ盛んに工事中の様子。こっちは竣工してなかったんかい! まぁ、ヴェルニー公園やダイエーから舷側を眺めるにはこちらの方が良いんで、ありがたくはあるんですが。

  • 汐入桟橋から「ひゅうが」を望む
  • 「ひゅうが」から離脱していくタグボート

よく見れば、「ひゅうが」の舷側には3隻ものタグボートが着いています。まさか出港するのかと思いましたが、しばらくするとタグが離れて引き上げていきましたので、訓練だったのでしょうか?

11時発の「軍港めぐり」は結構な人数が並んでいます。「ひゅうが」目当ての人も多い様子。私と一緒に並んでいた人(色々と楽しいお話を聞かせてもらって、ありがとうございました!)は、昨日は漁船をチャーターして横浜沖から追いかけてきたそうです。聞けば、昨日は九州からおいでになった人もいたとか。「ひゅうが」の注目度がわかります。

今日の船は双胴形式の「シーフレンド1」上部のデッキはかなり人が多かったので、船尾の広いデッキで撮影することにしました。

船は定刻通りに出港。米軍地区にも、それなりの数の艦艇が停泊していたのですが、さすがに今回ばかりは視線は「ひゅうが」に行ってしまいます。

「軍港めぐり」のスタッフも、やはり「ひゅうが」のことを紹介していました。昨日の入港が夕方近くにだったので、「軍港めぐり」として「ひゅうが」を間近で見られるのは、この日が初日だったとのことです。

船はゆっくりと艦尾側を回り込んでいきます。「汐入発軍港めぐり」は、横須賀本港を出て吾妻島を回って長浦港に入った後、荒井堀割を通って再び横須賀本港に帰ってくるコース。以前の三笠桟橋を出るコースに比べて、外洋を走る時間が短い分、港の中での周遊に割ける時間が延びてるような気がします。

この日は「軍港めぐり」の後、安針台公園付近からも「ひゅうが」を撮影し、夕方はヴェルニー公園からの撮影を行いましたので、それらの画像を交えて、「ひゅうが」の細部を見ていこうと思います。

まずは艦橋周辺。

前方から見た「ひゅうが」艦橋、マスト周辺

「軍港めぐり」の後に、安針台公園から降りていく道から撮った「ひゅうが」艦橋。

艦橋構造物は直線で構成され、垂直線に対して傾斜がつけられているのが判ると思います。

専門誌でもモックアップが掲載されたことがあり、「ドアも傾けて設置されている」と書かれていましたが、この写真でも艦橋からウィングに出るドアが傾けられているのが判ります。

左舷から見た「ひゅうが」艦橋、マスト周辺

左舷側から見た艦橋と、マスト付近のアップ。

ライトグレーの四角い部分はFCS-3改のフェイズドアレイ。小型のものは対空ミサイル誘導用のイルミネータ。艦橋前部には正面と左舷側向けのアンテナが配置されています。多目標同時対応が可能と見られていますが、どの程度の数まで処理可能なのか、興味深いところです。

マストは対レーダーステルスを意識した、モノポール形。さすがにアンテナ類の種類が多いですね。

「ひゅうが」艦橋を後方から

艦橋構造物を後方から。

二本の煙突を挟んで、後部の艦橋構造。こちらは航空管制用の指揮所になっているんでしょうね。

こちらにもFCS-3のフェイズドアレイが。アンテナは平面ではなく、微妙な曲面になっているのが判ります。こちらには、後方と右舷側向けのアンテナがレイアウトされていて、前部の2面とあわせて、船体の360度をカバーしています。

艦橋周りの次は、「ひゅうが」の武装。

ヘリコプター搭載護衛艦である「ひゅうが」の主要な武器は、なんといっても、その搭載する航空戦力でしょうが、個艦防御用としても、かなり強力な武装を持っています。

主要兵装は、飛行甲板後端に埋め込まれた16セルのMk41垂直発射装置。ここに、対空用のESSMと対潜ロケットアスロックを搭載しています。

今回は、残念ながら角度的にVLSの撮影ができなかったので、それ意外の武器の画像を掲載していきます。

後部CIWS

「ひゅうが」は、砲を搭載しない初めての護衛艦ですが、船体の前後に近接防御用の高性能20ミリ機関砲を搭載しています。対水上射撃能力をもつ、ファランクスBlock1B。

前部の1基は飛行甲板前端に置かれていますが、後部は着艦の邪魔にならないようにという配慮か、一段低い位置にレイアウトされています。

機銃座

左舷側キャットウォークの後端に配置された機関銃座。機銃そのものは取り付けられていません。

防盾は、上側に傾斜のついたタイプです。従来の物は一枚板の防弾板だったのですが、最近の艦はこのタイプを装備しているようです。ペルシャ湾に出撃した「さざなみ」、「さみだれ」の格納庫上に増設された銃座は、このタイプの防盾を付けていました。

従来の護衛艦では2基が標準装備でしたが、「ひゅうが」では6ヶ所の銃座が確認できました。

短魚雷発射管

短魚雷発射管。船体後部の凹部に装備されています。

「ひゅうが」のような大型艦で、短魚雷を使った対潜攻撃ってのは、あまり想定できない(想定したくない?)状況でしょうけど、あるいは魚雷防御システムに換装する可能性なんかもあるんでしょうか?

ちなみに、船体外板がまだら模様に見えるのは、海面の反射が映り込んでいるためです。

護衛艦「ひゅうが」

安針台付近から撮影した「ひゅうが」。隣に並んでいる「むらさめ」型護衛艦だって、決して小さな艦ではないんですが、こうして並ぶと、大人と子供ほどもサイズが違います。

続いては、船体細部のディテールなんかを。

「ひゅうが」艦首部

艦首部のクローズアップ。

係留索の取り方がよく判ると思います。ステルス艦ということで、あちこち蓋がされているようです。

「ひゅうが」右舷の開口部

船体右舷、艦橋直下にある大型の開口部。やはり、サイドランプのようです。

格納庫に直接車両を出入りさせることができるようになっているのでしょう。災害派遣などでは、有効に機能してくれそうですね。

その上の、グレーチングの入った開口部はガスタービンの吸気口のようです。

内火艇レセス(右舷)

内火艇格納用のレセス。この日は、右舷側の内火艇は艦尾にとりついて作業中でしたので、レセスの中は空っぽです。

甲板縁には六角形の盾形の部品が並んでいますが、どうやら救命筏によるレーダー反射面積の増加を防ぐためのカバーのようです。

内火艇レセス(左舷)

左舷では内火艇の降下作業中。

レセス内に門形のフレームがあって、艇を舷外に振り出して降下させるようになっています。

複合艇(左舷)

左舷側、船体中央部のレセスには複合艇が。

こちらは揚収機構を動かしていませんでしたが、内火艇のそれと違って、上部のレールをスライドさせて艇を舷外に出す構造のように見えます。

キャットウォーク周辺

左舷のキャットウォーク周辺を拡大。一段下がっている部分には、艦内連絡用のハッチが設けられています。

キャットウォークの胸壁、一部が上下分割っぽいパネルになっていますが、これは救命筏の投下機構のようです。やはり右舷同様に、救命筏のレーダー反射対策で、こういった構造になっているのでしょう。

舷梯

左舷の凹部に収められた舷梯。

早く、ここから見学に乗艦できる日がくれば良いのですが。

上部のグレーチングの部分はガスタービンの吸気口。専門誌に掲載された構造図だと、吸気口は左右両舷に開口するようになっています。旧海軍の空母も、大戦末期に建造された艦は、戦訓を取り入れて左右どちらの舷でも吸気可能としています。

艦尾の開口部

艦尾の舫い綱はこういうふうに取ってるようです。

サンドレッドは艦尾の開口部の方から投げるんでしょうか?舷側の開口部の蓋、ヒンジは船体内にあって閉鎖した後は船体とツライチになる構造になっていますね。

艦尾のハッチ

艦尾では内火艇が作業中。ハッチからは梯子が降りています。上側が金属製の梯子、下は縄梯子です。

この画像は「軍港めぐり」で吾妻島を回ってから撮ったのですが、最初の通過時に撮った画像だと縄梯子だけが降ろされていました。金属製の梯子は艦内に格納しておいて、必要時に引き出すのでしょうね。

この日は、早めに夕食(ってゆーか、遅めの昼食)を食べてヴェルニー公園で日没まで粘って、「ひゅうが」での自衛艦旗の降下まで見学して宿に戻りました。

京急の汐入駅まで歩いていくと、徐々に暗くなる横須賀本港をバックに、在泊艦艇が次々に灯火を点灯していく様子が伺えました。もちろん、「ひゅうが」も。

期待の新鋭艦として世間の注目を一身に浴びて就役した「ひゅうが」ですが、この艦が日本の海防の要として、広く評価される日が来ることを願って止みません。

「ひゅうが」夜景