Military

乗艦編・甲板編

乗艦編

護衛艦「ひゅうが」
「ひゅうが」舷梯

舷梯は、舷側に開口したレセスから振り出す構造になっています。

そういえば、ここの開口部は閉鎖機構らしいものがありませんね。

舷梯なんて素人目には随分とRCSが大きいような気もするのですが、あるいは海面からの高さがさほどでもないんで、遠距離から照射されるレーダー電波は入射しないという考え方なんでしょうか?

「ひゅうが」艦内

乗艦してすぐの壁面には、「ひゅうが」の主要幹部の紹介や、艦歴を記したパネルが掲示されています。

艦歴や歴代艦長の表示はほとんど空白。いずれ、この欄が輝かしい軌跡で埋まる日がくることを祈念し、乗員の皆様の奮闘に期待する次第です。

掲示された順路の案内にそって通路を歩いていきます。

狭苦しいというほどではないですが、通路は決して広くありません。自衛艦としては標準的なサイズではないでしょうか。

艦内はまだペンキの匂いが漂っていて、バリバリの新鋭艦であることを思い起こさせます。

やがて、見学者は「多目的区画」と書かれた部屋に案内されました。

「ひゅうが」多目的区画

多目的区画は、災害派遣等で臨時司令部を設置するなど、文字通り多目的に使用するための部屋とのこと。

壁面には何台もの大型ディスプレイが置かれ、(今は公開用に片付けられていますが)臨時司令部となるときには多数の机や情報機器などが設置されるとのことです。

「ひゅうが」多目的区画のディスプレイ防震架台

壁際の大型ディスプレイ(ちなみに、パナソニック製でした)は、ワイヤーをコイル状に巻いた防震架台の上に設置されていました。

このスパルタンな形状がたまりませんねぇ(笑)。

「ひゅうが」多目的区画に飾られていた絵画

この多目的区画、自衛隊員意外も利用するということもあるのか、華美ではありませんが、幾つか装飾品も置かれていました。

その一つが、この絵画。ミサイルを発射し、ヘリを離艦させる「ひゅうが」が描かれていますが、背景にはどこかで見たことのある航空戦艦が(笑)。

「ひゅうが」多目的区画に飾られていた東国原・宮崎県知事のサイン

そして、こちらも見学者の注目を集めていた、東国原・宮崎県知事のサイン。

宮崎県の旧国名が「日向」なんで、「ひゅうが」繋がりってことなんでしょうね。

飛行甲板編

多目的区画から、艦内の通路を延々と歩きます。CICの前を通ったり、ラッタルを数階分昇ったりした後、艦橋脇の扉から飛行甲板に出ました。

護衛艦「ひゅうが」飛行甲板

ひろ〜い!

さすが、海上自衛隊最大の護衛艦の全通甲板です。画像は超広角レンズ(ちなみに、35mm版で14mm相当)で撮ってるんでさらに広さが強調されているのですが、実際の感覚でも、相当に広く感じます。

まずは甲板表面のディテールから見ていきましょう。

「ひゅうが」飛行甲板表面

「ひゅうが」の飛行甲板表面は特殊な塗装がほどこされており、非常にごつごつとしています。

滑り止めの効果は高そうですが、転んだら痛そうです(放送でも、何度も注意を呼びかけていました)。

「ひゅうが」タイダウンホール

甲板上には、タイダウン用のホールが無数に並んでいます。

この十字の部分にフックをかけて、チェーンやワイヤーを張ることで、ヘリや車両を固定する訳です。

「ひゅうが」タイダウンホールの蓋

で、そのタイダウン用ホール、一般の人が歩くエリアには蓋がされていました。

転倒対策と思います。さすがに自衛隊は細やかな配慮をしていますね。

「ひゅうが」飛行甲板の柵

一般歩行可能エリアと立ち入り禁止エリアを区分するネットを張るために、タイダウン用のホールを利用して支柱が立てられています。

こう考えると、この穴、なかなか便利に使えますね。

飛行甲板ということで、当然メインとなるのはヘリコプター。

この日はSH-60Jが後部のエレベータ上に置かれていました(後で聞いたところによると、ドンガラのみの訓練用機材だそうです。以前、第一護衛隊群はSH-60Kに機種更新を終えたって聞きましたしねぇ)。また、当然そのヘリを運用するための機材もいろいろとあるわけで。

60Jの尾輪付近にある黄色い物体は、リモコン式の牽引装置とのこと。

従来のヘリコプター搭載護衛艦とは全く異なる構造の艦ですし、そうした機材も目新しいものが多かったです。

後部エレベータ上のSH-60J
甲板縁の着艦誘導灯

ヘリの着艦スポット左舷側には、着艦誘導灯が設置されていました。赤灯と緑灯が同じ高さに見えるようにすると、適正な高度が撮れる仕組みです。

舷外とスポット方向に向けて、ひと組づつ設置されていました。これはおそらく、左舷の舷外で速度と高度を合わせて、甲板上に横滑りした上で最終的なアプローチを行うようになっているからですね。

ちなみに「ひゅうが」のヘリスポットは4ヶ所。ただ、発着艦作業中は1機は救難機を待機させておくとのことで、実質的な同時発着数は3機とのことでした。

また、従来の護衛艦のような着艦拘束装置は装備されていません。

船体が大きいこともあり、フィンスタビライザーが効いていれば、従来の護衛艦よりかなり動揺が少ないとのことです。お話を聞いた乗員の方のお話によると、「今年の夏あたり、台風が来たら突っ込んでいって実践的な訓練をすると思います」とのことでした。

「ひゅうが」前部エレベータ

「ひゅうが」の前部エレベータです。

後部エレベータに比べるといくらか幅が狭いようですが、それでも十分に非日常的なサイズ。この時は、まさかこれを稼働させてくれるとは夢にも思いませんでした…。

航空武器用エレベータ(閉鎖状態)

航空機用のエレベータとは別に、ヘリの武装専用のエレベータもあります。

こちらは水線下にある弾薬庫から6層の甲板を貫いて直接飛行甲板まで達しています。もちろん、防爆構造になっているとのこと。

航空武器用エレベータ(昇位置状態)

武器用のエレベータは前後に2ヶあり、後部は昇位置で展示されていました。

ヘリ用のエレベータと異なり、甲板面は昇降台ではなく、ハッチになっているようです。

これまでにない大型の護衛艦ということで、「ひゅうが」には甲板での作業用に各種の車両も搭載されています。

そういった車両も、飛行甲板に展示されていました。

救難作業車

2台配備されている救難作業車。塗装からも想像がつくように、消火作業がメインとなります。二人乗りで、車体前部中央に放水銃を搭載しています。

米国製で、アメリカ海軍の空母に搭載されているものと同じとのこと。

牽引車

牽引車。こちらは国産で、トヨタ製。救難作業車と比べると、やはり日本製らしい細やかな造りになっているなと感じました。

牽引車

甲板後部に固定されていたクレーン車。「ひゅうが」の甲板上には固定のクレーンが見あたりませんので、物資の揚搭では、きっとこのクレーン車が活躍しているのでしょう。災害派遣などでも機動的に活用できそうです。

艦橋前の艦首甲板には、洋上給油を受けるためのプローブレシーバが前後に2基と、その間にスライディングパッドアイが設置されています。

従来の護衛艦では、艦橋横、ヘリコプター格納庫横にプローブレシーバが、船体中央部にスライディングパッドアイが設置されていました。補給装置の並びは従来の艦と同様ですが、全体に艦首側への装備となっています。

また、こうした装備があるのは右舷側のみです。乗員の方に伺ったところ、左舷側にも給油口そのものはあるそうで、限定的ながら洋上給油は可能とのことですが、やはり艦橋があり、操艦が容易な右舷側で補給を受けるのが原則とのことでした。

「ひゅうが」艦首のスライディングパッドアイ

「ひゅうが」のスライディングパッドアイ。

この日は起こされていましたが、不要な時は甲板上に倒して寝かせておくことが可能なようです。

「ひゅうが」艦橋前のプローブレシーバ

艦橋前のプローブレシーバ。洋上給油時に給油管が差し込まれる部分です。

「ひゅうが」の場合、この前方にスライディングパッドアイを挟んで、もう1基あります。