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レスキューロボット「援竜」見学記

長岡市の長岡技術科学大学で行われた、レスキューロボットT-52援竜のデモンストレーションを見てきましたよ。

当日は曇り、ときどき晴れ間、後に雪、さらに雪という天気で、訪れた一般人は10名ほど。広報が足りなかったのか、関係者と見学者がほぼ同数という感じ。まぁ、天気も悪かったですし。

デモの開始予定時間は11時からの予定でしたが、ウォームアップの為か少し早めにエンジンを始動してアームを動かしてました。操縦員が登場しての直接操作と、遠隔操作が選択できる援竜ですが、天候の関係(遠隔操作ユニットが全天候性能を持ってないそうです)でデモンストレーションは直接操作で行われました。

遠隔操作ユニットは、ブルーシートをかけられて会場の片隅においてありました。

当日のデモのメニューは、報道にも公開されていたアームでの雪庇落としと、自動車の搬送。

雪庇落としは、援竜が駐機している駐車場の、校舎側の斜面の積雪を利用して行われました。

アームを展開して雪を薙ぎ払っていくのですが、外部に露出しているパイプ類も雪を払ってしまいます。油圧用のフレキシブルホースはそう簡単には千切れないだろうけど、ホースをシリンダに接続している継ぎ手部分が心配です。

また、アーム先端部の形状や、各部の動作速度も改善の余地がありそうです。九州から来られた援竜関係者の「雪がこんなに重いとは思いもよりませんでした」って言葉が印象的でした。

続いては、雪崩に巻き込まれた自動車の救出を想定した、搬送作業。

報道陣にデモを公開したときにかなり酷使したようで、要救助者役の軽自動車はかなりボロボロになっていました。

自動車に接近した援竜、アームの向きを慎重に調整しながら自動車にアプローチしていきます。クローラ前方の排土板を降ろしているのは、アウトリガー代わりにする為でしょうか? 自動車の中には、ダミーの人形が。すでに窓ガラスが残っていない車内に雪が積もっているのが哀れです。そして、アーム先端の爪で自動車のピラーを掴んだ援竜、自動車を持ち上げました

見事…と、言いたいところですが、こちらもまったく課題なしとは言えず。

今回は車内に残っているのがドライバーだけで、援竜は逆サイドの左側からアプローチしています。が、地形によっては右側から車体にアプローチせざるを得ないケースもあるでしょうし、車内に複数の人間が残されている場合もあります。例えば、意識を失っている人間がピラー部分によりかかるようにしていたらどうでしょう? 今回とは別の救出手段を考えねばなりません。

また、事故を起こしたのが軽自動車ではなかったら? 両手を使って1トンのものを持ち上げ、その数倍の重量を引きずることが可能という援竜ですが、バスやトラックの救出では問題が出てくる可能性はありそうです。

一連のデモが終了した後は、関係者の挨拶があり、援竜のコクピット内も見せてもらえました。

ハッチは胴体背面にあり、操縦席はあまり広くありません。正面の窓は広く、前方視界は良好。ワイパーも設置されています。

ずらりと並んだ小型ディスプレイは、各部のカメラからの画像が。座席の左側には制御用のパソコン、正面には操作用の2本のジョイスティックがレイアウトされています。ちなみにこのジョイスティック、マイクロソフト製でした(笑)。

全体的な印象としては、まだまだ荒削りな所が多く、実用化までは越えなければならない壁がまだまだありそうです。が、全ての道具がそうであるように、それが及第点を取れるまでは、長い試行錯誤が必要です。援竜関係者の奮闘に、期待したいところです。