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「臼田宇宙空間観測所」見学記

2006年4月15日、長野県臼田町にあるJAXAの臼田宇宙空間観測所を見学してきました。
臼田宇宙空間観測所は、深宇宙の探査機と超長距離通信を行うための直径64メートルの巨大パラボラアンテナを中心とした施設です。遙か彼方の探査機の微弱な電波をとらえるために、周囲を山に囲まれて、電波的な雑音が入りにくい臼田に建設されたそうです。
実はこの日、早朝まで仕事でして、帰宅して荷物を持ち替えるなり長野に出発。徹夜明けのハイな精神状態のまま高速道路を突っ走り、上信越自動車道の佐久インターチェンジを降りました。ここで、同行の友人二人と合流。一路、宇宙空間観測所を目指します。
宇宙空間観測所までの道のりはあまり難しくありません。あちこちに「パラボラアンテナ」と書かれた案内標識が立っていますし、山道に入ってしまえばほぼ一本道ですから。
ただ、道幅はあまり広くないので、運転にはそれなりに注意が必要です。時間的には佐久インターから30分ほどでしょうか? それは、林の間からいきなり視界に飛び込んできます。
あまりに唐突に視野に入ってくるので、思わず唖然としてしまいます。アンテナが見える場所に図ったかのように路側帯があるので、そこに車を止めさせてもらって、しばしアンテナ鑑賞。やはりインパクトがあるのか、ネット上で臼田のアンテナ見学をレポートしている人は、大概ここからの画像を載っけています。そんな訳で、私も一枚掲載(笑)。
ひとしきりアンテナを眺めた後、再び車に乗り込んで観測所へ。見学は昼間なら随時可能とのことで、守衛所に一声かけて見学させてもらいましょう。車は敷地内なら自由に止めて良いそうですが、エチケットとしてゲート近くの邪魔にならないところにするべきでしょうね。
そんな訳で、近くからアンテナを見学。
いやぁ、でかいでかい。敷地内からだと、よほどの広角レンズじゃないとアンテナ全景をとらえられません。
あの細い道に、この山中。一体どうやって建設資材を運び込んだんだろう? パラボラ面の骨組みなんかはともかく、メインの太いフレームなんか、分解してもそんなに小さくならないでしょうにねぇ。
各部の可動機構や、裏面に露出した骨組みも必見。
点検用と思わしきキャットウォークもあるのですが、ここに至る梯子はパラボラが真上を向いた状態を想定しているらしく、アンテナ本体が斜めの状態だと梯子も斜めになっているのは面白かったですね。
ひととおりアンテナを眺めた後は、守衛所に併設されている展示室を見学。宇宙機の模型や各種のパネルなど、小振りの展示施設ですが、なかなか楽しめる内容でした。
展示品の中には、先般、小惑星「イトカワ」へのタッチダウンを成功させた工学試験探査機「はやぶさ」の縮小模型も。
今、この瞬間にも、眼前の巨大アンテナは、地球帰還に向けて苦闘する「はやぶさ」との交信を行っているのかもしれません。願わくば、天の彼方の「はやぶさ」に、私たちの声援が届いてくれればと祈りながら、臼田の町へと、山を下っていきました。