Cross Talk

はやぶさは飛翔した

夜はロフトプラスワンで、「はやぶさは飛翔した」に参加してきました。

今回は笹本さんと浅利さんはお休みだそうで。きっと某社と某社の編集さんが目を光らせていたに違いありません(笑)。 ピンチヒッターで、宇宙作家クラブからイラストレーターの小林氏が出演しておられました。ゲストは宇宙研の國中均氏と、吉川真氏。それぞれ、「はやぶさ」のイオンエンジンとナビゲーションを担当しておられたそうです。

内容はタイトルの通り、小惑星探査機「はやぶさ」の惑星間飛行に関しての苦労話が色々と。

印象的だったのは、「従来の探査機は、行程のほとんどを慣性飛行する人工惑星。推力飛行するはやぶさは、宇宙船だ」といった話。それ故に、いろいろとご苦労もあったそうです。ナビゲーションに関しては、太陽光の輻射圧の影響が大きいという話が。その影響はイオンエンジンの1/100程度にもなるそうで。つまり、イオンエンジンの推力に1パーセントの誤差があれば、軌道解析班の努力が帳消しになる訳で。運用中はいろいろと、意見や要望のやりとり(笑)があった様子です。

ちなみに「はやぶさ」が飛行中に有名になった、イオンエンジンの連続運転を示すステッカーは某宇宙戦艦ではないですよ、とのこと(笑)。波動エンジンじゃなくてイオンエンジン、補助エンジンっぽく見えるのはイオンエンジンの中和器だそうで。モノは言い様だなぁ。

このイオンエンジン、太陽から離れるに従って太陽電池の発電量が低下するため、使用する台数を変えて発生電力以上の電気を使わないように運用したとのこと。エネルギーのマネジメントはかなり綿密に行われたようでした。

現在、地球帰還に向けて準備が進められている「はやぶさ」ですが、その改良タイプとなる「はやぶさ2」の計画があるとのこと。こちらは「はやぶさ」の不具合点を改修するなど、最小限の設計変更に留めた改良タイプで、イトカワと異なる組成の小惑星を目標に、2010年の秋に打ち上げる計画だそうです。

そして「はやぶさMkII」は、より強力なイオンエンジンを搭載した発展型とのこと。「はやぶさ」をその名の通りキ43I(日本陸軍の一式戦闘機「隼」I型)とすれば、「はやぶさ2」はキ43II(「隼」II型)、「はやぶさMkII」はキ84(隼と同じ、中島飛行機が開発した直系の戦闘機、四式戦闘機「疾風」)に相当する訳ですな。

ただし「はやぶさ2」計画は、予算面で厳しい状況におかれているのが現状とか。そんな訳で、会場では「財務省に意見してみようか」などと話が出ていました。

すべてが上手くいけば、「はやぶさ」の地球帰還は2010年6月。「はやぶさ2」は2010年11月の打ち上げが予定されています。化学燃料ロケットによる軌道変更ができない「はやぶさ」は、おそらく地球大気圏に突入して燃え尽きてしまうでしょうが、自らを炎の中に投じてその灰から蘇ると言われる霊鳥のように、「はやぶさ2」が飛翔する日を心待ちにしています。