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「首都圏外郭放水路一般公開」見学記

2007年11月17日に埼玉県春日部市の庄和排水機場で行われた首都圏外郭放水路施設一般公開に行ってきました。

首都圏外郭放水路とは、洪水に悩まされてきた中川と綾瀬川一帯の水害を抜本的に解消するために建設されたもので、降水時に河川の水を巨大な地下トンネルに取り込み、ガスタービンエンジンを動力とする巨大なポンプで、流量に余裕のある江戸川に排水する一連の施設です。

施設は5本の立坑と地下水路、調圧水槽、ポンプ施設などからなり、建設途中から順次稼働を開始。既に何度もその能力を発揮しているそうです。

今回公開されたのは、トンネルから流れてきた水の勢いを弱めるための巨大プールである調圧水槽と、PR施設の龍Q館。特に調圧水槽は、色々な映画やTVドラマのロケ地にもなっているので有名ですね。

当日は、長岡から大宮まで新幹線。そこから東武野田線に乗り換えて、南桜井駅にて下車。臨時運行されているシャトルバスで庄和排水機場に向かいました。

庄和排水機場に着いたのは、開場予定の午前10時を幾らも過ぎていなかったのですが既に会場は結構な人出で。特に、調圧水槽見学の入り口には列が出来るほどの人気です。早速、私も列に加わって、調圧水槽見学に行きました。

どこにでもあるような鉄のドアを抜け、飾り気のないコンクリートの階段を下っていきます。

明かり取りの天窓に加えて階段にも照明があるのですが、降りて行くにしたがって周囲は少しずつ薄暗くなっていきます。

長い階段を下まで降りると、土嚢で区切られた一角には泥が堆積しています。通路の泥は取り除かれていますが、多少の水濡れはあります。どうやら調圧水槽を使用するときは、ここまで水が入るようです。

湿度と温度(一応、地下ですからね)を警戒して、デジカメの結露対策でチャック付きのビニール袋の中に密封してきたのですが、どうやらその必要もなさそうです。後で考えてみたら、調圧水槽には隣接して第一立坑があるので、ある程度空気が出入りするのかもしれませんね。

通路を抜けると、そこには荘厳な光景が待っていました。

長さ177メートル、幅78メートル、高さ25.4メートルという巨大な空間。

一本あたり500トンの重さがあるという柱が59本。この柱でトンネルから流れてきた水の勢いを弱め、同時にこの柱の重量で調圧水槽が浮き上がるのを防いでいるそうです。

天井には幾つもの照明が設置され、歩き回るぶんには不足のない明るさですが、手持ちのカメラには少し辛い感じ。写真を撮ろうという人は三脚を持っていった方が良いでしょう。

靴は長靴とまでは行きませんが、動きやすくて(階段がありますから)ある程度の水濡れに耐えるもの。服装も汚れて良い格好のほうが無難そうです。

ポンプ設備側から調圧水槽に入った見学者は、洪水時の水の流れとは逆方向に動いて、第一立坑側から地上に出ることになります。

第一立坑周辺は立ち入り禁止になっていて近づけませんでしたが、ここも機会があれば是非とも見てみたい施設です。

階段を昇っていくと、天井近くにキャットウォークが。調圧水槽使用時にここにいたら壮観でしょうね。

龍Q館の近くで地下に入った筈なのに、地上に出ると随分と離れた場所でした。改めて、調圧水槽の巨大さを感じます。

周囲を見渡せば、何の変哲もない田園地帯。この地下に、こんな壮大な施設があるというギャップが面白いところです。機会があれば、是非とも見学してみることをお勧めします。