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衛星まつり3

2008年2月3日、新宿のロフトプラスワンで行われた「ロケットまつり外伝『衛星まつり3』」に行ってきました。

この日は、関東圏としては珍しい雪の日。あちこちで列車の遅延や運休があったようですが、中央線は特に大きな混乱もなく動いていたようで、新宿には16時前に到着できました。

ここしばらくはロフトに到着する頃にはある程度列が大きくなっていたのですが、さすがに雪で動きが取りにくいのか、この日は私たちより前に来ていたのは1人だけでした。昼間のイベントがまだ続行中ということで、邪魔にならないように隅に寄って並びます。

17時頃に整理券配布。近くのマクドナルドで時間を潰した後、予定通り18時に入場できました。雪で人出も減るかと思いきや、蓋を開けてみれば満員で、いつもの「ロケットまつり」です。

「衛星まつり」ってことで、ゲストは小野英男さん。出演は浅利義遠さん、松浦晋也さん、笹本祐一さん。笹本さんはここしばらく出られなかったようで、「今日はいます」と散々言われてました(笑)。

今回は、NASDA初の衛星である技術試験衛星である「きく1号」がメインテーマ。

日本の人工衛星開発に深く関わってきたNECと、小野さんの動向に関して概略が説明された後、本題のトークへ。

ここで小野さんがサラリと呟いた一言「NASDA最初の星」。すかさず笹本さんが「この場合、『衛星』と書いて『ほし』と読む」って補足。こういう言葉を、それに関わったパイオニアの人が使うと、やっぱり格好良いですよねぇ。この日、最も痺れたひとことでした。

ちなみに小野さん、技術試験衛星1号開発の時に、NECからNASDAに出向になったそうで。官による宇宙開発としてスタートしたNASDAは、技術屋不足で初期はかなり苦労したようです。

んでは、いつも通りに内容に箇条書きで触れていきます。

  • 衛星と一緒にNASDAに赴任。卓球台と一緒に赴任してきた人もいた。
  • ロケット屋と衛星屋の反目。かたや「荷物」で、かたや「籠屋」。
  • 振動試験をNASDAの試験器と人員で行ったところ、構造モデルを壊してしまった。
  • NEC側にバックアップのモデルがあったため提供してもらって、再試験。また壊しちゃった。操作ミスか機械の誤作動で、設計値を遙かに超える衝撃と振動を与えたらしい。原因はいまなお不明。
  • これに懲りて、NASDAは試験設備をメーカーに貸し出して、試験をやらせるようになった。
  • 伸展アンテナの展開テスト。アンテナ収縮時に突然停止。本体側が故障。絶縁体の上でテストをしていたため、摩擦による静電気が発生したためだった。
  • このテストを以前にやったときは問題なかったのだが、そのときは梅雨だったのが良かったらしい(笑)。
  • 衛星の試験施設が各所にあり、衛星を移動させないといけない。チェック装置がないので、それをコンテナに積載したモバイルチェックアウトシステムを開発。原型車両に比べて大幅に重量が増加したため、クラッチが滑って大変だったらしい。選任のドライバーがいたそうです。
  • 開発が進んでいくと、ロケット側からしきりに「衛星は問題ない?」と聞いてくるようになった。どうやらロケット開発が遅延している様子。
  • アメリカから輸入した部品が駄目だったが、NEC製造部門の努力で予定通り完成。
  • ロケットが完成せず、打ち上げは半年延期。しかし、NASDAに衛星の保管施設がなく、NECに保管してもらった。
  • 種子島へ移動。当時の種子島の信号は一カ所。車は「カーブは最短距離で走る」種子島ルールで走っていた。
  • 種子島ではロケットは現地で組み立てるが、衛星は完成品を持ち込んでいるので、衛星班はヒマをもてあましていた。
  • 鋭気を養うために、いろいろとやったそうです。衛星組み立て棟は射場の場末にあるので、都合がよかったらしい(笑)。
  • ロケットと衛星の組み立てで問題が出て、昼間は喧々囂々の応酬。「夜の部」で話し合い。日が暮れて朝までに問題は解決した、らしい。

そんなこんなで、いつもより早く初めて、いつも通りの時間に終了(アレ?)。

いやぁ、いつもながら現場にいた人の話は面白いっす。あと、小野さんも話の組み立て方が回を追うごとに上手になっていく感じがありまして、うまくツボを押さえてお話なさっていました。

次回の「衛星まつり」は6月ということなので、今から楽しみです。