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「内之浦宇宙空間観測所」見学

2010年4月30日、ゴールデンウィークの九州旅行の途上、鹿児島県肝付町にあるJAXA内之浦宇宙空間観測所を訪れました。

内之浦にアクセスする道路上には多数の宇宙関連オブジェクトが展示されています。ふと遠方の稜線に目をやれば、明らかにそれと判るパラボラアンテナ群が。いやがおうにも気分が盛り上がります!

ロケット基地こと内之浦宇宙空間観測所は、内之浦の街から坂道を延々と登った先にありました。うわぁ、話には聞いていたけど、本当に凄い所に造られてるんだなぁ。

見学の手続きは、受付で住所氏名を記帳すればOK。事前予約などは必要ありませんが、見学可能な時間が決められていますし、隣接する資料館も休館日がありますので、事前にWebサイトなどで確認してから出かけましょう。

見学手続きを済ませるとパンフレットや入門許可証などが貰えます。吸盤付きの許可証は、自動車のフロントガラスの内側に貼り付けるタイプで、帰りにゲートで出門の手続きを行うさいに返却します。

観測所内は自動車で入ることができます(というか、自動車かバイクでないと見学はかなり苦しいと思います。ロケット打ち上げ施設としては面積が極小と言われる内之浦ですが、それでも施設間の距離はかなりありますし、何よりも高低差が大きいので)が、構内の道路はかなり狭く、カーブのきつい坂ばかりです。くれぐれも安全には注意して、徐行して見学するようにしましょう。

入り口のゲートをくぐって入場すると、パンフレット片手に20mアンテナ台地に併設されている衛星ヶ丘展望台を目指しました。

衛星ヶ丘展望台からだと、宇宙空間観測所の全容がよく見渡せます。

画像中央から右側の建物がコントロールセンターとテレメータセンター。ひときわ目立つパラボラアンテナがテレメータセンターの34mアンテナです。

画像の左端に小さく写っているのがMロケットの整備塔。パンフレットの記述だと、この展望台との高低差は100m以上あります(展望台が標高344m、整備塔のあるMセンターが標高210m)。こんな場所にロケット基地を建設しようと思いついた糸川英夫という人は、尋常じゃない発想の持ち主としか言いようがありません。

衛星ヶ丘を下ると、途中にある人工衛星「おおすみ」の記念碑を見た後、観測ロケット発射場へ。

現地の案内板ではKSセンター台地と書かれたここは、各種の小型観測ロケットの打ち上げ用に使用されているそうです。

観測ロケットは組立室で組み立てられ、ランチャーに搭載されます。

ロケットを載せたランチャーはランチャードームに移動し、ドームの天井を解放して発射されるのですが、ドームからの打ち上げだと上下角および方位角の制約があることから、ドーム外で発射を行うこともあるとのことでした。

ランチャードームはコンクリート製で、ロケットを風雨から保護する役割をしているとのことです。

また、観測ロケット発射場の周辺にはM-3SS-520といったロケットの実物大模型が展示されていますので、こちらも要チェックです!

観測ロケット発射場の次は、M(ミュー)センターへ。

2006年9月まで、M-Vロケットを運用していた施設です。

残念ながら、組立棟整備塔の周囲にはフェンスがあって近づくことはできませんが、周辺にはL(ラムダ)-3HM-Vといった大型ロケットの実物大模型や地上試験機が展示されており、それらを間近から見ることができます。

ペンシルロケット以来の純国産機であり、世界的に見ても独特の発展を遂げてきたM-Vロケットは2006年に運用を打ち切られてしまいましたが、整備塔の基部にはボロボロになった火炎偏向板が残されていて、ロケットのもつ凄まじいエネルギーを感じさせてくれます。

できれば、これらの施設が稼働している時代に見学に来たかったものです。

最後に、入り口近くにある宇宙科学資料センターを見学。

展示されているパネルなど、経年劣化が感じられる資料も少なくありませんが、きちんと手入れはされていますし、一部の展示品は更新が続けられているので、内之浦を訪問した際には是非とも見学しておきましょう。M-V整備塔の稼働模型は一見の価値ありです。

楽しい見学でした。次期固体燃料ロケットの無事の実用化と、それに伴う内之浦宇宙空間観測所の再度の活性化を願って止みません。打ち上げが始まったら、是非とも見学に再訪したいものです。