(『2009年春 静岡の旅』おまけ)

特別編

東海バスグループ 修善寺〜松崎線

修善寺駅前(静岡県伊豆市)〜土肥温泉〜宇久須〜堂ヶ島〜松崎(静岡県賀茂郡松崎町)


 古くからの温泉地である、静岡県伊豆半島中部の修善寺から、国道136号線を西へ。峠を越えて西海岸の土肥へ出て、恋人岬や堂ヶ島といった景勝地を通って西海岸を走り、なまこ壁の街並みで知られる、西伊豆の中心地・松崎までを結ぶ幹線ルート。 伊豆半島全域に路線網を広げる東海バスグループ=代表会社は東海自動車・本社伊東市=の、西伊豆東海バス・中伊豆東海バスが運行している。 修善寺〜松崎間の通し便が、おおむね1時間に1〜2本(30〜50分に1本見当)運行される他、三島駅(一部は沼津駅)から修善寺駅経由で土肥・堂ヶ島・松崎を結ぶ特急便、また松崎から修善寺駅に入らず三島駅・沼津駅への急行便が、計5往復程度運行されている(こちらは沼津登山東海バスも運行)。 普通・特急とも、一部は松崎の長八美術館発着となる。普通便の場合、修善寺駅〜松崎間を通しで乗ると、所要時間は1時間40分程度で、運賃は2,090円。土肥温泉までは、修善寺・松崎とも50分程度の乗車となる。

 観光地の長距離路線ということもあり、観光タイプや、路線バス仕様でもトップドアで座席数も多目の車両が主力だが、新型の2ドアワンステップバスも運行される。なお、同社のバスは、2ドアの車両でも、前乗り前降り・後払いである。特急バスには、都市間高速バスと同等の車両が使用される。


 JR伊東線というのは、実質伊豆急行線と一体なのだが、どん詰まりの路線。往復乗車も能がないので、下田から乗ろうとすると、結局は西伊豆から入るという話になる(天城越えだと、伊豆急行線の途中に出てしまうので)。
 というわけで、今回は本文の通り、清水〜土肥のフェリー利用で、土肥港に上陸した。土肥港は土肥温泉の中心部の南の外れで、今回はそこからの乗車となる。

  

 港から坂を登って、高台を走る国道136号線へ出て、右側の道の向かい側にあるのが、松崎方面の土肥港バス停(左画像)。特急バスも停車する。
 時刻は予め調べておいたが、路線図を見ると、途中2〜3箇所かで、バイパスと旧道と思しき区間に路線が分かれているのに気付いた。バイパスでない方は停留所が多いので、特急ではない方はみんな通るのか、と判断。それにしても気になる。
 しばらくして来たのが、右画像のバス。いすゞのエルガかと思ったら、日野のブルーリボン2と判明。最近はバスメーカーの事業統合が進んで、新型バスはメーカーの区別が付かない……。ちなみに、2007年に導入だそうな。

 とりあえず、前の席が空いていたので、座った。お客はそれなりに多い。

 最初に旧道の街中に入る、宇久須地内は、そんなに広くもなく、でも狭くもなく、という感じ。ただ、バス同士のすれ違いシーンがあったが、少々きつい感じがする。「宇久須駅」という古びた大きな待合所があったが、鉄道のない佐渡にあるのと同様、かつての国鉄との連絡乗車券も発売していた名残だろうか。

 そして、次に旧道に分け入った、安良里(あらり)地内と、田子地内。
 バス停の路線図を見た時の予感が、的中した!!

 国道から坂を下って、海と山の間の狭い平地に

固まった、安良里の集落へと下っていく様子。

 バイパスから距離や高低差があるので立ち寄る

のだろうが、走るバスは大型車ばかり。

 3区間位、狭い道が続く。

 更に進んだ、田子地内も、こんな街中を走行す

る。ここも山と海に挟まれた狭い土地に、家々が

密集した漁村だ。

 ちなみに、この辺では、杭にバス停名が書かれ

ただけのバス停標識もある。

 月の浦バス停付近か。前方の軽自動車は、バス

との離合のために退避中。

 この先、バス1台がやっと通れる狭いトンネルがあ

る。画像は撮り損ねたが、中で離合は不可能なの

で、一時停止して確認してから進入した。

 まさか、こんな幹線で狭隘区間に突入するとは思ってもみなかったので、不意打ちを食らったような感じもする。だが考えてみれば、あんな限られた山裾の平地に密集した集落の近くになど、バイパスを通せない。結果的に集落とバイパスが離れて、しかも高低差があるので、大きな所なら、通れる限り路線バスは集落を通すのだろう、と勝手に納得する。

 もちろん、路線のほとんどは、駿河湾を望む、多少アップダウンがあるが快適な国道だ。沿線に観光地が多いので、バスのお客にも観光客や、風景を撮影する方が目立つし、その他のお客も多く、乗車時は最大20人弱の入りだった。ちなみに、左の画像は、もう少しで堂ヶ島、というあたりだ。

 本文の通り、このバスを堂ヶ島で下車。バスは松崎の長八美術館まで行く便だった。


メモ:同路線は、市販の大型時刻表にも掲載されているほか、東海バスグループの公式HPで、停留所別の時刻表や時刻・運賃検索、また同路線を含め、観光客が多く使う路線の抄録時刻表が掲載されている。
 今回、バスは『伊豆ドリームパス・黄金路』(5,980円、3日間有効)を利用した。本文にも記した通り、エスパルスドリームフェリーの片道に加え、土肥温泉〜松崎、松崎〜下田の東海バスと、伊豆急行線全線(特急自由席含む)が乗り放題となる。『山葵路』(6,500円)というのもあるが、これはバスのフリー区間が、土肥港〜修善寺、修善寺〜河津間となり、本ページで紹介した区間は利用できない。
 なお、伊豆急行線含め、各種フリー乗車券が発売されているが、単独で買える広域利用できるフリーきっぷは、ないようだ。東京方面からの利用であれば、伊豆地域までのJR特急や小田急(新宿〜沼津の『あさぎり』利用)往復と、伊豆半島地域の東海バスグループ全線(定期観光・周遊バス除く)フリーパスがセットになったものもあるので、広域を周遊するのであればその方が良いだろう。

 松崎から下田方面へ抜けるバス(バサラ峠・蓮台寺駅経由)は、堂ヶ島が始発なので、堂ヶ島〜松崎間はバスの本数が多くなる。堂ヶ島や松崎には、バスターミナルを兼ねた案内所があり、更に南へ向かいたい場合は『南伊豆フリーパス』(2,790円、2日間有効&特典・施設割引あり)を買える。ただし、松崎から石廊崎(伊豆半島最南端)へ行きたい場合、途中乗り換えで、西海岸経由だと1日2〜3本しかない(大型時刻表で確認可)ため、下田へ出て乗り換えた方が便利かも知れない。
 逆に北へ向かいたい場合、土肥温泉からは戸田へのバスがあるが、本数は多くない。なお、沼津港〜戸田〜土肥の高速船も運航されている。


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