ボールスプライン軸受判決 (平6(オ)1083号)
所謂、均等論判決
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A.特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存する場合であっても、
(1) 右部分が特許発明の本質的部分ではなく、
(2) 右部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであって、
(3) 右のように置き換えることに、当業者が、対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであり、
(4) 対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから右出願時に容易に推考できたものではなく、かつ、
(5) 対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないときは、右対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当である。
けだし、(一) 特許出願の際に将来のあらゆる侵害態様を予想して明細書の特許請求の範囲を記載することは極めて困難であり、相手方において特許請求の範囲に記載された構成の一部を特許出願後に明らかとなった物質・技術等に置き換えることによって、特許権者による差止め等の権利行使を容易に免れることができるとすれば、社会一般の発明への意欲を減殺することとなり、発明の保護、奨励を通じて産業の発達に寄与するという特許法の目的に反するばかりでなく、社会正義に反し、衡平の理念にもとる結果となるのであって、
(二)このような点を考慮すると、特許発明の実質的価値は第三者が特許請求の範囲に記載された構成からこれと実質的に同一なものとして容易に想到することのできる技術に及び、第三者はこれを予期すべきものと解するのが相当であり、
(三)他方、特許発明の特許出願時において公知であった技術及び当業者がこれから右出願時に容易に推考することができた技術については、そもそも何人も特許を受けることができなかったはずのものであるから(特許法二九条参照)、特許発明の技術的範囲に属するものということができず、
(四) また、特許出願手続において出願人が特許請求の範囲から意識的に除外したなど、特許権者の側においていったん特許発明の技術的範囲に属しないことを承認するか、又は外形的にそのように解されるような行動をとったものについて、特許権者が後にこれと反する主張をすることは、禁反言の法理に照らし許されないからである。
要約だけを掲載していたら、自分のコメントも記載するように、求められました。そこで、下記にコメントを記載します。
1)ボールスプライン軸受の資料は、多数存在している。したがって、進歩性の判断基準のレベルは当然低くなっており、審査段階では、発明の構成を限定することにより、特許になったものと思われる。
2)それにもかかわらず、侵害の際には、権利範囲を拡大して主張した?。
3)この事例が全ての事例に当てはまるとは思えないが、侵害か否かを判断する際において、構成が相違する場合には、上記判例に基づいて判断する必要がある。また、補正書は勿論のこと、意見書の記載に注意する必要がある。