天下台山の岩石
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 天下台山の岩石は、大部分が流紋岩だといわれています。流紋岩は、火山活動によって地上に噴き出したマグマが地表付近で急速に固まってできる岩石(いわゆる火山岩)の1種です。マグマの流れ方向に沿った縞模様(流理構造)があるのでこの名前が付きました。流理構造がないものは石英粗面岩とも呼ばれるようです。

 相生市史(第3巻第5章)は、天下台山周辺の地層について、次のように書いています。

 近畿地方には、活火山も休火山もないが、今から約1億年から8000万年前ごろにかけて、兵庫県の南西部一帯は、はげしい火山活動がつづいた。それは、いまの火山が高い山頂で噴火するのと異なり、広範囲のいたるところから噴火したと推定されている。 

 (中略) 中生代末ごろまで約1億年のながい間、相生地方はひろい陸地の一部であったが、白亜紀の中ごろから末期にかけて兵庫県南半分ははげしい火山活動にみまわれ、一面に噴出した溶岩流や火山灰が古生層(龍野層群)からなる陸地の上に堆積してひろい火山岩体が生成した。この火山岩類とその中にはさまれた堆積岩を一括して、相生層群と名づけられている。市域の相生層群は、岩相の違いとかさなる関係から、下位より上郡上部累層、鶴亀下部累層、鶴亀上部累層、赤穂累層の4つの累層(ある特徴で区分できる地層のかさなり)に区分されている。

 (中略) 新生代にはいってまもなく、火山活動があり、噴出した溶岩などが相生層群の岩体の上を被覆した。この岩体が天下台山を中心に分布する流紋岩および流紋岩質火砕岩からなる地層である。天下台山より北流した流紋岩の溶岩は、赤穂累層から鶴亀上部累層までの一連の岩体のうえを、西後明の北まで流れた。また南流した溶岩は、室津七曲り海岸に達した。いずれも明白な流理構造をしめしている。灰色から茶褐色を呈し、石英、カリ長石、斜長石などの斑晶をもつ流紋岩で、天下台山層群と呼ばれている。

 天下台山層群の「流紋岩溶岩流理」は、兵庫県版レッドデータブック(2003)の地質部門で、「ランクB」に評価されています。次の写真は、2003年8月1日に天下台山頂上北側の水戸大神のコル付近で撮影した流理構造の露頭です。写真(A)の右上に写っている小道は北尾根縦走路です。 

 

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写真(A) 


写真(B) 


写真(C)


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